「そして扉が閉ざされた」ザ・ルーム・ネクスト・ドア uzさんの映画レビュー(感想・評価)
そして扉が閉ざされた
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予告で聞いた「ドアを開けて寝るけど、閉まっていたら私はもうこの世にはいない」の台詞。
死んだらドアは閉められないのにどういうこと?と思ったら安楽死の話なのね。
内容は粗筋の通り、癌に侵されたマーサと親友だったイングリッドが数日一緒に過ごすだけ。
レイトショーだったこともあり、序盤めちゃくちゃ眠い。
娘やその父親を中心にマーサの過去に軽く触れられるが、いきなりそんな話を聞かされても…
マーサは理論的で、死への姿勢もブレることがない。
はじめから最終段階に入っているので、人間というより単なる一つの“主張”にしか見えなかった。
その上その考えによる我儘でイングリッドを振り回す。
最後まで彼女に魅力を感じたり、「死んでほしくない」と思ったりといった情動が生まることはなかった。
じゃあイングリッド側の“揺らぎ”が描かれているかというと、そうでもない。
時に感情的になることはあるが、基本的にはマーサの意見を尊重するスタンスは一貫している。
そもそもこの2人、長らく連絡すら取っていなかった“元”親友なのだ。
それでも余命幾ばくもないと言われれば、極論喧嘩別れしてたとしてもある程度は寄り添うでしょ。
劇中で「断らない人間」と語られてたことも手伝って、友情や絆にも見えないし…
最後に娘ミシェルがマーサに対する誤解に気付き、「死がふたりを近づけた」と語られるが…
これ、死なないと出来ないことですかね。
なんだかイマイチ刺さらなかった。
亡くなり方にほんの少し意外性があったことと、ラストシーンの被せ方は良かったです。
最後は物理でなく精神的に、イングリッドを“隣の部屋”に感じたからあの時を選べたのだろうか。
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