花嫁はどこへ?のレビュー・感想・評価
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女性は強い
インド警察に捜査依頼すると有料なの?
嫁さんと電車に乗った旦那が、間違って別の女を連れて下車。確かに同じ服装で顔も見えなかったけど、2人いた事に気づいてなかったのかなぁ?何より怪しかったのが、知らない男に手を捕まれて立たされたジャヤが拒絶しなかった事。何も喋らないで、男の家族と知り合いになるなんてな。取り残されたプールも怪しいと思ってたら寝てたのね。納得。最初に出てきた新聞の花嫁詐欺の記事。詳細は良く分からなかったな。2001年の話なんだけど、古い建物や携帯電話や人間関係や似顔絵ポスターなど、もっと昔の時代じゃないかなって感じた。ま、インド映画を観るたびに同じ事を感じる自分だけどね。旦那達が居なくなった嫁さんを探し始めるんだけど、犯罪者はジャヤじゃなくて旦那の方だったのかな?でも嘘だらけのジャヤの方が怪しかったね。それにしても他人の妻を居させる2組の家族。それって親切なの?旦那の方に帰りたくないからって、厄介になる2人。罪悪感なかったの?だったら離婚すればいいじゃん!ずっとモヤモヤしていたら、警察がいろいろ解決してくれた。とても意外でした。最後はまさかのハッピーエンド。結構楽しかったです。
女性への優しさと厳しさがこもった応援と叱咤激励
キャラ造詣が全部秀逸で、特に贈収賄大好き悪徳警官の「最後の判断」が面白かった。
下敷きとなっているのが、インドにおける女性の人権のなさへの猛烈な批判。
また、そういった状況を受け入れて黙っていることの愚かさの指摘。
そんな、女性への応援と叱咤激励。
本作製作のアミール・カーンと、その元妻で本作監督のキラン・ラオ両名の、優しさと厳しさが感じられる佳作でした。
世界の「男女平等ランキング2024(ジェンダーギャップ指数)」では、インドは146カ国のうち127位とかなりの下位なわけで、まだまだ先進国と言えんよなぁ、と思いつつも。
実は、日本は118位(2023年は125位)と、世界から"こんなインドと変わらない"と判断されていることをとても恥ずかしく感じました。
原題のダブルミーニングが秀逸!
インド発ハートフルコメディ、コレ絶対いいやつだし!と思ってみたら、、やはり…‼︎ (^-^)
インパクト大な警察署長が影の立役者 笑
噛みタバコであのクチだったのね。
ナンテコッタな出来事はあくまできっかけ。物語は対照的な2人の女性の「自分探し」にありましたねえ。
わずかな期間ながら暮らしを一にしたそれぞれの出会いや葛藤が、優しかったなあ。
ラストで互いに抱き合う2人。あなたのおかげで私は家にたどり着けたというプールに対して、あなたがいたから自分を見つけられたと返すジャヤ。最高のラストシーンでした。よきよき!
「家」を世界に生きる女性もいれば、「世界」を家に生きる女性もいるわけで、それを自由に選択できることがニンゲンとして当然の権利ではないか、ということを何ともハートフルかつチャーミングに描いた良作でした!
説教くささがなくてよい 笑
また作風もインド映画っぽくなくて、アメリカ映画のようなタッチでしたがどうでしょう?見やすいと言えば見やすかったですね。今後はこの方向性の作品が増えるのかもしれませんね。
面白い映画の要素がしっかり詰め込まれた本作。
エンドロールのイラストで最後までホッコリでした。
***
国別のジェンダーギャップランキングを眺めると、宗教と文化が強く結びつく地域の国々がより深いギャップを抱えていることがわかります。
2024年ランキングではインドは129位と…(^_^;)
ずっと変わらない感じ。これはなかなか根深そうな。
脱線しますが、我が国・日本は神道が根っこにあり、無宗教というかあらゆる宗教をないまぜにしたようなお国柄なので、より先進的であってもおかしくないはずなんですが、、インドとは違う意味での根深い民俗文化があるのでしょうね。強いジェンダーギャップ(ランキング118位・昨年まではインドとほとんど同じ順位…)が存在します。
この問題は全く他人事ではないようですが?
いい話、軽めのブラックが引き立てて心地よかった。
一瞬足りとも飽きなかった
人生の切り拓き方
性差別がテーマでしたが、説教臭く無くて面白い
俺好きなんだ
伝統に根付く土着的保守性だったり、家父長制だったり、インドって今も前時代的、男尊女卑な文化が根付いてんだな、知らんけど。
だって、夫の家に嫁ぐまで素顔すら見せないし、それが美徳って異常じゃん。
ま、そこが大きな要因で2人の花嫁が入れ違ってしまう事件が産まれちゃうんだけど。
スパイ映画でよく有る同じカバンを間違っちゃうみたいにw
てもまあそんなコメディをフックに女性の強さ優しさ、自由意思をステキに描く!
もうね、後半は映画館で拳挙げるは、感涙するは、心震えるはサイコーだったよ!!
良いね。間違えられた先で個性や自由を知り掴み、少しずつも周囲に愛されるも、それは花嫁としてでは無く、一人の個としての人間として愛を獲得するのは素晴らしかったね。
それは優しさで有り、正しさで有り、学問で有り、愛だったり。
お二人共、ベール脱いだら凄え可愛い美人でスクリーンにびっくりして、もうあっこからアイドル映画として半分見ちゃったんだけど、インドの文化的価値観への否定反抗、自我の解放へのシナリオがサイコーで、もうね、応援頑張れ!の気持ちしか無いですよ。
そりゃあんな姿見ちゃったら協力したくなるに決まってんじゃん。
そりゃ絆されるよ、あの警察みたいに。
ごめん俺、女子とおっさんと童貞が頑張る話好きなんだ。
すべての女性にエールを!
日本ではありえない花嫁取り違えというシチュエーションから始まるドラマ。
ワタクシ、まだまだ昭和おやじ、男尊女卑の何が・・おっとここまでの世代ですが、
終盤になるについて涙腺がほろほろとくるお話でした。
花嫁の二人だけではなく姑と大姑、小姑やシングル強く生きる女性までも
思わず頑張ってとエールを贈りたくなるような人物描写もとてもいい!!
花嫁二人の演技はもちろんすべての登場人物が魅力的で
この村の日常をもっといろいろ見てみたくなるそんな世界観を堪能できました。
続演いらずの終わり方ですが、続編があっても見たくなるような
心地よい余韻のある映画です。
上を向いて生きる。現在のインドの勢いの源流を見た
古い風習に凝り固まったインドの婚礼が原因で起こる花嫁の取り違えの話。
かたや夫の家に入ることを当たり前のように考えていて、かたや結婚よりも別の夢を見ている2人の女性。このトラブルを契機に、前者は元の夫と再会しながらも、一人の人格として生きることを学び、後者は横暴な夫から解放され、夢のために旅立ちます。
この騒動に巻き込まれた全員が上を見ながら生きる道を見つける話で、インパクト強すぎる警官か鮮やかな変わり身を見せ、物語に大団円をもたらします。
素晴らしい一作でした。
出会いっていいなぁ
劇場スルー予定だったのですが、皆さんの評判がとても良かったので鑑賞。
結論、久しぶりのあたたかで優しい映画で、
劇場で観てよかったなぁと。
ふたりの花嫁が入れ替わる過程が丁寧で「どうなる、どうなる」と物語に入り込むことができるし、後ろで流れるインド音楽にもわくわくさせられて、ストレスのない始まりが好印象だった。
プールの旅は、彼女の成長や、見知らぬ駅で出会う人々との交流を通じて新たな気づきを得る様子が瑞々しく、微笑ましく見守ることができたし、一方で間違った嫁ぎ先に導かれたジャヤは、彼女自身にいったいどんな目的があるのか?どんな過去を送ってきたのか?と、キャラ自体が気になる作りとなっていて、ディーパク、彼の友人、家族たちと次第に信頼関係を結んでいく様とあわせて飽きずに観ることができた。
(隣の男性は途中しっかり寝ていたけれど笑)
爽やかで軽やかなエンディング、悪徳警官だと思っていた警部補がかなり粋ないい人であったこと、ふたりの花嫁のこれからのゆく先がきっと幸せであろうと想像できる収まり方などが特に素晴らしかったなぁ。
ただ、その反面、思った以上に残酷でえげつないジャヤの夫(事実存在する)や、息苦しい側面が残るインドの結婚文化や女性の立場などに暗い気持ちにもなった。
女性が「学びたい」「働きたい」という思いを成就させるために、何故ここまであがき、苦しみ、訴えないといけないのか…古くから継承される文化観や信仰など、傍から見たら「なんでそんなこと?」と思うようなことでも、事実それを大切に、尊重している人々は沢山いて、簡単には変えられない部分なんだろうなぁと、やるせない気持ちになった。
でも、すべてがこのままじゃいけないよね、と、あたたかく優しい物語で包みながらも、確かなメッセージとして残すこの映画が、小さな希望にも感じる。
全体として好みな映画だったが、特にプールの一連の冒険にはところどころで涙した。
当たり前のように従順に嫁ぐことしか考えてこなかったプール。
そのために家事スキルを磨いてきた奥ゆかしい彼女が自分の特技を活かして働き、その対価としてお金を得るという初めての経験をしたり、必ずしも守ってくれる存在がいなくてもひとりで幸せに生きていくことは可能であることを知る。
ただ親に従い、ただ夫に着いていくだけでなく、自分で考え動き、生き抜く強さを得ていく姿が本当に本当に感動的だった。
ここの丁寧な描写があったからこそ、頑なに夫の名前を口にすることを拒んでいたプールが「ディーパク!」と呼びかけるシーンがこの上なく輝くし、やっと再会できたふたりの間の愛が強固なものだと信じることが出来る。
ひとり旅経つジャヤと違ってプールは予定通り嫁ぎ妻となりますが、あの駅で過ごした数日間は、プールを確実に変え、大きく成長させたはず。
彼女はこれから愛する夫との幸せな暮らしのためだけでなく、何より自分自身の幸せのために凛として生きていくことが出来ると思う。
この先どんなことがあっても、きっともう迷うことはない。
それが感じられて、わたし自身勇気をもらうことができた。
人との出会いは、良くも悪くも自分を変えるし、人生を変える。
最悪だ、と思う出会いもあるにはあるけれど、
人と出会い、自分の世界を広げることを恐れずにいたいな。
最後に、
好きなシーンは沢山あったけれどその中でも群を抜いて一番好きだったのは、
警察署を飛び出したジャヤを見送りながら警部補が呟いた言葉。
うん、彼女はどこまでも行きますね。
インドあるある?
映画「ライオン」を思い出しながら鑑賞。
とにかく人が多くて迷子になってもおかしくないもんね…今も変わらないんだろうか?
ベールのままの写真には笑った。
汚職まみれの警察官。
これもあるあるだけど、今回は意外だった。
たまにはいいとこある?
派手さはないがしみじみと。
しかし女性の地位は相変わらずなんだなと思わされた。
これは…今はどうなんだろうね。
インドの格差問題てんこ盛り
インドの闇を照らす小さな光のような映画
インドの社会問題をエンターテインメント映画にして大ヒットを連発するインドの至宝、アーミル・カーン製作、元奥さんキラン・ラオ監督の本作。今回はインドの田舎村の若い女性を取り巻く問題を取り上げます。
幼妻、プール
新婚の彼女は新郎ディーパクさんに連れられ、はるか離れた新郎の村を目指し、列車の旅に出ます。車内にはたまたま複数の新婚カップルが。新婚の花嫁はみな赤いベールを深々と被り、顔を覆っています。女性の尊厳を守るためのベールは女性の自由を奪うものでもあります。プールはひょんなはずみでディーパクとはぐれ、一人見知らぬ駅に取り残されてしまいます。今更実家に戻るわけにもいかず、夫の村の名前も分からない。ああ、インドならありうるかも…。インドで迷子になったら死ぬかも…。若い女性が一人でいたら殺されちゃうかも…。スマホもないし連絡手段もありません。インドは治安のいい日本とは違います。もう生きるか死ぬかのピンチです。外では男たちがうろついており、彼女は駅のトイレに隠れて夜を明かします。そんな彼女は駅に住み着いた物乞いの二人組と売店のおばちゃんらに助けられ、命拾いします。まさに助け合い精神。捨てる神あれば拾う神あり。貧しいもの同士が助け合って生きる姿を見ていると、古き良き日本の姿や人情という言葉を思い出します。
売店で働く肝っ玉おばちゃん。彼女は暴力夫と別れ、貧しいながらも自立した生活を営んでいます。プールは彼女らとのふれあいの中で視野を広げていきます。母から仕込まれたお菓子作りの腕を発揮し、生まれて初めて自分の力でお金を稼ぎます。
もしディーパクと再会できたとして、駅に寝泊まりしたような自分を、新郎と家族は受け入れてくれるのか。プールさんの不安の種は尽きません。
新妻、ジャヤ
親の決めた裕福な相手との結婚が決まりましたが、本心では結婚なんかせずに大学で農業の勉強をしたいと願う彼女。彼女もまた新郎に連れられ列車の旅に。ひょんなことで新郎の元を逃げ出し、ディーパクの村へ潜り込み、偽名を使って村に居座ります。彼女の作戦はなんとか新郎から離れ大学へ行くこと。でも警察に身元を暴かれ、金目当ての結婚詐欺犯として留置所に入れられてしまいます。そして本物の新郎が彼女を迎えにやってきて、ジャヤに人生最初にして最大のピンチが訪れます。
プールは夫を支え、伝統に従って生きようとする、良妻賢母型の女性です。ジャヤは古い因習から逃れ大学で高等教育を受けることを望む、新しい生き方を模索する女性です。本作の脚本の素晴らしいところは、全く異なる2つの生き方を、どちらも肯定的に描いていることだと思います。二人の女性の間には対立や分断はなく、相互理解があります。日本のフェミニズム活動家の中には、自分の生き方を肯定したいために相手の生き方を否定するような言動をされる方がいますが、本作にはそんな人は出てきません。今後インドでも日本のように先鋭的なフェミニズム活動家が出てくるのか、興味深いところです。
二人の新郎
プールの新郎ディーパクは田舎の純朴な青年です。彼は良い夫代表です。ジャヤの新郎は金持ちの嫌な奴。ジャヤを殴りつけ持参金を奪い取ります。前妻は子供ができなかったために焼死しており、自殺なのか他殺なのかも分かりません。彼は悪い夫代表です。新郎たちのキャラクターはもう完全なステレオタイプで描かれています。インドの女性の運命は良い夫と巡り合うか悪い夫と巡り合うかで、大きく変わってしまうのでしょう。
警察官マノハール
賄賂は受け取るわ、暴力は振るうわ、まさに権力を笠に来た横暴警官です。ですが、ジャヤの真実、彼女は貧困から立ち上がる力と知性を兼ね備えた女性であることを知ったとき、彼はその権力を利用して悪い夫を退治します。この警官は善悪を兼ね備えた存在であり、ステレオタイプの夫たちに比べると複雑なキャラです。本作では非常に大事な役割を果たしています。当初アーミル・カーンが演じる予定だったそうですが、ラヴィ・キシャンのはまり役のようです。
本作ではインドの女性たちを取り巻く様々な問題が描かれています。親の決めた相手との結婚と持参金の負担。町へ出稼ぎに出た夫に会えずに笑顔を忘れた新妻。夫の写真もないため、彼女は自分で描いた夫の絵を大切に持っています。夫の好みの料理を作り続け、自分の好みを忘れてしまった女たち。ネットで「インド 妻 殺す」で検索すると、悲惨な記事が山のようにヒットします。『持参金が少なかったからと、夫の家族らが新婦を殺害する持参金殺人も相次いでいる。最悪期の2011年には年間8618人の女性が犠牲になった』という記事などを読むと暗澹たる気持ちにさせられます。本作はハートウォーミングのハッピーエンドで幕を閉じましたが、現実社会はどうなのか。現実社会の闇と貧困が深いほど、作り物である映画は輝くのかも知れません。戦後日本がそうであったように。その意味ではこれからもインドでは面白い映画が作られ続けることでしょう。貧困から立ち上がろうとする力こそ、面白い映画の原動力なのかも。そして本当の闇は娯楽映画で描くことなどできません。
本作では幼妻プールを演じたニターンシー・ゴーエルさん、ジャヤを演じたプラティバー・ランターさん、日本語字幕を担当した福永詩乃さん、3人の若い女性の才能が輝いています。中でもニターンシー・ゴーエルさんは本作でブレイクを果たしたそうです。youtubeチャンネルも登録者数59万人と大人気です。本作で演じた貧しく健気な幼妻役と華やかな現実生活との落差が楽しめます。夢を掴み大都市で西洋化した暮らしを謳歌するスターや富裕層たち。一方中世のような暮らしのまま置いていかれる田舎村の住民たち。インドって、大きくて複雑で面白い国です。日本のように簡単には西洋に飲み込まれることはないでしょう。
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