「運命、変えるもの、従うもの」ファーストキス 1ST KISS yohさんの映画レビュー(感想・評価)
運命、変えるもの、従うもの
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運命の転換が矛盾なく描かれていて、落ち着いて観ることができた。部屋の生活感、夫婦喧嘩の現実感が良く出ている。エンドロールの優河の歌声もとても心地良い。
時空を超えた記憶・認識が、2009年夏に戻ったカンナ(松たか子)から、全てを知った駈(松村北斗)に移行して、2024年の事故死前の手紙になった。カンナが駈に話したことで、運命の支配者がカンナから駈に代わった。
駈の死の運命は変わらず、カンナの慟哭は避けられない。新しい運命下のカンナは、駈の運命を変えようとした自分の必死の努力や、将来を知った駈の努力をたぶん知らない。ただ、カンナと駈の15年間は幸せなものに変わった。
駈が15年前に知った自分の運命を受け入れて、人助けに身を捧げたことが、観る者に痛みとして残る。
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