「精神のレイヤーで繋がることの困難さ」クィア QUEER ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
精神のレイヤーで繋がることの困難さ
1950年代のメキシコシティ、酒とドラッグで退屈な日々を過ごしていたアメリカ人駐在員リーは、若く美しい青年ユージーンと出会う。退屈だったリーの日常は色めき立ち、より刺激を求めユージーンを南米への旅へと誘いだす。原作は「裸のランチ」のウィリアム・S・バロウズ、数奇に満ちた彼の自伝的小説「クィア」の映画化。
特筆すべきは、小さい穴の開いたシャツを着た若き美青年ユージーン役ドリュー・スターキー。若き日のガイ・ピアーズを彷彿させる男前で、今後彼の時代の到来を予見させた。
スタイリッシュで幻想的な世界観、各シーン各アイテムの隠語・隠喩は明確、オープニングから本作の方向性と結末予測はしやすい。
全編に漂うのは、圧倒的な孤独感。刹那的な高揚観は孤独の裏返し。まるで呪いが掛かっているかのように、愛する人へ気持ちを伝えることや精神のレイヤーで繋がることの困難さが随所に伝わり、リーの複雑さは観る者に嘆息をつかせる。
本作はテーマで観る者を選ぶかもですが、わりとわかりやすく飽きずに鑑賞出来ました。
鑑賞後有料パンフを買ってしまいましたが、これを機に原作も読んでみようと思った作品です。
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