花嫁はどこへ?のレビュー・感想・評価
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もう1人の花嫁と取り違えなかったことは神様の配慮だったのかもしれません
2024.10.7 字幕 MOVIX京都
2024年のインド映画(124分、G)
花嫁取り違え騒動を描く社会派ヒューマンコメディ映画
監督はキラン・ラオ
脚本はスネハ・デサイ
原題は『Laapataa Ladies』で「失われた女性たち」という意味
物語の舞台は、インドのニルマル・プラデーシュにあるとある村(架空)
結婚式を終えたディーパク(スパルシュ・シュリワーススタウ)とその妻プール(ニターンシー・ゴーエル)は、妻の家から夫の家へと向かっていた
カタリヤ行きの列車に乗った2人はスーラジム村へと向かうはずだったが、ディーパクが駅で降ろした妻は別人だった
彼女はプシュパ(プラティンパー・ランター)と名乗り、警察に捜索を依頼するものの、電話番号は別の人に繋がり、彼女が告げる夫はどこにもいなかった
一方その頃、ムルティ駅に着いたプールは途方に暮れ、駅に住んでいる少年チョトゥ(サテンドラ・ソニ)の助けを借りて、駅の茶屋の主人・マンジュ(チャヤ・カダム)を頼ることになった
警察は怖いところだと聞かされていたプールは届出を出すことを嫌がり、夫が自分を見つけてくれるのを待とうと考えていた
映画は、プシュパの動向に不審なものを感じ取ったマノハル警部補(ラビ・キシャン)が捜査を進めていく中で、スラージムにあるトリブバン警部(Kishore Soni)と連携を取りながら、プシュパの正体を追うと言う流れになっている
妻を取り違えたことで意気消沈するディーパクも友人・グンジャン(Daood Hussain)たちと必死に探すものの、全くと言って良いほどに情報が集まらずに困惑してしまう
そんな中、プシュパはある目的のために行動を開始し、ディーパクの義理の妹のプナム(Racha Gupta)やその息子バブルー(Abeer Sandeep Jain)たちと交流を深めていくと言う内容になっていた
プシュパは実はジャヤと言う名前で、金持ちのプラディープ(Bhaskar Jha)と結婚させられそうになっていた
一度は運命を受け入れたものの、ディーパクの勘違いを光だと感じ、自分の人生のために1週間を使おうと考えていた
彼女は有機農業に興味を持っていて、大学に進学したいと考えていたが、夫がそれを許すはずもない
そこで、自分の人生を歩むために決心をするのだが、妻を間違えて悲嘆に暮れるディーパクを見て、彼らの絆をもとに戻そうと計画を中断して秘密裏に奔走することになった
だが、その決断が裏目に出て正体がバレてしまい、捕まってしまうのである
物語は、ジャヤの訴えによって「裁き」を下すマノハルが描かれていて、悪徳警官だと思われていた彼が、まさかの大岡裁きをする様子が描かれていく
このシーンはとても感動的で、失った女性たちが必要なものを取り戻すためのキーシークエンスになっていた
映画は最後までエモーショナルで、勧善懲悪的な部分があるので、大人から子どもまで安心して観られる内容になっていると思う
いずれにせよ、ハートフルな内容で、妻を取り違えていく過程もとてもスムーズで無理のない流れになっていた
さすがに全く同じ衣装を着た花嫁が同じ席列に3人いると言う状況はファンタジーだが、慣習と流行りなどを考慮すればバッティングすることもあるのかな、と思う
ともかく色んな意味で面白みが充満している作品で、インドの諸事情だけに留まらないテーマがあるので、誰にでも勧められる映画だと思った
なんて素敵な大逆転
予告編を見た時は「取り違えられた2人の花嫁」と言われても「なんじょそりゃ」という感じだったが、本編を観たら「たしかにこれなら入れ替わってもしょうがないかも」と思わせる説得力があり、ちょっと滑稽で面白かった。
個人的には昔、テレビでよく観た「シャッフルカップ」という手品の人間版に思えた。
2001年のインドが舞台で男性優位社会ではあるが、2人出てくる夫のうち、一方は失踪した妻を必死に探す夫、もう一方は妻が身につけていた貴金属のことしか頭にない夫と、男が多様的に描かれていたのは好印象。
花嫁の一人・プールが見知らぬ駅で出会う売店のおばさんが『天空の城ラプュタ』のドーラにしか見えなかった。
「40秒で支度しな」って言っても違和感無いと思う。
世間知らずのお嬢さんが一人きりになったところをドーラっぽい人の世話になり、料理の腕前で仕事を手助けする展開もラプュタっぽい。
もう一人の花嫁・ジャヤが、秘密を知られた子供を口止めをするためにとった行動、香川県議会が観たら激怒しそう。
女の友情が芽生えたことを示す演出として、家父長制のアホみたいな慣習を逆に利用していて上手いと思った。
ずっと家事しかしてこなかった人の、妻としては必要のない秘められていた才能が、問題解決に役立つ展開も良かった。
この映画では「盗難より警察の方が怖い」というセリフが何度か出てくるが、それも納得せざるを得ないほど、この映画に出てくる警察は悪徳すぎる。
警察が出てきて何かするたびに胸糞悪かった。
そんな人間にとって、終盤は衝撃の展開。
あまりの素晴らしさに落涙してしまった。
窮地に陥った人が、悪党に向かって涙ながらに救いを求めたところで、その気持ちが踏みにじられて終わり、そんな映画しか無いと思い込んでしまっていた。
インド映画素晴らしい
自分らしく生きるという幸せ
花嫁さんになりたい花嫁さん、結婚したくない花嫁さん、その2人の取り違えから始まる今作を通して、自分の人生は自分が決めて自分らしく生きるという幸せを改めて思わされます
今の日本では、女性に限らずほとんどの人がそれは生まれた時から当たり前のようにある事で、そうやって人生を送る事ができているように思います
でも世界にはそれが当たり前じゃない人もいるわけで、やりたい事はやるべきだし、もっと人生を大切にしていくべきです
女性であるが故に窮屈な生き方を強いられている2001年のインドで、2人の花嫁さんが落ち着くべきところに落ち着くまでの間にいろいろな事が起こるストーリーなのですが、コメディ要素もあり、たくさんの優しさがいっぱいで心が暖かくなるとってもステキな作品でした
ホント観て良かったです
プール役の女優さんは可愛くて、ジャヤ役の女優さんはキリッとした美女さんで、役柄にピッタリでした
でも何よりも良かったのは、2人の警察官でした
警部補の活躍はデカい
名人芸の人情噺
古代王朝の国盗り物語やギャングの抗争など、髭面の男同士が殴り合い殺し合い、そこに歌とダンスを交えるインド映画にいささか辟易としていたところに、そうしたお約束の一切ない作品が登場しました。これはドラマチックでいいお話だったなぁ。
結婚式を終えて花嫁を花婿の家に連れて帰ろうと列車に乗っていたところ、赤いベールを被って顔を隠していた別の花嫁を間違って連れ帰ってしまったというお話です。若い花嫁といってももう大人なんだから、間違いに気付いたら本来の場所に帰れば良さそうなものですが、そう簡単ではないという所に現在のインドの女性が置かれた問題が浮き彫りになります。
女性だからと狭い地域から外に出る事は出来ず、勉強が出来ても大学に進む事が出来ず、結婚してしまえば夫に服従せねばならず、自分が好きな物を料理した事はなく、子供が出来なければ焼き殺されるという過酷な運命に苛まれているのでした。しかし、そうしたお話を飽くまでも軽やかに、少しミステリアスに描き、最後には観る者の心をホッコリ温め勇気づけてくれるのでした。名人の人情噺を聞く様な心地よさです。こんなインド映画をもっともっと観たいな。米アカデミー賞のインド代表作に選ばれたというのも納得でした。
スカっとインド
花の名前
2001年のインドで結婚をして花嫁の実家から夫の村へ向う道中、列車の中でベールで顔を隠した花嫁を取り違えて巻き起こる話。
列車の中で寝てしまい気づくと降りる駅!ということで、慌てて花嫁を起こして下車し、家に着いたらあんた誰?となっていく。
そしてもちろんもう1組も夫が嫁を駅で降ろしたけれど、一瞬目を離したら嫁がいない&夫がいない…ですね。
コメディなのに間違えた理由の説明がちょっと丁寧すぎて序盤は若干タルかったけど、ジャヤの方の夫婦にはなんだかちょっと怪しいカゲが…。
そして話しが転がり始めたら、ジャヤの怪しさが増していくし、プールは健気さ全開だしで、ちょっとつくりの安っぽさとか雑な感じもあったけれど、ちゃんと良い話しになって面白かった。
現在よりは少ないとはいえ、当時も人口10億人オーバーだし、田舎じゃ識字率も低いだろうし、実家の村の場所も嫁ぎ先の村の場所もわからないとか実際にあるんだろうね…。
花嫁を捜して・・・‼️
ベールをかぶった花嫁プールを伴って列車に乗る花婿のディーパク。しかし、同じような格好の花嫁ジャヤを間違って連れて帰ってしまう。しかし、ジャヤは嫁ぎ先に戻りたくないらしく、一方、プールは取り残された駅の売店の女店主の世話になっていた・・・‼️花嫁の取り違いから起こる騒動を、家族や女店主、警察の方などの周囲の人々とのほのぼのとしたやりとりの中に描き出した秀作‼️巷で花嫁詐欺が頻発しており、ジャヤがその犯人なのではとのミステリー要素や、ジャヤの暴君のような花婿を悪役に仕立て、水戸黄門様的カタルシスを味わわせてくれるなど、エンタメとしても充分満足させてくれる仕上がり‼️ホントに素敵な映画です‼️インド映画特有の歌と踊りに頼ってないのもイイですね‼️
一歩踏み出す姿は美しい
【現代インド人女性の多様な生き方をコミカルに描いた作品。今作は、多数の名作に主演したインドの名優アーミル・カーンが製作に関わっているので、当然、笑えて幸せな気持ちになるヒューマンドラマなのである。】
■2001年、結婚式を終えた妻のプール(ニターンシー・ゴーエル)と夫のディーパク(スパルシュ・シュリーワースタウ)は、列車に乗り込むが、同じ様な赤い衣装を着た花嫁ジャヤ(プラティバー・ランター)を間違えて連れ帰ってしまう。
その頃、妻のプールは置き去りにされた駅で、途方に暮れていた。
◆感想
・アーミル・カーンが製作に関わっているので、ディーパクが花嫁を間違ってしまっても”きっと、うまくいく”だろうと思いながら観賞。
■プールが、箱入り娘として育てられていたのに対し、ジャヤは有機農業に興味を持って研究していた女性として描かれる対比が、面白い。
ジャヤが嫁いだ先は、夫の前妻が火事の為に不審死していた家で、夫はどう見ても怪しいのだが、ジャヤは貧しい実家を救うために、嫁入りを決意していたのである。ウーム。
一方、プールは駅で食べ物を売るマンジュおばさんの店で、慣れない手つきで働き始めるのである。
この作品が、ほんわりとするのは、プールとジャヤを親身になって助ける人たちが、皆、温かい心を持っている所だと思う。
・ジャヤは、有機農業の知識を遺憾なく発揮し、ディーパクの仲間達の農業の仕方に対しアドバイスをするし、プールも最初は慣れないが一生懸命頑張って、店を助けるのである。
・一見不愛想な警察署長も、ナカナカ粋な男で、ジャヤを見つけ頬を引っぱたいて家に連れて行こうとする男に、”暴行罪”そして、自分に賄賂を渡した事で”賄賂罪”を適用するぞ!”と脅し、更には”お前の前妻の不審死の再捜査をしようか?”と畳みかけ、ジャヤの新たなる道を切り開いて上げるのである。
このシーンは、スカッとしたなあ。
・一方、プールもマンジュおばさんから”頑張ったね!”と言う感じで、売上金の中からお金を貰う。その時のプールの嬉しそうな顔。
<そして、ディーパクはジャヤや皆の協力も有り、目出度くプールと再会し、抱擁するのである。一方、ジャヤは、有機農法をキチンと学ぶために大学に進学するのである。
今作は、現代インド人女性の多様な生き方をコミカルに描いた作品であり、笑えて幸せな気持ちになるヒューマンドラマなのである。>
良かった!ハッピーエンドで!でも考えさせられる面もある良作。
とりあえず花嫁2人は間違えられちゃうけど最終的にはとにかくハッピーエンドらしい、というレビューで高評価のため見てみました!
*****
そうか、そうやって間違えられ。。そして何故間違われた後になかなか帰らないのか、帰れないのか。。理由が分かりました。
ジャヤは「大学で勉強したかった」ただそれだけ。普通なら、日本なら、或いは現在のインドならもう進学してもとやかく言われないかもしれない。でも、女性は嫁ぐのが当たり前、勉強も、夫や嫁ぎ先が裕福で許可がもらえれば多少出来るかも?程度。。。
いかに女性の学が虐げられていたのかが分かるし、学年でトップの成績を修めても親でさえ「来週は婚礼よ?!!」なんて言う時代。。
インド映画「RRR」で、ダブル主人公の弟分が兄貴分に「褒美は何が欲しい?」と聞かれて「読み書きを」と望む場面を思い出しました。
*****
端的に言えば「まだ結婚で嫁ぎ先に縛り付けられるんじゃなくて、勉強したい、大学に行きたい」というだけの話。なのにここまで大変な社会状況があったことに驚きました。
また、もう一人の彼女は「きっと夫が探してくれてる。。はず」とか、当初は主体性があまりなく、自立とか自分で動いてどうにかする、という考えを持たされていなかった。素直で良い子だけど一人では生きていけないような教育しか受けていない。
でも1人で屋台を切り盛りする肝っ玉母さんに良い影響を受けて、自分で働く、自分で収入を得る=自立することも生きる選択肢の1つに入ったことは大きな成長で、とても良かったです。
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2人の女性がそれぞれ求めていたことや、身に付いていなかった考え方は、今の我々は普通に持っている価値観。
最後の2人のセリフ、
「あなたのおかげで私は見つけてもらえた」
「あなたのおかげで私は自分を見つけた」
がとても良かった。
そして1番心に刺さった言葉は、
「夢は誰かに許しを請うことじゃない」
うん、そうだよ、夢があるなら自分で叶えに行っていいんだよ!!と思いました。
*****
頭脳明晰なジャヤが、研究者とかになって、またあの村に戻り、畑で一緒に農業のことを語り合った彼と本当の意味で結ばれて幸せになることを祈ります。
きっとあの彼なら、結婚しても勉強をし続ける彼女を理解し応援してくれるはず、と思いました。
プールも仕事をしながら幸せな結婚生活をしそうで、とてもほのぼのした気持ちになりました。。
最初は賄賂ばかりねだるいけ好かない警察官のスーパーマリオみたいなおっちゃんが、最後の最後はやっと正義の味方の警察官らしい、大岡裁きをしてくれて拍手喝采でした!!でもやっぱりジャヤが残していった嫁ぎ先の貴金属類はしっかりちゃっかり懐に入れてて可笑しかったです(笑)
警察官のおじちゃんも、ジャヤを解放して大学への道を後押ししてくれてありがとう!!と思いました(笑)
よ、名裁き!
最後は嬉し涙ですね。心の底からエールを送りたくなる。
花嫁の取り違えなんかあんのかい?
その疑問は早々に解消される。婚礼が重なる大安吉日、花嫁の顔はベールで隠されていて、所狭しとぎゅぎゅうに乗客が詰められた列車の中。勘違いと一縷の望みが重なり取り違えが起こってしまう。
インドの闇とも言える持参金殺人。娯楽作だからさらっと問題提起するんだけど、観客の記憶に深く刻み込まれる。上手いよね。
世の中には鬼や狐狼もいるが、救いの仏もいる。コテコテの人情話ではあるんだけど、花嫁2人の気持ちに自然とライドしてしまうシナリオ。特にジャヤを応援したくなる。
警官は信用ならない。インド庶民の共通認識が伏線となっております。
よ、名裁き。
何と…踊らないインド映画
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