「ハッピーエンド」ファーストキス 1ST KISS Bratscheさんの映画レビュー(感想・評価)
ハッピーエンド
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これは、身につまされる映画でした。
長い結婚生活の中で、たぶん、どこの家庭でも起きているであろうことが描かれている。
タイムリープがどうの、世界線の整合性がどうのという考察は、野暮というものです。
「そういう設定」の中で描かれる人間模様を堪能したい映画。
いつも嫌味っぽくて、妻への興味を見せなくなった夫。
離婚で合意して、届けを出そうというその日に…
(主人公にとって)よくワカラナイ正義感で命を落としてしまう。
モンモンとしながら生きている主人公が、なぜかタイムリープしてしまう。
タイムリープした先で見つけた、自分と出会う「その日」の彼。
若々しくて、可愛くて…
なんとか彼を死なないで済む世界線に誘導したくなる。
もともと天然な主人公は、的外れなことばかりして、結局わかったことは「彼は私のことが好きになるしかない」ということだけ。
そして、凡ミスから、彼に事実を知られてしまい全てを説明する。
最終的に、夫(松村北斗)は15年間の結婚生活をきちんと修正してみせる。
そういう意味では、ハッピーエンドと言える物語。
彼にとって、「15年後に自分が死ぬ」かどうかより、「この素敵な人と結婚した自分が、15年後にこの人を幸せにしていない」ことが大きなショックだったんでしょうね。
主人公(松たか子)の思う『ハッピーエンド』ではなかっただろうけど、これはハッピーエンドなんだと思う。
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