「ボンドからバロウズへ」クィア QUEER きーろさんの映画レビュー(感想・評価)
ボンドからバロウズへ
6月の映画サービスデー1本目。
ジェイムス・ボンドではないダニエル・クレイグは、ジェイムス・ジョイスではなくウィリアム・バロウズとなって再び我々の前に現れてくれたわけで。
齢57歳でこの身体とルックならさぞモテそうと思ってはみても、フケ専でもオケ専でもない多分ノンケのゲイフォーペイの若者をなんとか心まで自分のものにしたいと願う演技は痛々しくも甲斐甲斐しくて、我が身に置き換えて反省するなどした。
結局、相手の心まで自分のものにしようとするな!お互い会ってる時だけ楽しければ良いだろう!ずっと一緒にいて楽しいのはどちらも大好きで始まった恋愛の最初の3ヶ月だけだよ!あとは惰性だよ!みたいなことを伝えたいのかなと(違う)。
これ、設定が1950年代なんだけど出てくる人の顔つきがあまりにもスタイリッシュ過ぎてクラシックカーの出てくる現代の話に見えてしまったのはメキシコの強すぎる光のせいかもしれない。
確かにメキシコシティは標高が高すぎて普通に日本人観光客ぶっ倒れたりしてたしな。あと窓から見える富士山みたいな綺麗なお山はメキシコのポポカテペトル火山5426メートルで富士山よりうんと高いです。メキシコ人(マヤ人の方ね)と日本人(縄文人ね)の精神的な共通性はこんなところからも来てるのかもね。
ということで。
一夫一妻も男女のノーマルな性愛も文明が発達して宗教的タブーが生まれて始まったことだから、人間の原始的な本能として幾つになっても多様な恋愛にときめいていたいですよね。
あとニルバーナのカート・コバーンはバロウズの大ファン。
come as you are, as you were, as I want you to be.
この歌詞に主人公の気持ちの全てが入ってるのかもしれない。
もう一個。バロウズが当時24歳だった妻を射殺したのは頭上にグラスを載せて「ウィリアム・テルみたいに打ってみな!」っ煽られたからって説もある。
この2つを知ってると理解度少し深まるかな?
ちなみにバロウズの原作「Queer」は、「おかま」って邦題で
かの山形浩生訳で1989年にペヨトル工房から発売されてるよ。
それではハバナイスムービー!