レベル・リッジのレビュー・感想・評価
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全方位に配慮してしまった
いわゆる「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」映画の系譜に連なる映画。
この手の映画は『ランボー』『イコライザー』『ジョン・ウィック』などシリーズ化した人気作も多い。
超絶の戦闘スキルを持ちながらもその正体を隠して社会の片隅でつつましく生きる主人公が悪に対して怒りを爆発させるというプロットに、アクション映画好きのボンクラ野郎たちは激しく魂を揺さぶられるのである。
かく言う自分もそういうボンクラ野郎の一人なので、今回はどんなブチ切れマシーンが登場するかとワクワクしながら観たが、思ったほどのカタルシスは得られなかった。
脚本も練られているし、主人公の接近戦スキルなどもそれなりに見応えがあるが、Netflixにありがちな「全方位に配慮しましたのでどなたでも安心してご覧いただけます」感が出てしまった。
映画に限らず創作物というのは、受け取る側の誰かを傷つけ、誰かを置き去りにし、誰かを怒らせるものである。
差別感情を煽り立てるような作品は論外として、結局は面白いものを創るためにどこかで腹を括るしかない。
全方位に配慮すると、全方位の観客がそこそこ楽しめるが、全方位の観客がそこそこつまらないと感じる映画ができてしまうという好例。
主人公も常識の範囲内でしか暴れないし、なんなら悪党たちも「常識の範囲内で悪事を犯しますので安心してください」という感じだ。
観終わってつくづく感じるのは、ジョン・ランボーやロバート・マッコールやジョン・ウィックが、いかに常識の通用しないムチャクチャなヤツらだったかということである。
そして自分のようなアクション映画好きのボンクラ野郎は、金を払う以上は常識の通用しないムチャクチャなヤツらを観たがっているのだと痛感。
この映画の主人公はランボーやマッコールみたいにムチャクチャなヤツではないので、「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」映画の入門編的な佳作と言っていいのかもしれない。
パトカー パトランプ ドラレコ
Netflix Original アクションスリラー映画 吹替版有り
自転車に乗る黒人男性が白人警察官のパトカーに追突される。何度かの警告を無視したというが、その形跡はない。男性が所持していた大金を没収される。
悪徳警察の映画か、黒人差別の映画なのか?
金はいとこの保釈金。いとこを釈放したい。
男性はテリー、元軍人。実戦経験はないが接近戦のエキスパート。
前半からずっと緊張感がある心理戦が繰り広げられるが、中盤に大きく話が変わる。そしてテリーだけでなく、助けてくれていた裁判所事務員のサマーにも危機が及ぶ事となる。
終盤の所が分かりにくい。
「セルピコ」
それまで特に言動にはなかった。
配信だから直ぐ言葉の意味を調べられるが。
…………………
日本語版キャスト
主人公テリー:白熊寛嗣、サマー:斉藤梨絵、署長サンディ:金尾哲夫、ログストン:勝部演之、 エヴァン:後藤光祐、スティーヴ:櫻井トオル
腐敗した警察を相手に孤軍奮闘する元海兵隊員の話だが、黒人に対する...
腐敗した警察を相手に孤軍奮闘する元海兵隊員の話だが、黒人に対する差別も下敷きにされていて見応えがある。
腐りきっている警察の中にも良心に忠実な警察官がいるに違いないと期待する主人公が、「セルピコ」は誰だと問う場面がある。「セルピコ」はシドニー・ルメット監督による映画で、ニューヨーク市警に蔓延する汚職や腐敗に立ち向かう警察官の実話に基づいた作品。アル・パチーノが警察官セルピコを演じた。
彼は最初、女性警察官がそうではないかと思っていたが、そうではなかった。映画の後半にセルピコのような警察官を登場させている。また、裁判所に勤める若い女性が町ぐるみの不正に気づき、主人公を援助する。公権力に孤立無援で戦うヒーローものにとどまらず、たとえわずかでも希望の光を感じさせてくれる。さわやかな印象が残った。
上級者向け
だんだん白熱戦になっていき、ドキドキUP
らんぼー???って思っちゃったwww
知恵と工夫でサバイバル
本作は、単なるアクション映画の枠を超え、
知略と戦略が織りなすスリリングなドラマだ。
パワーや火力を前面に出すのではなく、
Jiu-Jitsuなどの格闘技を巧みに取り入れ、
〈精神こそ最大の武器〉
と戦略的な側面を際立たせている。
これは、単なる武術の披露でもなく、
限られた状況下でいかに生き延びるか、
人間の知恵と工夫とサバイバルを描き出している。
パワーや火力に頼ったアクション映画とは対照的に、
静かな緊張感で観客を魅了する。
主人公のクレバーな戦術、
そしてそれを裏付ける海兵隊の技術や戦術用語の、
略語[P基本・A代替・C不測の事態・E非常事態]などは、
物語に刺激を与え、観客を飽きさせない、
知的なエンターテイメントとしても興味を引く内容だ。
そんなエンターテインメントがメインプロットではあるが、
並行して深刻な内容も全編に漂わせている。
ポール・ハギスの「ラッシュ」や「デトロイト」のように、
社会問題、特にBLM(Black Lives Matter)運動に関連する問題を扱いながらも、
暴力やアクションを最低限に、
軍人、警察官の心の葛藤や社会構造の問題に焦点を当て、
観客に深い思考を促す。
そして劇中にも出てくるセルピコの存在。
「セルピコ」のファーストシーンとラストシーンを思い出させつつ、、、
主人公と協力者の孤独な闘いは、
システムや組織に対する無力感や絶望感をも象徴している。
ジワジワずっとハラハラしてる
終始胸糞悪い警官だらけ
武器無効化銃撃アクション
暴力で解決する銃撃戦じゃないところが魅力。
ガンアクションが好きな人にとっては不完全燃焼だと思う。私は好きだった。
前半1時間は主人公に怒る不条理に耐える時間。
後半1時間は淡々と反撃の狼煙が上がる。
アメリカの嫌な白人警官って田舎のお巡りさんが多くて、州警察とか大きな組織になるとちょっと話のわかる奴が出てくるイメージがある。
実際にアメリカ国内でも人種差別による違法逮捕や暴行事件は後を絶たない。
ポリコレだ〜人種差別なんてありません。と謳っているハリウッドに見せてやりたいくらい配役がマッチしていて素晴らしかった。
人間、権力や役割を持たせると途端に横柄に暴力的になるから、群れさせない組織づくりは大事なんだと思う。
主演のアーロンピエールは今度公開のライオンキングでもムファサ役なんですって!楽しみ!
ストーリーも分かりやすく、ガンアクションは見たいけど血は苦手って方にもおすすめです。
ネタバレを読んでからラストまで鑑賞
面白いのかつまらないのかわからないし、何が起きているのかいまいち理解できないうえに不快な感じの展開、そこに来て注射の場面は本当に何が起きたのかいまいちどころか全く理解できないという追い討ちもあり一旦鑑賞中断。
そのまま鑑賞中止しようかと思いつつもなんだか不幸な2人のその後が気になり、数人のネタバレ(まさにラストシーンのことまで)ブログを読んでから鑑賞再開。ある程度わかったうえで鑑賞すると、面白いのなんのって。
クライマックスのアクションシーンからのカーチェイスは比較的静かながらも手に汗握り、これまた静かに大興奮、あの人やこの人の助けに感動したりで、ああ、最後まで観て本当に良かった。
もしも(私のように)なんだか理解が追いつかんって方がいたら、ネタバレブログを適当に2、3個読んでから挑戦する事をお勧めします。
腐敗した警察との闘い
Jeremy Saulnierが書いて製作も編集も監督もやっている。やはりSaulnierが書いて監督したBlueRuin(2013)やGreenRoom(2015)をよく覚えている。独特でギリギリで苛烈なアクションスリラー。主要人物を絶対絶命or四面楚歌なシチュエーションへ落とし込んで、はらはらどきどきさせるのが巧い。本作でもその本領が発揮された。
現代劇だがプロットは西部劇のそれ。
足は馬ではなく自転車だったが、テリー(Aaron Pierre)は通りすがりのよそ者である。拘留されている従弟の保釈金を払いトラックとボートを買うために寄った町だったが、腐敗した警察に難癖をつけられて金を奪われる。
細部は解りにくかったが、町は署長(ドンジョンソン)が民事資産を没収をしまくって私利をむさぼり、悪事を隠蔽している。
テリーは一匹狼だったが、郡書記官秘書のサマー(アナソフィアロブ)が隠密ながら味方をしてくれる。が、金を奪われ権高な態度で足蹴にされたあげく、従弟は殴り殺されるし、サマーも薬打たれて尿検査させられるし、しまいに謀略で撃ってくるし、温柔なテリーもついに堪忍袋の緒が切れた。
テリーはいわゆるマーシャルアーツの達人。非武装で、敵の武装を解除し無力化する訓練を叩き込まれた特殊部隊の出身者である。併せて敵が警察であることが映画Rebel Ridgeのキーポイント。テリーは敵を斃すことも傷つけることもできない。だから殺そうとして撃ってくる警官隊にたいして、煙幕はって遅延させるかビーンバッグ弾でスタンさせるか徒手空拳で失神させるか──で応戦するという八面六臂&一騎当千の活躍ぶりだった。
話の持って行き方といい、シチュエーションづくりといい、たたみかける演出といい、職人技だった。
役者ではAaron Pierreの魅力爆発という感じ。巨躯でムキムキで眼光炯炯、ほれぼれするような男だった。その野獣値に対してアナソフィアロブのお嬢値が楽しいアンバランスを提供した。”セルピコ”役の黒人女警官も好印象だった。
ドンジョンソンや白人警官らもしっかり憎々しいPoor Whiteを務めあげた。
映画の設定とはいえここまで腐敗しているものだろうか──という疑問はあった。
が、かえりみて、こんなものかもしれない、と思うところもあった。
(時事をむりやり映画レビューにくっつけている、わけではなく、あるていど「なるほど」にもっていける話だと思って挙げるのだが)おりしも兵庫県知事の裸の王様ぶりが毎日ニュースを賑わせている(2024/09)がパワハラをやっているのは兵庫県知事ひとりだけだと思いますか。
個人的にはどこの知事も五十歩百歩だと思う。知事と同等ポストにある人間もおなじで、すなわちあれは権力者のパターンであり、氷山の一角と見るのが現実的だ。
であるならば、それらの俗物の配下にいて謀殺された、あるいは死まで至らずとも謀略に遭って失脚させられた人なんか幾らでもいるに違いない。
たいがい誰でも上司と揉めた経験がある。とすれば、その相手が悪ければ、死や一生のトラウマになってしまうことも容易に想像できる。
ひるがえって権力者につけこまれ、後戻りできない陥穽(おとしあな)に入り込んでしまう──ことは民主国家でも有り得るor有り触れたことではなかろうか。
わたしたちは意外に他者の悪意に晒されているものだが、現実世界でこれらの登場人物の誰になるのかは選べる。──という話。
主役はジョンボイエガが演じる予定だったのが降板でAaron Pierreになったそうだ。降板からの代役選びとCOVID-19によって、2020年に開始されたプロジェクトだったのがここまで遷延した、という。
imdb7.1、RottenTomatoes94%と82%。
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