「SM願望とは…」ベイビーガール すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
SM願望とは…
ニコール・キッドマンの出演作を映画館で観るのはものすごく久しぶりで、最後に見たのはアザーズ。
(あとでよく調べたら、ライラの冒険でした。えーと、2007年だから18年ぶり)
久しぶりのニコール様、大画面でみるとやはり老けた…でも、57歳という年齢を考えると驚異的な美しさです。
美熟女CEOが若いインターンにマゾッ気を見抜かれて服従させられる…という刺激的な題材をどう料理してくれるのかと期待して観ましたが。
うーん、想像してたのと違う!
犬の真似したり、割れたカップを拾わされたり、後ろから×××されるだけ?
もっと○○○されたり、ーーーされて、△△△されて…とかじゃないの?(自粛)
…と思いかけましたが、SMといってもハードなのからソフトなのまで色々ありますもんね。
なら、精神的なSM(言葉責め系)に期待しよう!と思いきやそっちの描写も全く物足りず。
「あなたの言う通りに何でもします」と言わせたのがクライマックス?
主人公目線で物語が進むから仕方ないのですが、インターン君の行動が謎すぎて意図が不明。SM関係を社会的な野心の達成に利用…しないんだね。結局、密室でのやりとりに終始してしまっていたのがつまらない。
倒錯した性的ファンタジーを持っている女性でも結局は恋愛関係を求めてしまう、というのも、まあ女性の心理としてはありがちなのですが、主人公がCEOの意味はあったの?
男社会の中でCEOにまでなった女性なのだから、ありきたりの女性とは違うんじゃないのと。(そこは部下の女性にも言わせていましたが)
主人公はヒッピー(カルト?)コミューン育ちなのをちらっと語っていましたが、被虐趣味の要因だったということなのか?
娘のうちの一人はLGBTのようだけれで、そのへんも盛り込みすぎて色々と消化不良。
男女の性的主従関係を描いた物語、古くはエマニュエル夫人とか、O嬢の物語とか、団鬼六の作品群とか、色々ありますが、どれも年長者の男性→若い女性の関係で、年齢が逆転したらどうなるのか、というのが一つの見所だったと思うのですが。
「あなたを傷つけたくない」としきりに言っても「ハア?何言ってんの?俺の方が(性的に)立場が上だし」てインターン君に冷たく言われて、余計にハアハアしちゃう主人公。
だめだこりゃ…
ラストで夫に奉仕(!)させながら、脳内でファンタジーに浸っていましたが、これが最適解だったのかと突きつけられてちょいとがっかりしました。
女性の性欲の扱いって難しいですね。