海賊のフィアンセのレビュー・感想・評価
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ピカソが絶賛したという村ドラマ
ネリーに気をつけろ!って言われてもなに?と思ってたら、ネリーカプランさんというアルゼンチン出身のフランス映画の監督さんなのね。
観に行ったのは「海賊のフィアンセ」という、監督デビュー作。1969年作。なんでもピカソが絶賛したらしい。ちょこっとアート的なオブジェを主人公が作るとこはあるけど、ホントにちょいとした感じ。
農村の話で、村でただひとりの若い女性が村中のダンナと売春してる。序盤はあまりののんびり感に思わず寝ちゃいましたけど、中盤以降、女が男たちの弱みを握ってコントロールしていくコメディが楽しい。
女がヤギを飼っていて、男たちが嫉妬する。獣姦を匂わせて、さすがフランスやなあと感心した。ヨーロッパの小説でたまに見かけるけど、映画では初めてかも。
女性の監督らしく、こんなテーマなのにエロくない。会場は、女性のお客さんも多かった。終わって出口に向かうと若めの女性客がまだお休み中だったのが印象的だった。
「奴隷」が知性と体で女王になり裸足で進む
素朴な可愛いマリー。母の死を経て頭脳で力と美しさと財力を手に入れ、母と自分を差別し搾取してきた田舎に住む人間の嘘っぱちを明かす。ラスト、ピカピカのヒールも脱いで放り投げて堂々と裸足で歩く姿のなんてかっこいいこと!
赤をメインに強烈な色彩でゴチャゴチャのマリーの家。素朴で何もないボロ家にどんどん物が増えていく。下着無しだったマリーは下着を、次はドレスにストッキングに室内着に室内履きにアクセサリーに電話に録音機にレコード、もちろん食料にワインもお菓子も購入!そして今でいうゴミ屋敷にしたところで計画通りのことをしてそんな田舎とおさらば❗️
今作のタイトルはマリーと映画屋さんの間に出てくる映画タイトル。その映画は映らなくても、いつ海賊が出てくるんだろうというワクワク感を私たちに与えてくれる。映画ってこんなに楽しく面白くできるんだよ、西部劇とかひたすら女を嫌な目に合わせなくたってと、カプラン監督が言ってる気がした。
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