「自ら演じるアイズ・ワイド・シャットへのアンサー」ベイビーガール galarinaさんの映画レビュー(感想・評価)
自ら演じるアイズ・ワイド・シャットへのアンサー
中年女の性欲、舐めんなよって話で、ぶっさぶっさと刺さってしまった。
また同時に最初から詰んでいる話でもあり(若い男とのSM関係がハッピーエンドになるなんてまず無理)、どうにもならない肉欲と思慕にどうケリをつけるのかをハラハラしつつ見守った。
最後の着地は元も子もなく、所詮中年夫婦の落とし所なんてこんなものだろう。
富裕層だろうと貧困層だろうと行きつき先はこんなもんかというのが実にリアルでそこが良い。
「年に一度は必ず女性監督と仕事をするようにしている」と何かのインタビューで読んでからニコール・キッドマンの主演作はできる限り見るようにしている。
本作でも目も当てられないほどの欲の闇に落ちていく中年女を何のベールにも包むことなく堂々と演じていて、話としては哀れだがその女優魂は見ていてスカッとする。
また、本作は「アイズ・ワイド・シャット」の妻が本当に浮気していたらという設定へのアンサーだと聞き及び、なるほどと膝を打った。
元夫と共演したキューブリック作品への返答をニコール・キッドマン自ら作品内でやってのけるとは、大したものである。
これからもニコール・キッドマンの出演作からは目が離せない。
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