ハロルドとむらさきのクレヨンのレビュー・感想・評価
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大人たちよ、純粋さを取り戻そう!
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クロケット・ジョンソンによる同名の児童小説をベースにして、実写とアニメの合成で映画化したファンタジー作品。
ハロルドは自分の紫色のクレヨンで描くだけでなんでも実物にしてしまうことができる。そんな彼が、自分の生みの親(old man)であるクロケット・ジョンソンに会うために絵本の世界を飛び出して、仲間のムース(ヘラジカ)とポーキュパイン(ハリネズミ)と共に、現実の世界にやって来る。そこで知り合った想像力のたくましい少年メルと一緒にold man探しをしている過程で彼のクレヨンが邪悪な心を持ったファンタジー作家のゲイリーの手に落ちてしまい、とんでもないことになるのだが……。
『ブルー きみは大丈夫』 (IF) でも描かれていたように、夢を持つ力、想像する力、そして自由に創造する力の大切さを改めて思い起こさせる作品。
その一方で「邪悪な心」を生み出すのは嫉妬心や自分だけ良ければいいという利己的な独善性。
こんな作品が次々と作られる背景には、分断を煽り、自国第一主義を標榜する為政者が世界各地に登場し、自国の利益のために戦争があちこちで起きている現実社会に対するアンチ・テーゼがあるのかも知れない。ギスギスしたネットに支配された社会を変えていくためには、大人たちが純粋さを取り戻し、もっと思いやり(即ち、相手の気持ちを想像する力)を持つしかないのだろう。
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