劇場公開日 2025年2月7日

「やや変わった問題提起型の映画にも思える、おススメ。」ファーストキス 1ST KISS yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やや変わった問題提起型の映画にも思える、おススメ。

2025年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年57本目(合計1,599本目/今月(2025年2月度)20本目)。

 作品の問題提起としては、結婚してある程度盛り上がったけど、年を重ねるなどして「飽きてしまった夫婦」に起きる摩擦などをどう解消していくかという観点において問題提起型なのだろうというところはすぐわかります。

 一方で、ストーリー展開は2024年だったかの「ペナルティループ」(タイムループもの)に近く、その作品が「花言葉」(→アイリスの花言葉を知らないと理解が難しくなる)であったのに対し、こちらは映画内では誘導はされますが、ある程度生物(せいぶつ)用語が飛んできますので(作内で、研究している、という設定のため)、そこがある程度ポイントかな…と思います。

 問題提起型の映画で見るもよし、ある程度の謎解きを含むペナルティループもののタイムループものの映画と見るもよし、複数の見方もできるという事情もあって、本作品は押せるかな…といったところです。

 あえて気になる点もなくはありませんが(後述)、この点については後述します。

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 (減点0.5/事務管理を(本人または夫婦のもう一方が)取り消せるか)
  ※ 事務管理と無権代理の論点(固定幅0.3扱い)含む

 事務管理は、不当利得・不法行為と並んで、特定の条件を満たすと勝手に発動する、分類としては「法定債権」と呼ばれるものになります。また、学問上、事務管理(697条)は準法律行為とされ、そこに取消し・無効などの概念はないものとされます(ただし、強迫されて無理やり行わされる事務管理のように、管理者(事務管理を行う人をいう)にそもそもその意志がないか「やる気がない」場合にまで取り消せるか、というと微妙なところがある。日本ではこの点、最高裁判例はなく地裁判例すらきわめて少ない)。この映画も、駅で落ちそうになっている人を助ける行為は事務管理(この映画の場合、緊急事務管理)に当たるところ、それを夫婦のもう一方が(タイムループを使って)取り消せるか?という解釈にすると微妙なところがあります(ただ、この点を突っ込めるのは法学部以上の出身か、法律系資格持ちの2パターンか)。

 そのため、観方によっては解釈がヘンテコであったり、いつも書いている通り、事務管理と無権代理の関係(管理者にあらゆる代理権が与えられているわけではないので、勝手に第三者と契約を結ぶなどしても本人には当然に帰属しないので、表見代理が成立しないなら無権代理になるといういつもの論点←こちらは最高裁判例がある)があり、かなり解釈が微妙な気がします。
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yukispica
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