「【”クィアの陶酔と幻滅。そしてこんなダニエル・クレイグは観た事がない!”序盤は狭義のクィアをルカ・グァダニーノ監督お得意のトーンで描き、徐々に広義のクィアな世界を描いたインパクト大なる作品である。】」クィア QUEER NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”クィアの陶酔と幻滅。そしてこんなダニエル・クレイグは観た事がない!”序盤は狭義のクィアをルカ・グァダニーノ監督お得意のトーンで描き、徐々に広義のクィアな世界を描いたインパクト大なる作品である。】
冒頭、ニルヴァーナの”オール・アポロジーズ”の女性によるカバー・バージョンが流れる。”これから、クィアの映画が始まるよ!”と、高らかに宣言されるのである。
そして、ダニエル・クレイグ演じるリーは、1950年代のメキシコ市のゲイが集まるバーで、めぼしい男を探すのである。その際に流れるのは、同じくニルヴァーナの”カム・アズ・ユー・アー”である。ムッチャ、脳内で盛り上がる。そう、この映画の音楽はイケているのである。流石、トレント・レズナーである。
リーの服装も良いのだな。上下白の麻のスーツ。シャツはお約束のボタン二つ目迄留めないスタイル。透明な鼈甲縁の眼鏡。”私は、クィアだよ!”と言っているようなものである。しかも品があるのである。この映画の衣装、意匠のセンスがとても良いのであるよ。
リーは百足のネックレスをした一人の男と楽しんだ後に、目を付けていたユージーン(ドリュー・スターキー)に声を掛け、ストレートと思われる彼とベッドインする。
オジサン版「君の名前で僕を呼んで」である。猥雑感なしである。(個人的な感想です。)
因みにこの作品では、百足と蛇が良く登場する。解釈は観る側に委ねられるのである。
で、このまま行くのかと思ったら、そうは問屋が卸さない。
二人は南米に旅に出て、事前に聞いていたテレパシーが得られるという”ヤヘ”と言うドラッグを探すのであるが、この過程がコレマタ面白いのである。
リーは途中で、アヘンが切れて体調を崩すもアヘンチンキを医者から3CCだけ処方されて(クスクス)回復するのである。
リーが、アヘン切れの寒さで震えているシーンで、ユージーンに”傍に行っていいか・・”と尋ねると、”良いよ”と答えが合って、二人が一つのベッドで同じ向きで寝ている姿が良かったな。
二人は、到頭森に住む怪しげなコッター博士(レスリー・マンビル)の家に到着し、蛇の歓迎を受けた後に、樹木から煮出した”ヤヘ”を飲むのである。
”ヤヘ”を飲んだ二人がトリップするシーンが、もう凄くって、二人の口から赤いドロドロしたモノが出て来て、心臓みたいなモノがドサッと落ちるのである。グロイなあ。幽体離脱かな。このシーンの描き方は凄かったぞ!インパクト大だぞ!
<だが、エピローグで描かれるリーの姿は哀しい。
旅から戻って二年が経ち、ユージーンは既に彼の元を去っており、一人ベッドに横たわるリーはアヘン中毒が過ぎたのか、酒の飲み過ぎなのかは分からないが、別人のように老いているのである。
だが、その横たわる姿は、且つてのアヘン切れの際に、ユージーンの脇で寝た時と同じポーズなのである。絡み合う二人の足の近接ショットが切ない・・。
今作は、序盤は狭義のクィアをルカ・グァダニ―ノ監督お得意のトーンで描きながら、徐々に広義のクィアな世界を描いたインパクト大なる作品なのである。>
おはようございます🌞
コメントありがとうございます。
観てからというものダニエル・クレイグが頭から離れなくて離れなくて困っています。
この状態は
(もう観たくない
というほど観ないとイケないかもしれない)
という感じで、もう一回観くか、
もしくはBlu-rayを買って嫌という程観る、
のどちらかもしれない。
という状況です。
共感ありがとうございました。
二人の気持ちがすれ違う、もどかしい感じも、楽しさのピークだったろう、旅のシーンも、なかなか切ない、現実的なエンディングも、ダニエルは全部サマになってましたね。
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