海賊のフィアンセのレビュー・感想・評価
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ブニュエル作品を彷彿とさせる、人間の醜さを白日に晒して笑い飛ばす喜劇
それにしても村のおっさん達気持ち悪いなあ。品性なく、気弱な根性なし。男同士で連帯しようとするけど欲望には抗えず、すぐに抜けがけする脆弱さ。
でもね、大なり小なり男はそんなのなんです。開き直りや自己弁護ではないけど、もはやすみませんと言うしかないなあ。
そんな愚かな男たちにひるむことなく淡々と対峙していくマリーの魔女的逞しさ。一方で清き者には慈しみを与える聖母的優しさ。
いつも射抜くような視線のマリーが唯一相好を崩したのは、巡回映画の映写技師アンドレ。紳士的で束縛せず、「マリーは映画を観ていいんだ。金を払ったんだから」と出自に関係なく平等に接する。映画愛もある。やっぱり世の中にはいい男もいるんですね。
ベルナデット・ラフォンがマリーを全身で体現!「美しきセルジュ」以来その個性的な美しさに魅せられている。
新鮮!
ピカソが絶賛したという村ドラマ
ネリーに気をつけろ!って言われてもなに?と思ってたら、ネリーカプランさんというアルゼンチン出身のフランス映画の監督さんなのね。
観に行ったのは「海賊のフィアンセ」という、監督デビュー作。1969年作。なんでもピカソが絶賛したらしい。ちょこっとアート的なオブジェを主人公が作るとこはあるけど、ホントにちょいとした感じ。
農村の話で、村でただひとりの若い女性が村中のダンナと売春してる。序盤はあまりののんびり感に思わず寝ちゃいましたけど、中盤以降、女が男たちの弱みを握ってコントロールしていくコメディが楽しい。
女がヤギを飼っていて、男たちが嫉妬する。獣姦を匂わせて、さすがフランスやなあと感心した。ヨーロッパの小説でたまに見かけるけど、映画では初めてかも。
女性の監督らしく、こんなテーマなのにエロくない。会場は、女性のお客さんも多かった。終わって出口に向かうと若めの女性客がまだお休み中だったのが印象的だった。
「奴隷」が知性と身体使って女王になり裸足で進む
素朴な可愛いマリー。母の死を経て頭脳で力と美しさと財力を手に入れ、母と自分をロマだからと差別し搾取してきた田舎に住む人間の嘘っぱちを明かす。ラスト、ピカピカのヒールも脱いで放り投げて堂々と裸足で歩く姿のなんてかっこいいこと!
赤をメインに強烈な色彩でゴチャゴチャでありつつマリーの可愛いお家。素朴で何もないボロ家にどんどん物が増えていく。下着無しだったマリーは下着を、次はドレスにストッキングに室内着に室内履きにアクセサリーに電話に録音機にレコード、食料にワインもお菓子もゲット&購入!今でいうゴミ屋敷にしたところで計画通りのことをしてそんな田舎とおさらば❗️
今作のタイトルはマリーと映画屋さんの間に出てくる「映画のタイトル」。その映画は映らなくても、いつ海賊が出てくるんだろう(ブレヒトなんだね!)とワクワクした。映画って楽しくて面白いよ、マッチョ西部劇だけでないよ、女を嫌な目に合わせない映画も普通にあるんだよ!と、カプラン監督が言ってる気がした。
おまけ
マリーが避妊していたのかとても気になった。アホな男達は病気云々を人(マリー)のせいにしてガチャガチャ言っていてむかついた。
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