誰よりもつよく抱きしめてのレビュー・感想・評価
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落ち着いた雰囲気の映画
騒々しい映画になりそうな展開なんだけど、終始落ち着いた感じで、雰囲気の良い映画でした。
特に凄いと思ったのが、ファン・チャンソンさんが演じたジェホンなの。
もし、ラブコメだったならチャラい陽キャになりそうな役どころなんだけど、この映画の落ち着いた雰囲気を壊さずかっこいいんですよね。
そして、ラストの種明かしで、前の彼女を好きになれず月菜を追い掛けた理由も明かされて、誠実な印象も受けるんです。
もっと早く種明かしをされていたら、ジェホンをもっと応援したくなっていたかも。
それから、この映画は月菜の成長物語なのかなって印象も受けたの。
なぜならば、良城が乗り越えた過程がいまいち分からなかったから。
なので、二人で乗り越えて迎えたハッピーエンドって印象を受けなかったんですよね。
結果として、二人との恋愛というより、二人から影響受けた月菜の成長を観た感じかな。
もっとも、恋愛映画と成長物語の線引きなんて無いし、恋愛は成長に欠かせないものなのですが。
(と、言いつつこの映画を恋愛映画として語りますが)
このところ三本立て続けに恋愛映画を観たんだけど、相手の事を思うほどすれ違って、わりと自分を出せてた『大きな玉ねぎの下で』の二人が、結果としてぶつかってもすれ違いが少なく感じたのは、そんなもんなんだろうなと思う。
恋愛映画で恋愛を語るなって言われそうですが。
面白かったが、ラストが残念。
ネタバレ 概ね面白かった。主演の二人が私には馴染みがなかったので物語に集中できた。久保史緒里さんも頑張っていたが、脳内で上白石萌音に変換して見ていた。彼女ならもっと芝居が上手く出来ただろうなと思いながら。原作を読んでいないので申し訳ないが、最後は三山は穂志もえかと一緒に生きていて欲しかった。久保史緒里が自由に空を飛ぶという意味はアフリカで本来やりたかったことに従事することだったのなら、よりを戻す展開は絵本の世界観をメタファーとするなら違和感があると思った。それも含めて、絵本屋での渡仏を諦める決断から数年後の再訪までがクドい。サラッと簡潔に演出して欲しかった。とは言えトータルで見て満足できるものでした。
嫌われるのを覚悟して断言するが、この主人公は精神病に甘えている!
映画が公開されれば必ず見る内田英二監督作品だが、今回は潔癖症の主人公に全く共感出来なかった。俺、こんな奴、身近にいたら絶対に付き合いたくない。
潔癖症で人に触れる事が出来ないのに、乃木坂ちゃんと同棲するし、野菜は洗剤で洗うのに、外食は出来て、マイスプーンもマイ箸も持参していない。
何よりも、演技がかなり下手。側溝に落ちた乃木坂ちゃんの靴を拾うシーンの演技は何かの冗談かと思ったぜ?
U-NEXTで見れる30分映画「 うまれる」で、主演していたテアトルアカデミーの子役達に弟子入りして、味噌汁でツラ洗って出直してこい!
脇役の韓国人シェフの方が演技が上手いし、日本語が拙い設定には思えないくらい日本語が上手いぞ?
乃木坂ちゃんに演技負けてるじゃん?主役が演技ビミョーってのはどうよ?
故・中島らもの同居人のキ✖️ガイのパンクロッカーのKADOくんが幻覚を見て喚いていた時に、中島らもが、
KADOくん、君がキ✖️ガイなのは分かるけど、迷惑だから黙ってくれないか?
って、指摘したらKADOくんは騒がなくなったというエピソードがあったが、
乃木坂ちゃんが、自分にガチ惚れして、身体が火照っていて、ジュンとしちゃって、堀江淳になっちゃっているじゃないかぁー?水割りはくれてやるー!!
それは、メモリーグラスだ!
っと、誰も突っ込んでくれないが、乃木坂ちゃんを抱きしめてトゥナイトも出来ないってのは、お前、どんだけ自己中なんだ!?
人として、いやオスとしてどうよ?直接、触れるのが嫌ならば、大人のおもちゃを( 自粛)
洗剤で洗った野菜を気持ち悪がずに食ってくれる出来た彼女だぜ?自分も歩み寄れよ?
韓流のフレンチシェフも韓国人なのに、主役を食う演技。相当、努力をした筈だ。アイドルの片手間に役者やってるのとはダンチだ。
韓国人の男って、女と付き合って100日目記念日とかも忘れないとか聞くし、これだけポテンシャルの高い男にあっさり乗り換えしない乃木坂ちゃんは、恋してる女の子は半分不思議。こんな、優良物件はもう見つからないぜ?
挙げ句の果てに、乃木坂ちゃんがお勧めした精神病院のグループカウンセリングで知り合った、同じ潔癖症の病いを持つ女を勝手に二人の愛の巣へあげて、自分には見せた事が無い、構想中の絵本の草稿を見せるし、挙げ句の果てに、
でも、乃木坂ちゃんにも問題があるんだよ!
↑ うろ覚えだが、こんな風な事を言っていた。
こんな自己中に、恋愛相手として相応しいだろうか?いや、無い。
原作がそうなのかもしれないが、ちょー優良物件の韓国人シェフとフランスに行く筈だったのだがー?
ネタバレになるから、アレだけど、これは正しい選択だとは思えない。
終始、主人公の演技が気になってしょうがなかった。こうして見ると、菅田将暉って、結構演技派なんだなぁ。
今回に関しては、原作と主人公がアレだったので内田英二監督に黒星がついてしまった。
韓国人と乃木坂ちゃんのファンにはお勧めの映画です。あー、スッキリした!
エンドロールが終わっても涙が止まらなかった
この映像は観る人により、本当に感じ方が違うと思います。ただ、私は映画本編でも何度か涙が流れましたが、エンドロールで溢れた涙がどんどん込み上げてきて最後まで止まらず、こんな経験は初めてでした。同じではないですが、私も彼女のようにやめときなよ、もっと良い男おるよ!と友達に言われる様な彼で、周りは本当にそう思ってると分かってます。ただ、彼は彼なりに頑張ってる事が長年いると分かります、そして、彼は病気だから…と自分を押し殺して支えようとする彼女の辛さも凄く分かります。私はヒロインの子ほど強くなく私自信が彼と普通のカップルの様に過ごせず、辛く鬱にもなった過去があります、、。それでも、深くで想いあっている、、周りには理解し難いのも分かる。彼は病気で彼女を守れないと言う、その通りだけど、その嘆きが愛なんです、、数年後、彼女を迎える為に彼が努力し続け、まだ手が荒れているので努力の途中だという描き方にも感動しました。
エンドロールのBE:FIRSTの楽曲が余りにも良くて、更に涙が止まらず、、朝一の早い時間の映画でしたがすすり泣く音があちらこちらで聞こえました。
cafeでも寄って帰ろうと思っていたのに、夫の待つ家に真っ直ぐ帰りました(笑)
演技うますぎ
主演の三人がアイドルというのが驚き。演技うますぎない?
潔癖症や脅迫性障害を扱ったストーリーということで、リアルで真面目な社会派の映画なんかなーと思ってたら、なんか、韓国のイケメンが現れたあたりから、違和感…。
「ん?」これって…。少女漫画ド定番のベタ展開やないかーい! 強引な食事のお誘い、あくまで徹底的紳士の態度、プロ級の料理の腕前に、フランスに行くから一緒に来て欲しい、とか、ちょっとあからさますぎて笑ってしまう。
よく練られてて完成された脚本だと思うし、決して面白くないわけではないのだけど、あまりに純な少女漫画的世界で、おっさんが観るにはきつかった。
弱気で女心がわかってない困った彼氏と、突然現れた非の打ちどころのないやや強引なイケメン。二人から本気で好かれる主人公。この主人公に感情移入しながら観れたらさぞかし気持ちよかろう。
あと、この世界って心のきれいな人しか存在しない世界なんだねー。韓国イケメンがはじめのうち、ちょっと悪いやつなんじゃないかと匂わせてるのはうまい。
ストーリーはともかく、潔癖症や脅迫性障害の描写や、本人と周りの人々の苦しみはすごくリアルで身につまされた。
台詞で語らない演技
内田監督作品ということで繊細な表現に期待していた。潔癖症の強迫性障害を持つ主人公というテーマもあり緊迫感のある瞬間が多く、所謂恋愛映画として見に行くとキャストのファンの方は戸惑うかもしれない。
一つの言葉、一度の掛け合いで不穏な空気が漂い、それを解消しようと試みるがぎくしゃくと噛み合わず状況が悪化していくのはやや展開が急にも思うが、主演二人の演技は素晴らしく、目線や佇まいで台詞にせずとも感情の動きを予感させるので男女の険悪さにはリアリティが感じられた。
恋敵となる韓国人男性については出会い方も距離の詰め方も舞台装置のようで不自然に思ったが終盤で過去に出会っていた経緯が明かされて納得する。
不倫・ 浮気未遂が恋愛関係の破綻を招いたことを悔いたヒロインがきっぱりと拒絶するパターンの出会い方を再演するシーンは作中でも特に気に入った。整った顔立ちで綺麗な女性だが強いオーラを放つ派手さがあるわけではなく、凛とした清潔感のある素敵な俳優だと思った。
朝ドラを視聴していたので主演する三山凌輝の演技は知っているはずだが、現実味が薄いほどの好青年だった直明に比べると、見ているだけでもどかしくなる不器用な青年を見事に表現していたことに感心する。あまり数を見ているわけではないが役の幅を感じたのでこれからの作品選びに注目したい。
こんなに愛おしい映画は初めてです!
主演の2人の人柄が手に取るように伝わってきて、愛おしくなりました。特に三山凌輝さん演じるよし君の繊細さは彼のちょっとした仕草や話し方からも伝わってきました。大好きな彼女の為に頑張る姿は痛々しく、ただただ応援したくなりました。そんな彼がラストでは頼もしい姿を見せてくれて感動しました。乗り超えたんだね。頑張ったんだね。と愛おしさでいっぱいになりました。何度も見たい!何度もよし君に会いたいと思い、何度も映画館に足を運んでいます。エンドロールで流れる歌が更に涙を誘い、映画が回想され、涙でぐちゃぐちゃになりました。最高の映画です!
見るたびに涙する箇所が増えます。
映像の美しさにとても感動します。
まず、0.5マイナスなのは、公開されている映画館が少ない上、宣伝がほとんど無いこと。
せっかくの良い作品なのに宣伝されないまま、多くの人の目に触れられず、廃れるにはもったいなく思います。
試写会も2回行き、1人で1回、母と2回観に行きました。
4.5をつけさせていただいた点として、ここまで心の琴線に触れるような映画に出会えることはなかなかないと感じ、高評価をつけました。
演者さんたちの演技が光る作品です。日常から掛け離れていない題材だからこそ難しい点があるかと思いますが、素晴らしい演技力に脱帽です。
最初は、ツキちゃんに感情移入してしまい、ヨシくんとのやり取りがある度に涙していました。
どしゃぶりの雨の中で距離を保ちながらお互いを思いながら離れるシーンは映画史に残る名場面になるのではないでしょうか。
2回目は母と観に行き、ツキちゃん目線で観ていた私と、ヨシくん目線で観ていた母とのディベートがはじまり、ヨシくんの行動原理に想いを馳せることができました。ディベートの末、泣き、語り合いながら映画館を出たのは初めてで、観る人によっても視点が違ったため、すごく新鮮な感覚に陥りました。
母が珍しくもう1回見たいね、と言っていたため、早速次の日に観に行きましたが、セットを含め時間の経過や、心境や環境の変化の描写が細やかで、観るたびに新しい発見があります。
はいおしまい!幸せ!という単純な終わりではないように思えた物語でした。まるで、本当に人の人生の交錯を切り取って見せられているかのようですが、さまざまな人が見やすいようになっており、愛とは、人を思う気持ちとは何か、を考えさせられるような作品だと思います。
映画を観て、考察をすることが好きな人、登場人物の行動や表情を観察した上で想いを馳せることが好きな人にオススメです。
最後まで席を立たず、涙している人も多かったです。
泣けた
ネタバレ注意
最愛の月ちゃんが支えてくれることはとても幸せなことだけど、それ故に自責の念が強くなって焦ってより悪化しちゃうことってあると思う。良くんが出した結論は互いにつらかったと思うけど、1人になったことでじっくり向き合えて快方に向かえたんじゃないかな・・・・・・なんて鑑賞後もいろいろ考えたりして、派手さはないけど入り込めるいい映画だった。主役2人も韓国の人も、同じ病気の役の人もみんな自然ないい演技でよかった。曲も良き。
韓国の彼の方がいい
原作は未読。月菜が自分の夢より良城と一緒にいることや、ジェホンのアプローチや、良城と千春の行動や態度に、後半までずっとモヤモヤした。月菜と良城は支え合っているようで、実は相手に依存していたのだろうか。別れたことが、二人を前に進ませた。それなのに、数年間会っていないのに元の関係に戻るのは疑問。ハッピーエンドで終わるが、元の状態にならないだろうか。人は簡単には変われない。ジェホンと一緒にフランスに行った方が、月菜も良城にも良かったような気がする。ジェホンの絵本が好きな理由と、彼女と一緒にいても心が動かない訳が最後に分かり、やっぱりジェホンがいいと思った。
脚本と演技がしっくりこなくて、星3つ。
傷つき揺れながも繫がりを回復する秀作
潔癖症で恋人の手を触ることさえ出来ない男(良城)というマイノリティを巡る物語なのだが、可哀想な良城を何とか助けようとする女(月菜)の物語かと思いきや違った。
良城を見守っている月菜は、良城と同じ症状を持つ他の女(千春)と良城が屈託なく仲良くしているのを見て、嫉妬を抑えることが出来ない。
マジョリティであったはずの月菜は良城と同じ境遇の千春に疎外される。
韓国の料理人ジェホンが、月菜に猛烈にアプローチするが、そのジェホンのくらくらするような魅力に揺れながら必死に良城への想いをつなごうとする月菜は、千春と良城の罪悪感の無い振る舞いによって深く傷つけられる。
月菜は月菜でジェホンに抱擁される瞬間を良城に見られてしまう。
登場人物は全て思いやりに溢れ、優しく穏やかで、あまりに相手の立場をおもんばかるが故にすれ違いが重なる。
なんとゆう見事な展開であることか。
ジェホンの言動は強引で、歯の浮くような台詞も多く、無理があるように見えながら、観客に彼がただの軽い遊び人とは見せない。大した演技力と演出。
ジェホンのその本気は最後にきちんと回収される。
優しさと思いやりに溢れていても人は人を傷つけることから逃れられない。
この映画の素晴らしさは、その悲しみで終わらないところだ。
自分を生ききることが繫がりを回復させる。
温かい映画だ。
絵本が補助線となって優しく観客を導く。
欲しくなった。
これは必ず見るべき映画となった。
ミッドナイトスワンの内田英治氏の作品 なるほど!
内面的な問題を和らげるためのものは、いつしか殻となって、別の問題を生み出してしまう
2025.2.13 MOVIX京都
2025年の日本映画(124分、G)
原作は新堂冬樹の同名小説(光文社)
潔癖症によって関係が悪化するカップルを描いた恋愛映画
監督は内田英治
脚本はイ・ナウォン
物語の舞台は、神奈川県鎌倉市
絵本作家としてデビューしたばかりの水島良城(三山凌輝)は、絵本屋で働いている恋人の月菜(久保史緒里)と学生時代からの縁を続けていた
だが、良城は極度の潔癖症になってしまい、今では手を握ることさえ出来なくなっていた
次回作もなかなかまとまらず、苛立ちだけが募っていく
ある日のこと、月菜の店に韓国人のイ・ジェホン(ファン・チャンソン)がやってきた
ひと通り絵本を見て回ったジェホンだったが、その店にスマホを忘れて帰ってしまった
月菜はそれを託され、どうしようかと悩んでいると、不意にそのスマホが鳴り出した
月菜は本人が気づいてかけてきたと思って出ると、いきなり女性の声にて「別れ話」が始まり、話し終えるとあっさりと切られてしまった
物語は、本人と連絡が取れてスマホを返すところから動き出す
月菜は恋人らしき人から電話がかかってきたことを告げると、その内容を聞く口実で食事をしようという流れになってしまう
ジェホンはビストロのシェフをしていて、月菜は彼の店に招待された
そして、月菜は恋人の言葉を伝えるのだが、ジェホンは「そこには愛はなかった」と告げるのである
さらに映画では、月菜の紹介にて、心療内科に行くこと良城が描かれ、そこで良城は自分と同じ悩みを持つ千春(穂志もえか)と出会うことになった
カウンセリングの一環でグループミーティングが行われたのだが、そこで意気投合した二人は距離を近づけていく
そして、その様子を見てしまった月菜は「自分には見せないもの」が良城にあることに気づき、それが「我慢をしてまで自分を一緒にいることはない」という良城の言葉へとつながってしまうのである
恋愛の障壁としての「接触できない」というハードルも、良城と千春の間では越えられない壁になっておらず、それが月菜を苦しめることになっていた
同じようにふれあえなくても、心を通じ合わせることができるのだが、それは見えている世界が同じだからだと思う
だが、ジェホンとの関係が進んでも、良城と同じような距離感は残ったままで、肌がふれあったとしても、それは解消できるものではなかった
この距離感が残ってしまうのは、誰しもが「自分」を相手に押し付けているからであり、対話そのものが足りていなかったりする
良城は月菜の気持ちを自分で規定しているし、ジェホンも自分の気持ちをぶつけるだけで、月菜がどうしたいかを選ばせる余地をなくしている
それに対する千春はフラットな感じになっているが、良城は悩みを打ち明ける相手という感じて、心底から渇望するような愛情までは感じていない
いろんな障壁がそこにあっても、良城と月菜の中には確信的な何かがあって、それが恋愛の強さだと言えるだろう
だが、渦中にいる二人はそれに気づかず、離れることによってのみ、惹きつけられる何かの正体に気づいていくのである
いずれにせよ、絵本が物語の推進力と理解度に関わっているので、劇中でも読み聞かせのようなシーンは多い
モジャは外見的な特徴で他人とふれあえないのだが、良城は内面的な問題を外面的なものと置き換えようとしているようにも思える
内面的な問題の解決には時間を要するのだが、ある日突然起こるように、ある日突然終わるものでもあるように思う
それを終わらせるのが喪失だとしたら、その距離が絶望的であればあるほどに、引力は強くなり問題を矮小化させるのかもしれません
良かったですが
エンディングのヨシ君があの病気をどうやって克服したかを見たかったですね。月ちゃんの事を思って如何に頑張ったかを彼女に伝えて欲しかったですね。まどろっこしい展開もありましたが、まずまずでした。
すぐ隣にいる市井の人の物語
就職して病むまではどこにでもいる普通のカップルだった。触れ合って笑い合った思い出を持ちながら、変わってしまった恋人と暮らすのは辛いな。治って楽になって欲しいはずなのに、彼と自分との「特別な関わり」は無くしたくない。他者が介在することは拒んでしまう。彼は彼で閉じこもって生きてきたからか社会性が低く子供っぽい。彼女の辛さや複雑な心境を慮ることができない。でもその2人の間には確実に愛があって、だからこそ起きるすれ違いが本当に切ない。
ラストシーンをハッピーエンドと捉える人もいるようだけれど、よく見たら良城の手はまだ赤く荒れていて病気は完治していないことが描写されていたし、月菜の表情は決して明るくなかった。彼らの物語は終わっていない。あの後も彼の闘病は続くし、彼女には道途中の夢がある。そこに愛があるからこそ苦しみや喜びがある日常を彼らはどう歩んで行くのか。エンドロールで流れる主題歌に込められた良城の心情を全て聴くまでがこの映画。ぜひ歌詞を噛み締めながら最後まで見て欲しい。
主演の三山凌輝さん、久保史緒里さん、助演のチャンソンさん、穂志もえかさん、主題歌『誰よりも』、大変素晴らしかったです。
共感できる映画。
ネタバレ含みます。
本当に素晴らしい作品でしたね。
すごく考えさせられるし、共感できる作品でした。
久保史緒里さん、三山凌輝さん、チャンソンさんの3人の演技がとても素晴らしかった。
久保さんの演技は本当にアイドルの範疇を超えている。表情での演技が本当に素晴らしく、月ちゃんが感情を表に出すシーンも圧巻の演技だったと思いました。
三山さんの演技は特にオーナーが家に来た時の怯えてたシーン。パニックなってしまう感じとかとても上手く表現されていて素晴らしかった。
強迫性障害と潔癖症の方の生活がとてもリアルに表現されていて驚きました。
チャンソンさんは本当に日本語がうますぎて凄い。笑
3人とも本業アーティストやりながらこの演技ができるの素晴らしいです。
内田監督が舞台挨拶で「この作品に出てくる全員、別にいいやつじゃない」って言ってたのがすごく印象的なんですよね。確かにその通りだと思いました。
久保さんが言ってたみたいに、登場人物にみんな人間臭いところがあって共感できる。
良くんは月ちゃんと住んでるのに同じ強迫性障害の千春さんを家に入れちゃうのもそうだし、月ちゃんは良くんがいるのにジェホンさんに結局会ってしまう。
ジェホンさんがなぜここまで月ちゃんに執着したのかはずっと気になっていたけど最後で回収されて納得した。
とても素敵なきっかけでした。モジャの本良い話だ。欲しい。
このような登場人物の行動ってはっきり彼氏彼女いるのに別の男と女と過ごしてるのであんまり良くないことなのかもしれないけど、身近な人にでも言えない気持ちは人間誰にでもあると思うんです。
お互いの弱さ、寂しさを埋めるためには必要な事だったのかもしれません。2人はお互い別の拠り所が欲しかったのかも知れません。
だからそのような行動にも少しばかり共感できるし、感情移入ができる。
特に良くんと月ちゃんはお互い触れられないという難しい関係だからこそのすれ違いがあるから
すごく切なかった。
別れたまま終わってしまうのかなと少し不安でしたが雨の中良くんが月ちゃんの靴を拾うシーンからお互いが大きく変わる。
良くんはモジャの続きを書き上げ、強迫性障害を乗り越える。
月ちゃんはケニアに飛びボランティアを始め、髪を切った。
最後に夢の扉でお互い強くなった姿でが再会して抱きしめるラストシーンは本当に感動しました。
お互いが自分の弱い所を乗り越えて再会する人間の成長を描いた作品だと感じました。
2人が成長できたのは数年経っても月ちゃんと良くんはお互いのことを想っていたからだと思います。
BE:FIRSTさんの主題歌、「誰よりも」も本当に映画に合ってました。この曲も含めて映画ですね。
良い曲すぎてエンドロールめっちゃ泣いたなぁ、
本当に素敵な作品に出会わせてくれてありがとうございました。
イラっと
ヒロインが、若い人の「こんなに尽くしたのに報われない」「報われたくて尽くしているわけじゃない自分への嫌悪感」「醜い嫉妬」などのドロドロした感情を上手く演じていたのはよかったけど、この子乃木坂のアイドルみたいだから、こんな役でイメージ大丈夫なのか?と心配になって集中できず。
韓国人イケメンシェフ、イ・ジェホンがただのヤリチンキャラにしか見えずに、イライラ集中できず。
と、物語にノレないまま、主人公の「強迫性障害による潔癖症」からの脱却過程が描かれないままラストに繋がるのもあって、ストレスを抱えて終了。
『ミッドナイトスワン』の中の、イラっとした部分を煮詰めたような印象でした。
後悔のない人生を
技術面では構図が良くて見ていて気持ち良かった。
絵本を題材に本当の幸せとはについて考えさせられる映画。
意外性がある結末
しっかり伏線回収もある。
潔癖症で抱きしめて貰うどころか、手を繋ぐこともできない彼とこれからも一緒にいたいか?迷う月ちゃんは仕事先で出会ったイケメンと比べてしまう。
潔癖症の彼も近い境遇の女性と出会い仲良くなってしまう。
4人の3つの関係がドロドロした展開発展してしまう。
月ちゃんが可哀想すぎる。結果ハッピーエンドだから救いはあるが、
イケメンが韓国人なのだが、文化の違いなのか、積極的すぎて少しイライラした。積極的な理由がしっかりとあって良いなと思った。
時間制限があるから仕方ないところであるが、潔癖症の彼が潔癖症になってしまった経緯を描いてほしかった。
単なるアイドル映画かと思いきや全く違いました
強迫性障害を抱える水島良城(三山凌輝)と、彼と同棲する恋人・桐本月菜(久保史緒里)とのラブストーリーでした。本作には、韓国のアイドルグループ2PMのファン・チャンソンが、月菜に恋するイ・ジェホン役で登場。日韓のアイドルが共演する“キラキラ映画”と捉えることもできますが、内容的には中々見ごたえがあり、さすが内田英治監督作品といった印象でした。
強迫性障害が原因で極度の潔癖症となった良城は、同棲相手である月菜にすら触れることができないという設定。この障害をどう克服していくのかが、物語の軸となっています。最初は「自分は病気ではない」と言い張り、治療を拒んでいた良城ですが、月菜のために通院を決意。しかし、その病院で同じ病に苦しむ村山千春(穂志もえか)と出会い、意気投合することで、物語は一気に動き出します。この展開が非常に面白く、作品としての魅力を高めていました。
一方で、良城にとっての千春と同様の存在として描かれた韓国人シェフ・イ・ジェホン(ファン・チャンソン)と月菜の関係については、やや違和感を覚えました。終盤でジェホンが月菜にこだわった理由が明かされるものの、物語の順番で見るとその展開があまりに強引で、やや首をかしげる部分も。外国人ならではのアプローチと言われれば納得できなくもないですが、それにしても唐突感が否めませんでした。これが原作小説に忠実な展開なのか、映画独自の解釈なのかは分かりませんが、もし映画独自の要素であれば、もう少し工夫の余地があったのではないかと感じました。
それでも、本筋である良城と月菜の関係を描いたシーンは非常に印象的でした。特に、終盤の雨の中、良城が月菜の靴を水たまりから拾い上げる場面は強く心に残る名シーン。また、その後良城が千春の家を訪れ、自らの運命を嘆くシーンも、涙を誘うものとなっていました。
最終的にハッピーエンドを迎えたところは、個人的にご愛敬だなあと思いましたが、全体を通して見れば見応えのあるラブストーリーだったと思います。
そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。
自分軸で考えるのが幸せへの道
月菜が自分の気持に正直で、それをはっきり表明するのに感心した。
そして、見かけと違ってブレない清々しい女性。
脚本家が韓国人だからだろうか
クリニックで知り合った良城と同病の村山千春が、月菜の留守中に良城しかいない部屋に上がり込んできゃっきゃしているところに出くわして、不快を隠すこと無く相手を見据えて容赦なく千春の下心を指摘、言い訳するのをものともせず「そもそも恋人の留守中に男一人の家に訪ねてくるところがおかしいだろう」とピシャリと言い放つのは気持ちが良い。
日本人の常だと、ヤキモチ焼いていると思われないか、ヒステリーと言われたくない、などぐるぐる考えて、あそこまではっきり言わないと思う。しかも社交的笑顔一切なしの仏頂面。
何なら下心女のほうが「私、そんなつもりではなかったのに」と純情な被害者ぶって男の同情を引いて優位に立ったりする。今回もその流れになり、良城が月菜に「千春さんに謝れ」なんて言っちゃってる。良城が甘ったれで焦れったい。そんなこと言うくせに、ジェホンに抱きしめられている月菜を見たらあからさまに落ち込んでみたりするのだから。
いくら病気とは言え、あれだけ過度の潔癖症の人と同棲するのは私なら無理。
でも月菜は自分が一緒にいたいと思うから一緒にいる。だから良城の犠牲ではない。それが徹底している。
留守中に千春を部屋に入れたことに不満を表明するのも、「私があなたのせいでどれだけ我慢していると思っているの」という恩着せがましいことではなく、「愛する人に触れることもできないのを我慢している私の気持ちを分かって」なところにブレない彼女の一面が見える。
ジェホンさんは男として魅力的だし善い人っぽいけどまだよくわからないし、あそこでいきなりフランスについては行けないでしょう。
二人の男の間で葛藤する月菜が選択したのは、「自分の道を行く」こと。
重度の強迫性障害の男に合わせて生きるのも、フランスでシェフを目指す男に合わせて渡仏するのも、他人の人生に追随するでしかなく、自分自身を活かすことではない。
ジェホンとの別れ際に、実は2年ものあいだ月菜を思っていた彼の心を聞かされても、月菜はブレない。別れを告げて自分の道を歩く決意を曲げない。清々しい。
二人の男ときっぱり別れて1年後、再会した良城は強度の強迫神経症から抜け出した模様。
月菜は知らず知らず、彼のイネイブラーになっていたのかも。
良城が甘えているように見えるが、恋人同士なら、多少甘えて甘えられる関係があるのが心地よいし絆の証のようだと思う。
良城は自分の無意識の月菜への甘えに気づくごとに修正しようとしていて、月菜を大事に思ってはいたのだ。
4人の気持ちが複雑に交錯、「正解」はその人次第な難しい作話、印象的な場面も多く、脚本がよくできていると思う。
お互い自立できたところで新しい関係を始める
大変良いハッピーエンドだと思いました。
大人しそうで清楚な佇まいの村山千春がいかにもな下心女で、こちらも「清々しい」くらいの「嫌な女」で良いぞ~、と思いました。
常に「絵本」が指針を示しているのがポイント。
入場者特典で、2冊の絵本プレゼントはなかなか豪華だと思います。
でも、そもそもあんなにヒマな絵本専門店で、二人もバイト雇わないよね、とツッコんでしまう私もまあ、自分に正直なんでしょう。
原作未読、三山凌輝は難役だったと思うけど演じきって素晴らしい。久保史緒里も自然体で良かった。AKBなの!?
【”心で通じ合っていれば、いつでも飛べる。”恋人を強く抱きしめたいのに出来ない青年と、抱きしめられたい想いを抱えた女性との切ない悪人が一人もいない品性高きラヴストーリー。物語構成も良き佳品である。】
■絵本作家を目指す高校生の良城(三山凌輝)は、絵本屋を営む祖父(酒向芳)の下で、アルバイトをする月菜(久保史緒里)と恋人になる。
が、良城は一冊だけ絵本を出版するが、その後強迫性障害を患い人と接する事が出来なくなる。同棲していた月菜とも。
そんな中、カウンセリングに通い始めた良城は、自分と同じ強迫性障害を患う村山千春(穂志もえか)と出会い、月菜は料理人のジェホン(ファン・チャンソン)と出会う。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・良城が描く”モジャ”という跳べない鳥を描いた絵本のストーリーが、素敵である。勿論、”モジャ”は良城の事であろう。
・良城が、強迫性障害による潔癖症のために常にビニール袋を手にし、野菜も洗剤を付けて何度も洗う姿からは、彼の苦しみが伝わって来て、観て来てキツイ。
だが、彼と一緒に暮らしながら”触れて貰えない”月菜は、もっとキツイだろうなと思う。月菜は劇中に笑顔を絵本屋でお客さんにしか、見せないのである。
・”恋人と触れあっても心が動かない青年”ジェホンが絵本屋に現れた時に、スマホを忘れるシーン。あれは、後半を見ているとわざと忘れたのではないかな、と思ったな。
日本に来たばかりの時に、絵本屋で月菜に”この絵本は、前向きな気持ちになれるし、日本語も覚える事が出来ますよ。”と笑顔で勧められた「まいにちがプレゼント」のシーンを見るとね。
・良城が村山千春と出会い、急速に仲良くなっていく中、千春を部屋に上げて話していた良城の姿を見て二人に声を荒げてしまう月菜の言動は観ていて辛いなあ。
・一方、ジェホンはストレートに月菜への想いを行動で表して行くのである。自分のフレンチの店に招き、一緒にフランスへ行ってくれないか、と誘う姿。だが、月菜は揺れる心の中、その想いを断るが、到頭踏切の前でジェホンに抱きしめられ、その姿を良城に見られてしまうのである。
■激しい雨の中、月菜を追いかける良城が、脱げてしまった月菜のパンプスを、泥水の中から震える手で漸く取りだして、”ほら、僕でも出来るんだよ。”というシーンも、実に切ない。
その後、月菜はジェフンの気持ちを断り、良城の家も出て行くのである。
・そして、数年後。髪をショートにした月菜は、学生時代から願っていた海外での恵まれない人達への支援の仕事を生き生きとしている。
そんな時に久しぶりに会った、女友だちから渡されたプレゼント。その中には良城の新作「モジャの冒険」が包まれていたのである。
驚いて、絵本屋に行った彼女の前に笑顔で現れた良城。手にはビニール袋を嵌めていない。そして、平積みの棚には彼の第一作「飛べないモジャ」と並んで「モジャの冒険」がう並んでいるのである。
<そして、数年振りに二人はゆっくりと近づき、優しく抱擁しあうのである。
今作は、強く抱きしめたいのに出来ない青年と、抱きしめられたい想いを抱えた女性との切ない悪人が一人もいない品性高きラヴストーリーである。物語構成も良き佳品であると思います。>
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