花まんまのレビュー・感想・評価
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記憶は嘘をつく
もう一昔前の映画になるが、
〔スープ 生まれ変わりの物語(2012年)〕は
タイトル通り「生まれ変わり」をモチーフにした、なかなかの良作。
古くからの題材に、複数の捻りが効いた仕掛けを持ち込むことで、
笑わせて、泣かせてほろっとさせる良作に仕立て上げている。
で、本作。
「生まれ変わり」とは違った印象を受けるのは、
『加藤フミ子(有村架純)』が見ず知らずの他人の記憶を語るようになったそもそもが
冒頭に示されているからで、
生まれた子供に故人の記憶が入り込んだ、が
正しく思える。
とは言え、手垢のついた構図に変わりはなく、
ではここでの差別化は何かといえば、
徹底した{ヒューマンドラマ}化。
亡き両親、とりわけ父親から妹のことを託された
兄『俊樹(鈴木亮平)』がいる。
周囲も彼の境遇を理解し、なにくれとなく手助けをする。
片や結婚式を直前に控えた娘『喜代美』を不慮の事故で亡くした『繁田仁(酒向芳)』がいる。
勿論、彼を気遣う長女や長男は存在も、
あまり救済にはなっていない。
両者を『フミ子』が仲立ちをすることで、
二つの家族が再生する。
そのキーアイテムとなるのが
タイトルにもなっている「花まんま」。
「まんま」は「ご飯」を示す幼児語で、
元々は「飯事(ままごと)」から出ているらしいが、
ここでは「花」を手折って弁当箱に詰めたもの。
それが『仁』に亡き娘の記憶を呼び起こし、
二回の泣かせどころで効果的に使われる。
当然、鑑賞者の側も胸アツ。
場内の彼処からは鼻をススル音が・・・・。
『繁田』家の再生は言わずもがな。
では『加藤』家のそれは何だろう?
『俊樹』の、自分一人で妹を育てた、
そのために多くの犠牲を払ったと
繰り返される自慢話は鼻につく。
一方、妹の身に起こった不思議に困惑し、
幼心にもそれを隠し抑え込もうとする態度には共感する。
とは言え、長じてもなを、妹をコントロール下に置こうとの態度は
自身の価値観の押し付け以外の何物でもない。
役割を果たしたかのように、
次第に薄れていく『フミ子』の中の『繁田喜代美』の記憶。
しかし、『俊樹』にとっての、
妹を守らねばならぬとの呪縛は解けないまま。
父親との自身だけが持つ記憶がプレッシャーになり、苦しめる。
それを一気にひっくり返す出来事がファンタジーなのは
少々興醒めも、終わりよければ全てよし
との言葉がこれほど当てはまる幕切れもそうはあるまい。
素晴らしい!(2回鑑賞)
予告編の感じだと兄妹のストーリーかなって思っていましたけど、観てみると乗り移られた妹さんへの家族愛で後半は涙が溢れて困りました、それも兄役の鈴木亮平さんの兄妹愛じゃなくて、妹役の有村架純さんに乗り移った亡くなった娘さんへの愛情をお父さん役の酒向芳さんの演技力が素晴らしくてウルウルが止まりませんでした、この役者さん、普段はちょっと癖のある怖い犯罪者役が余計に優しいお父さんに演じられてて涙を誘いました。
役者が揃うと…⭐︎
鈴木亮平演じる加藤俊樹と有村架純が妹役のフミ子の兄妹の物語。
この二人が主演というだけでほぼ面白さは確定したようなものなのだけど、
今回はとにかく脇の役者さん達が素晴らしい‼︎
ファーストサマーウィカ、キムラ緑子、六角精児、鈴鹿央士を始め、いつもは
犯人役とかサイコパスなどのイメージがある酒向芳がとても良い父親を演じている。
正直、転生物というかお話し自体はベタなものだけどこれだけ上手い役者が
揃うとそんな話しでも惹きつけられて、ついつい飽きずに最後まで楽しんで
見ることが出来た。
隣の女性はずーっと泣いていたし、館内から啜り泣きが聞こえた。
「花まんま」の題名も効いていて、結婚式後に有村架純が酒向芳達家族に
対する言葉もしめに相応しく良い幕引きと思ったけど自分的には最後の
引き出物はやり過ぎ感ありかなぁ…。
泣けました
家族を大切に思う人々の、ちょっと不思議な物語でした。
少し「月の満ち欠け」に似てるなと思いました。
喜代美はフミ子だから託したのかもしれませんね。
彼女を認識するものが、花まんま…素敵でした。
兄妹とも責任感があって、約束を守ろうとする温かい人たちなのだと感じました。
泣けました。
鈴木亮平の自然な演技がとても良かったです。
関西人ではありませんが、世代的によくテレビで見ていたオール阪神・巨人師匠が懐かしかったです。
終盤にジワッとくる人情劇
生まれ変わりというより、フミ子にキヨミの霊が乗り移ったような感じですね。
フミ子が繁田のお父さんに「どちらから来られましたか?」と言った時にハッとしました。
中盤まではファンタジーやコミカル要素を含んだ人情劇で、割と平凡に感じたけど、終盤に盛り返した感じです。
みんながウサギをくれたから
予告や粗筋を見て、他人の記憶があって何が悪いんだろうと思っていたが、それは最後まで解消されなかった。
導入から夢演出がビミョーで、しかも中盤にも似たようなことをされて冷めてしまう。
ただ、メイン2人の兄妹感、脇の(実際は知らんが)大阪らしいやり取りは非常に素晴らしかった。
特にウイカは最高で、自然かつ良いキャラでハマり役。
有村架純もあざとさギリギリの可愛さで、鈴木亮平の暑苦しさも好ましいものだった。
コミカルさも烏とバンザイを除けばリアルな可笑しみ。
それだけに、幹の部分が腑に落ちなかったのが痛い。
笑えるシーンにはなっていたが、烏と話せる設定は必要だったかな。
繁田家に行く際は手紙に住所書いてあったハズだし、置いてきたのかと思えば持ってきてたし。
太郎が“花まんま”について質問するシーンも余計。
ムキになってアルバム持って帰ると言ったのに置いてくし、「忘れ物」と言って渡されたのは手紙だし。
式直前に太郎に電話が掛かってきた時は名刺の伏線にすぐ気付いたが、事前に連絡あったから何なのか。
喜代美が旅立つ演出は式の前日だったけど、だったらフミ子は“プレゼント”をどんな気持ちで受け取ったの?
俊樹のスピーチは諸々が誤魔化されそうになるくらいの出来だったのに、尺を取りすぎて間延び。
その前にモブの余興を見せられても何も感じない…
直前に3人追加とか、式場の方たちも苦労しただろうな、とか余計なことまで頭をよぎる。
タイトルは繁田家のみで、俊樹には掛かってない。
近鉄バファローズ時代にジェンダー論は早すぎるし。
役者の芝居が掛け値なしの満点だっただけに、本当に惜しい作品でした。
くるわ〜
自分も妹がいるのでダブルましたね
最後の鈴木りょうへいのスピーチでもう最後までボロ泣き❗️
かすみちゃんはかわいいし綺麗だし!
笑えるとこもあるしほっとするところもあるし、最後までじ〜んとします
最近日本映画ヨイネ
研究すればカラスと会話できるんだ!?
鈴木亮平と有村架純が兄妹でメインキャラなので、かなり笑えるんじゃないかと想像しながら着席。鈴木亮平演じる兄の加藤俊樹と有村架純演じる妹のフミ子の両親はかなり前に亡くなっていて、妹を養ってきた兄の俊樹。この設定、凄いよね。本当に愛してなきゃ若者にそんな事できるわけないよ。えっ!フミ子の婚約者、中沢太郎を演じてるのが鈴鹿央士くんだなんてビックリ。自分の印象としてはめっちゃ若いんだもん。意外にも大学で働いていて、カラスと会話ができるなんて笑えたわ。岡村とキョエちゃんかいっ?回想シーンの子役の2人、とても良かったね。特に女の子の表情が印象的だった。そして不思議な展開のフミ子の記憶。いくらなんでも他人の家族を自分の家族として覚えているなんて納得いかなかった。妹の為にずっと頑張ってる俊樹、自分の印象の鈴木亮平より若い印象だったのと、初めての関西弁の演技がとてもはまっていてよかった。ラストの結婚式に持ってきたプレゼント、予想を超えていて感動しちゃった。とても強い家族愛の展開。めっちゃ楽しめました。
メルヘンandファンタジー
つつじの余韻がじんわりと効きました
兄貴に、妹の(兄やんのように、お父やんとの思い出、私にはない!!)言葉はどんな風に届いたのだろう。早くに両親を亡くした妹と、突然愛する娘を亡くした父親が、神様の計らいでつながる。兄貴の夢の中に笑顔全開でやってくる両親。人が人を想う気持ちはあの世とこの世の境なし。ラストの手前、、結婚式に参列した人に挨拶をするシーンが堪らなく胸をつく。兄貴の表情、妹の笑顔、娘の父の表情に心がざわつく。ラストは、今までの年月に感謝を込めた妹のやさしさが溢れ、花まんまを愛出る家族の気持ちに余韻が深まる。満開のつつじの中を歩く妹の姿が浮かび、登場人物の新しい人生の始まりが幸あれと思える素敵な素敵な映画でした。感謝♬
絶賛!もう涙が止まらない。妹を守る兄貴と、娘を亡くした父の 最愛へ贈る言葉!
(※本作が500本目レビュ-です!)
花まんま・・・って何?
そう思った方 多いでしょうね。
私も これ最初何じゃろか?と そう感じてました。
まんまとは、”ご飯”のことを指しますね。”ネコまんま”とか言うかな。
しかし 映画の中で説明されるまで分からなかった。
この ”花まんま” が重要な繋がりポイントの映画「花まんま」を
今日は鑑賞です。
総評から述べると
期待していた通りで、非常に心温まる素晴らしい作品でした。
笑い無しでリアルな展開作風を求める方にとっては評価は若干低いのかもですが
関西のしかも大阪が舞台。そこは半分ベタな誇張表現があったとしても関西では全く問題なく受け入れられるでしょう。
人情芝居に慣れ親しんだ風土が温かく本作を受け入れると思います。
今年は優秀な傑作公開が続きぱなしで、来年の日本アカデミーは混戦するの間違い無しでしょうね。きっとそう感じます。
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原作:朱川湊人氏 「花まんま」(2005年)第133回直木賞を受賞
監督:前田哲氏
配給:東映 (さすが東映様、本領発揮)
--------感動を綴る素晴らしい役者陣--------
(加藤家側)
加藤俊樹 役(兄貴):鈴木亮平さん
(子供時代):田村塁希さん
加藤フミ子 役(妹):有村架純さん
(子供時代):小野美音さん
加藤恭平 役(父、交通事故で死亡):板橋駿谷さん
加藤ゆうこ 役(母、過労で病気死亡):安藤玉恵さん
中沢太郎 役(フミ子の婚約者):鈴鹿央士さん
(繁田家側)
繁田仁 役(娘を亡くした父):酒向芳さん(名演、凄く良かった)
繁田宏一 役(大学教授 長男):六角精児さん
繁田房枝 役(長女):キムラ緑子さん
繁田喜代美 役(バスガイド、亡くなる):南琴奈さん
三好駒子役(居酒屋女将):ファーストサマーウイカさん
三好貞夫役(居酒屋大将):オール阪神さん
山田社長役(山田製作所社長):オール巨人さん
チーちゃん役(喜代美の幼馴染)馬場園梓さん
主題歌:AI 「my wish」
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(展開 流れ 他)
いきなり冒頭 夢の中の場面、トラックに乗った加藤兄弟の両親が
兄へ ”妹を守るんだぞ!”と言って去ってゆく。そこから始まる。
両親二人を早くに亡くした兄弟が生きて行く姿がある。
父が交通事故、母がその後 幼き子供二人を必死に仕事を掛け持ちして育てるが、過労にて悔しくもこの世を去る。
そして製作所で働く兄貴の俊樹。
”兄貴はホンマ損な役回りやで~” この言葉 本当に良く聞くし分かります。
妹を守る様、父、母から願いを託されて。
自ら犠牲に?一生懸命仕事して そして妹を大学へ。
しかも やがて結婚へと。
しっかりした相手へ嫁がせたい思い。
”フミ子さんを僕に下さい”・・・
”君は昭和か~!”
このセリフ、大好きですわ。
ベタの王道ですけども この切り返しが関西人なんだなと思う。
俊樹は妹が生まれた時、父と病院の外で万歳をして一緒に喜んだことを思い起こしていた。あの頃、家族が3人から4人に。それは可愛い妹の誕生であった事を。
一方、繁田家側。
喜代美さんは夢のバスガイドに成って。
仕事が順風満帆、しかも数日後に大切な日を控えた中で
暴漢に殺されてしまう。この無念さ。
神様は、この生まれる命と、消えて行く命を重ねる運命を
二つの家族へお与えに成る。
それはきっと 無念さを抱いた魂へのせめてもの救いで有ったのでは無かろうかと感じます。
子供のフミ子が 姿は変わったけど、もう一度父へ逢う事が出来た時、
父が ”フミ子か・・・?” そう声をかけた あの言葉。
半信半疑な想いが ”花まんま” 弁当のそれを見て確信に変わった時
本当に、本当に涙して嬉しかったと思うのです。
誰でも、大切な亡くした人と もう一度 何かの形で出逢う事ができたなら・・・
それほ叶う事が到底有り得ない事が起きたなら
それ程 嬉しくてうれしくて有難い事はない。
そして どんな事にでも感謝する事でしょう。きっと。
そう心から思うのです。 だから どっと涙が溢れました。
そう言う想いをさせてくれる作品なんです。
そして、やがてフミ子の挙式へ。
最後の 親族の挨拶。兄として妹へ、そして今まで自分達兄弟へ
温かい手を差し伸べてくれた方々への感謝の言葉。
そして、父、母への報告と感謝。
ここは涙せずにはこの場面は語れませんわ。
客席の方々 総ての人の心へ
この優しさがしっかりと届いたと思います。
是非、ご家族、ご夫婦、
ご友人揃って
劇場へお越し下さいませ!
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無事 レビュ-500本目を迎えて 一言。
yahooの方で書き始めてやっとこの数字に。
10年程かかってる様な気がします。
(映画comでは240本程足りません、filmarksでは350本程減となりますがyahoo側に埋まってます)
私は全て新作封切した作品で劇場鑑賞(映画館)したものしかレビュ-は致しません。よってビデオや配信での視聴レビュ-は有りませんし、試写会などにも行きますが一切書いて無いですね。(多分)
いつも鑑賞時間枠を組んで、お金を払って、観客席の皆さんと同じ目線の位置(条件)で鑑賞し、そして感想レビュ-をする事をモット-にしています。
映画鑑賞歴は今年で41年目。集めたチラシが4万枚を超えてますね。
ビデオ、配信作も含めるとどれ位か分からないですが、そんなに多くも観てないと思います。
実の所、作品本数を多く観るより いかに色んなジャンルをしっかり作品を味わうかだと感じてます。
最近 時短モードとかで配信作見入る方がいますが、私から言えば愚の骨頂ですね。何の意味も無いですね それではね。
視聴本数稼いで記録出して、フォロワ-増やして・・・って
多分ね そう言う人は目的方向が違う所にあるのだろうと思います。
映画館で映画を鑑賞していくって言うのは ホントに時間のかかる事ですよ。
丁寧に1作毎に観て行くのでね。(ちなみに1作1回しか観ません。2回観る事はほぼ無いですね)
そう言う想いに成れるのは 映画製作現場に参加した事が在るからなんですよね。出た事もあるし、お手伝いでスタッフとか。
映画祭も開催したり、イベントで監督さんや俳優さんとトークやったり。
昔の事ですけどね、凄く楽しかったですわ。
この先 どれ位書いて行けるか分からないですけども、もしも
途絶えたら 多分この世には居ないんだなと 思って頂ければ幸いですかね。
ハハハ (;^ω^) (*´ω`*)
それでは また、さいなら サイナラ sainara・・・
全249件中、141~160件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。