劇場公開日 2025年5月9日

「ビートニクスの旗手ウイリアム・バロウズの自叙伝小説」クィア QUEER カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ビートニクスの旗手ウイリアム・バロウズの自叙伝小説

2025年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前日にウィリアム・バロウズのドキュメンタリー映画「バロウズ」を観たばかりなので、多少のバロウズリテラシーをもって鑑賞に臨めた。

まず最初に主演のダニエル・クレイグとバロウズのイメージが真逆すぎて驚かされる。
バロウズは見るからに知的でガリガリの米国紳士で、狼狽えたり興奮したりせず、常におっとりしたタイプ。
まあ自叙伝と言えど脚色を交えた小説なので全く同じである必要はないが、自分のイメージではキリアン・マーフィかエドワード・ノートンだった。

監督は10代からこの小説の大ファンで映画化をずっと望んでいたというルカ・グァダニーノで、満を持しての映画化だが「チャレンジャー」に引き続き男同士のねちゃねちゃしたディープキスを撮るのが大好きのよう。

クレイグが少女のように恋してはしゃぐ中年オヤジを嬉々として演じているが、なるほど確かにユージーン役のドリュー・スターキーは超美青年で均整の取れた身体も国宝級に美しい。(実際はメキシコ人だったみたいですが)
クレイグのツンデレに振り回される中年おじさんぶりが滑稽で面白い。

後半の南米旅行はまさにトリップ目的w
後先考えず快楽を求め続ける姿勢がまさにビートジェネレーションの象徴的行動。
脳内の映像もぐにゃぐにゃしてたり、身体から何か出てきたり、色鮮やかな爬虫類などバリエーション豊か。
ウイリアムテルごっこで奥さんを射殺したという有名な逸話もユージーンに置き換え映像化。

やっぱどうしても「ベニスに死す」を思い出してしまうが、あれほど惨めじゃなく次に進めそうな感じを残していたので少し救われる。

カツベン二郎
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