「誇り高き死を」ザ・ルーム・ネクスト・ドア まきさんの映画レビュー(感想・評価)
誇り高き死を
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身近に同じ病気の人がいたんですかね監督さんは…?
自分が大きめな病気になった時に、「自分の命が誰にも知られないまま終わるのは嫌だ」って気持ちなら体験したことがあります。
だから、誰かに尊厳死を見届けて欲しかった気持ちは、結構飲み込みやすく。
しかも、大親友ってわけでもないから全力で止めてこようとしないイングリッドって、多分ちょうどいい距離感なんですよね…
ところどころの会話から、マーサは治験を受けてるけど(つまり標準治療が効かなかった?)、それがうまくいかなかったと想像する。
死より、死ぬまでに味わう痛みや苦しみのほうが怖いとか、治療中の情緒不安定具合とか、わかるわかる!でした。
戦場記者って、死は身近だけど、「病気で苦しむ」って状況はきっと見慣れてない。
病気で痩せたからだを隠すように、ボリュームのある服を着るマーサが、最期はスタイルがよく伝わる服を着ていく。
対照的に見えたイングリットとマーサにも、やっと等しく雪が降る。
病気で亡くなったら自分のしたことが全部チャラになる…って表現じゃないのが結構グッときた。
あの状況で、「お母さんを許してあげて」とか言われたら絶対耐えられない。生きてきたことをありのまはま残す、って意味があったりするんでしょうか。
このテイストの作品でよく見かける、「死を見つめることによって、生の素晴らしさを感じる」
その捉え方も正解だと思うけど、
誇り高くあろうと自分で選択したマーサの最期が、素晴らしくないなんて私には言えない。
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