「不思議な作品」ゼンブ・オブ・トーキョー 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な作品
日向坂46の4期生メンバーによる修学旅行ロードムービーでした。キャスティングありきの作品なので、その点に文句を言うつもりはないのですが、いろんな点で不満の残る内容でした。
具体的には、まずストーリーが余りに偶然に依拠しているところ。日向坂以外の主な出演者の1人である真飛聖が演ずるタクシードライバーが、東京のあちこちで日向坂メンバーが演じる女子高生と出会うことになり、しかも自撮り写真に自分がタバコを吸ってる姿が写り込んでいるのではないかと文句を言っています。広い東京で約束もなしに出会うことはかなりの偶然ですが、その上タバコ要素と自撮り要素を加え、しかもそれが複数回に渡るとなると、ちょっと行き過ぎでしょう。
また、後半スマホを取り上げた先生(八嶋智人)を捜すため、クラスメイトにLINEを送ると、直ぐに先生が発見される展開には苦笑するしかなく、お話とは言えもう少し工夫して欲しかったと思わざるを得ませんでした。
ストーリー以外でも、長野(だったかな)から修学旅行で東京に来た設定になっている日向坂のメンバー達が、全くそれらしく見えないところにも無理があったように思います。言葉遣いも格好も仕草も、全く長野色はなく、まんま東京の女子高生。それでいて”トーキョー”への憧れを語っているので、あまり説得力を感じませんでした。
また、主題歌が日向坂でないところも疑問。挿入歌には日向坂の歌が使われていましたが、主題歌はConton Candyの歌というところが実に不思議。日向坂の歌事情は詳しくないので、特段の事情があったのかも知れませんが、流石に本人たちの歌を主題歌にした方が良かったんじゃないかと思いました。
そんな訳で、日向坂の門外漢の私なので、頓珍漢な見方になっている可能性は大いにありますが、本作の評価は★1.5とします。