「ウィリアム・バロウズについて予習必須」クィア QUEER すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ウィリアム・バロウズについて予習必須
中年おじさんと美青年の切ない恋物語…ではなかったです。
「君の名前で僕を呼んで」のようなピュアな物語を期待していくと200%裏切られます。
チラシに騙された!と思って鑑賞後によく見たら、ウィリアム・バロウズの自伝的小説を映画化とあり、そこを完全に読み飛ばしていました。
バロウズについては後述しますが、ここを読んでバロウズって誰?と思った方は名前だけでもググッてから観たほうがよいかと思います。
作品の理解度に大いに関わってくるので。
(ここまで読んで欲しかったので公開していますが以下、ネタバレしています。)
序盤から主人公2人の物言わぬ会話と、暗示的な映像が続きます。
ダニエル・クレイグの役はみっともない中年男性だとはわかっていましたが、リーはメキシコで自堕落な生活を送っているという設定で、見た目も汚らしくてスクリーンを観ていてどんより。
ユージーンの美しさが救いでしたが、こちらはこちらで台詞がなさすぎて何を考えているのかわからない。
舞台が第二次大戦後のようなので、リーは恐らく戦争のトラウマからの薬物中毒なのかな?と推察しましたが、確信は持てず。(後で見当外れだとわかりました)
前半は頭の中に?マークが浮かびながらもなんとかついていきましたが、後半のダウナー系おくすりキメパートは完全に置いていかれました。
結局、純愛とはなんぞや…と頭が??マークでいっぱいのまま、劇場を後にしました。
原作者のバロウズは著作では「裸のランチ」が有名。(D.クローネンバーグが映画化していますが、グロ映画だった記憶)
ゲイ(またはバイ)でジャンキーで、自分の妻の頭にショットグラスを乗せて誤って射殺したという曰く付きの人物。
映画の中の数々の悪夢のような描写にやっと納得がいきました。
インテリ気取りの白人で薬物中毒者って、ほとんどクズ…にしか思えませんが、いちおうカリスマ的作家なんですよね。
映画を作る側、演じる側にしてみれば魅力があるのでしょう。
薬物中毒者の心象風景の映像化がメインで、クイア要素はおまけ、なので、そこを間違わないように。
俳優さんはセックスシーンを頑張っていましたが、モザイクありとなしの基準が謎でした。
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