劇場公開日 2025年2月7日

「絵空事になりかねないギリギリのシナリオ」ファーストキス 1ST KISS 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0絵空事になりかねないギリギリのシナリオ

2025年2月8日
iPhoneアプリから投稿

絵空事になりかねないギリギリのシナリオ。

観客の自分事になるような説得力のある芝居。

その芝居を正面から撮るカメラ、
トリッキーな事はしない。

それを共有した繊細な演出、
日常から絵空事を捉える地に足のついたカット割り。

それらを見逃さない宣伝。

メガネを両手で直すしぐさ、
思わず回れ右をしてしまう主人公、
シンプルだがキラーカットを予告編で魅せる。

どれが欠けても成立しない、
素晴らしいチームワーク、
ヒットしないわけがない。

もっと言うと、

見飽きた中古品の題材を、
陳列の順番を変えて新品に見せる、
高い技術がないと不可能な仕事だ。

特に後半のソファーでの2人芝居、
音楽も無しで見せ切るチームワークのは凄すぎる。
あのシーンが成立しないと、
全体的に説得力がなくなる。

観客の心臓を鷲づかみするには、
AIも記憶喪失も警察も宇宙も必要としない、
フィクションの1stの原点のエンターテインメント作品。

コネクトフォーは、
焼き鳥4目並べではなかった。

本棚を境界に仲のもつれ、
量子のもつれを兼ねる、
ジェリコの壁、
インターステラーを思い出す。

チェキのウイーンで、
どんどん時空を飛ばしながら、
思いを重くならないようにたたみかけて、
葛と藤を音と絵でリズミカルに軽妙に描く、
映画でしかできないスタイル、
アバウトタイムの愛おしい時間感。

別れてるんだから、
そんなに必死にならなくてもいい、
たかばたけさん、

時をカケルカンナをちゃんと感じてるカケルくん、

夏は扉を開けて2人をつつんでくれる、餃子の皮で。

蛇足軒妖瀬布
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