花嫁はどこへ?のレビュー・感想・評価
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ああ、叫びたい。怪しい娘だと。
大安吉日のインドにて、ベールを被っているため電車内で嫁を別の嫁と取り違えてしまいさぁ大変!!と思いきや…といった物語。
コメディ色が強いようで、インド社会の闇を垣間見せるドラマ作品。
インド結婚の文化''持参財"がキーとなっており印象的。…成る程、悲しきかなこれは犯罪に利用することもできてしまいますね。お金持ちと結婚するにはそれなりの持参財が必要となり、足りなかったケースでは…。。恐ろしすぎる。
そんなこんなありながらも、お国柄周りの世界を知らずに生きてきたプールと、大秀才でありながらこれまたお国柄夢を叶えられないジャヤ。
対照的な二人の花嫁が、自分の力で生きる希望を見いだしていく様は素敵ですね♪
登場人物も良キャラ揃い。
お気に入りは駅売店のおばちゃん。
男性上位の世界もおかまいなしにと力強く振る舞う姿はカッコ良い。さらに孤独となったプールを導き…。そのカラカンドはきっと娘の味がしたことでしょう(涙)
そして絶対にキーマンとなると思ったご用心〜…は、別に何もなかったかな(笑)?
クライマックスは見ていて痛快でありながら、なんやかんや潔白じゃない人がチラホラいるよね…なんて思ってしまったが、ダンスがなくとも幸せムードなインド映画だった。
DVDが出る可能性が薄いので、是非映画館で見て欲しい
フェミニズムとシスターフッドに溢れるじんわり良き映画・・・で終わって良いはずがない。
2001年が舞台ということに目眩がする。
インドって妻が夫の名前を呼ぶのもNGなのか??ヴォルデモートでもあるまいに。
インド映画「TOILET」でもインドでスマホを持っている人より家に衛生的なトイレがある人の方が少ないという事実や、同じ2001年頃を舞台にした「パッドマン」でも、生理用品が手に入らないために修学や就労を制限され、生理中は外出さえままならず非衛生的なぼろ布を使ってる女性が多いことに目眩がしたが、結婚においてもその価値観はまだ21世紀と思えない有様のようだ。
もっとも、夫婦別姓がいまだに選択できず、未成年をレイプしようとした元ジャニーズの性犯罪者などが堂々と復帰し、首相の自伝本を書いたジャーナリストがレイプをしてなお捕まらず、ジェンダーギャップ指数146か国中118位(2024年現在)の日本が言える立場ではないが。
話すとプールがおそらくまだ10代の幼い花嫁であることがわかる。貴重品も夫に預けたあれっぽち。おそらく持参金も少ないのであろう。料理などの花嫁修業はしっかりさせられたようだが、夫の村の名前すらろくに把握していないとは。実家でもすべて夫に任せておけば良い、と言われて育ったのだろう。駅で迷って自我もなく寄る辺なくあたふたする様は花嫁と言うよりまだ子供だ。
まず、嫁ぎ先の村の名前くらいちゃんと覚えておけというのはマンジュおばさんの言うとおりである。
夫に言われてランニングを辞め何が好きかもわからなくなった・・・という話が最近Twitter(X)でバズっていたが、本編でもレストランとコラボメニューになっていたレンコンのサブジをジャヤに褒められて、「夫も息子も食べないので好きな料理を作らなくなった」という母親が「なら自分のために作ればいい」とジャヤに言われて「女の好みで料理を?」とありえないとばかりに姑と笑った後で「でももう自分の好みがわからない」とぼそりと呟く様がなんともつらい。女が料理を作るのは夫や息子など男の為で、自分の好みも反映させられないということ。
インドでなくても日本の既婚女性もよく言うことだ。夫が嫌いだから作れないとか子が食べないから作らないとか。幼い子供相手ならまだしも、アレルギーで食べられないとかじゃない限り(よほど栄養に偏りがあるのでない限り)日々の料理なんて作る人の好みで作ればいい。文句があるなら自分で作れ、である。
日本の女性は自立以前にまず自分の好みの料理を作るところから自我を取り戻さなくてはいけないのか。道は遠い。
マンジュおばさんの名台詞「女は育児も出産も農業もできる。それに気づいたら一人で生きていけるので、男は気づかせないままにしておきたい。(男が結婚できなくなるから)」と言う台詞が身に染みる。「結婚できない」ことが女にとってスティグマになる社会はクソ男に都合が良いからだ。
夫がジャヤを殴るのも止めないなんてひどい警官かと思ったら目の前でDVを目撃したという事実を作るためだったのか・・・DV夫と離れられるのは幸いだが前妻の死が自己なのか殺人による焼死なのか曖昧なままなのはいかがなものか。サティ(寡婦殉死)は法律で禁止されているものの、現在でもインド各地で行われているという。それどころか子供が産めないから殺されるなんて女性の地位は奴隷や産む機械以下である。
ジャヤは一度クソDV夫と法律婚をしているわけで、夫と正式に縁を切ることは出来るのだろうか。そのあたりも気になってしまう。
プールが初めて自分で仕事をして報酬を得るときの目の輝きがまぶしい。「結婚してもどんなささやかでもいいから仕事をしていきたい」と語る彼女の意思をどうか尊重できる夫ディーパクであって欲しい。
配給によれば、どうやら円盤が出る可能性が薄いらしいので、是非まだ上映しているうちに映画館で見て欲しいところ。
学ぶにも描くにも好物を作るにも、野心が必要なインド
花嫁の取り違え、当事者にとっては一大事。レイプのニュースが絶えないインドでは、花嫁の安全がとにかく心配。それでもコメディタッチで、悪意より善意を多めに感じる展開で非常に観易い。序盤の伏線も終盤で分かりやすく回収され、どんでんも返さえるので、読後感が爽快。個人的には、取り残さえる花嫁(Nitanshi Goel)があまりに可愛すぎて、終盤彼女の笑顔だけで泣いてしまった。
🌻
1. 20年前のインドってまだこんな感じ?
インドは1990年代からIT大国のイメージ。英語圏でメーカーに問い合わせると、インドに転送されインド人が応えてるとの報道もあり、英語もペラペラなイメージ。しかし本作で描かれた2000年代のインドは、女性のが戦前の日本どころか、江戸時代くらいの立ち位置。女性は家庭に入ったら男に従うもの。料理するのは家族の好物。自分の好物を自分の為に作るだなんて発想が皆無。描いた絵も家族には隠し、好きな事を学んで手に職つけるだなんて女に許されない。丁度2000年代、ベトナムで女性の大学教員やスタッフと交流があったので、インドが遅れ具合が際立って感じられた。
嫁ぎ先の住所も最寄り駅も知らないが、家事は得意と胸を張る花嫁P。身を隠すためにSIMカードを入れ替える知恵もある花嫁J。対比が見事。女性も色々。誰しもがそれぞれにあった幸せを選択できる社会こそ健全。
🌻
2. 終盤の大立ち回りは若干ズルい
終盤、思わぬ人物が意外な振る舞いをする事で大団円。スッキリしたとか、胸がすくとの感想も散見する。たださぁ、結局悪い人が儲かって、次の日からも悪徳ぶりが続きそうなには閉口。劇場版のジャイアンかっ!?いいとこ取りし過ぎな事に納得はし難かった。
🌻
3. Nitanshi Goelに要注目
本作が映画デビューのNitanshiさん。2023年のトロント映画祭が初出なので、撮影時は15,6歳。TVで活躍してた子役さんのようですが、本作のヒットで映画女優として起用が相次ぎそう。本作では垢抜けないあどけなさもあるが、ネットで検索したバッチリメイクだと超美人。個人的には、ハーマイオニーのEmma Watsonのようにあまりに早く成長し過ぎないで、折角のあどけないさをフィルムに沢山残して欲しい。
人は人 自分は自分
混雑した車内に新郎新婦が数組いる中で、花嫁を取り違えてしまったことから始まる物語。
プールは保守的な家族観を重んじる女性、ジャヤは当時のインドにおいては先進的な価値観を持つ女性。
おそらく対極ともいえる価値観を持つふたりだが、それぞれが自分の価値観を信じ、それぞれに幸せの形を持っている。
異なる価値観を持つふたりは、相手の価値観を否定することにより自分の価値観の正しさを証明するのではなく、自分の価値観を純粋に信じることにより、揺るぎない正しさを得ている。
ジャヤの揺るぎない価値観が、最後にマノハル警部補の心を動かしたのだと思う。
個人的にはマンジュおばさんが好き。
優しさと芯の強さを持つ魅力的な人。
鑑賞動機:あらすじ8割、アミール・カーン2割
2001年という設定が絶妙だったのかも。今なら良くも悪くももっと簡単に見つかってしまうだろう。
花嫁二人も花婿二人も全く違うタイプを配置、見せ方/見せなさ方、脇の人物などなど、きちんと考えられているのだろうな。
海外向け仕様か長〜いダンスシーンはなくて、時間も2時間強。伝えたいことはしっかり伝わってきたと思う。警部補の描写の加減にも驚かされた。花嫁のどちらも否定しないところもよかった。
別の映画でも見かけたけど、駅の売店/屋台でチャイを売るのは定番なのかね。
20年後の今は
インドの伝統的男尊女卑にめまいがしそう。
これが21世紀の話なんて。
女性に生理用品を普及させ、自立のシステムを作っていく「パットマン」も、2001頃の話だった。
ジャヤの夫とその一族以外、良い人ばかり。悪玉と思っていた警部補が実は有能、人情味あふれる人物で、最後で胸のすく仕事をしてくれる。ハッピーエンドで良い話なんだが、「ジャヤの夫の前妻の焼死が、自殺だったのか殺されたのか」という話が頭に引っかかって、それ以降の話があまり入ってこなかった。
インドの田舎の嫁いびりは激しく、持参財が少ないとか子供を産まないとかで殺されたりすることもあり、特に生きながら焼き殺すという残酷な手口が多いらしい。法律で禁止されているが目が行き届かないため撲滅とはなっていないと数年前に読んだことがある。今はどうなのだろう。
仕事でインドのオフィスのインド人の女性とやり取りすることがあるが、皆さん普通にパソコンを使いこなし、普通に英文を書いて、仕事上のやりとりは成立する。少なくとも10年前でもそうだった。彼女たちは学校へ行き勉強して、現代の職種で就職できる人たちなのだろう。インドが輩出するIT技術者にも、女性はいる。
どこの社会でも、日本だってそうだが、古臭い価値観を頑なに捨てず、それを押し付ける人たちはいるし、それを当然とするコミュニティもあるし、そうでないところもある。混在するのは当たり前のことだが、インドの格差はひどすぎる。
これが2001年の話、女性の自立に向けて歩みだしたふたり。
そのころに差し込み始めた光が、20年経過した現在は大きなものになっているんだろうと思わせるものがある。自立のしかたを限定せず、それぞれにあったやりかたを肯定しているのも良い。
少女妻のプールがかわいい。ムキになって「私は母から家事をきちんと教わったわ!」と言い返すところ、めっちゃかわいい。彼女のパートは、ジブリ作品みたいでした。
ジャヤはひと目見てため息が出るほどのインド美人。知性溢れて強くたくましく、かっこいいです。頑張れ、と応援したい。
二人の美女とインドの風景、画が綺麗で良かったです。
インドの抱える問題をたくさん入れ込みながら、ミステリー要素も混ぜて、重苦しくならずさらっと描いて心温まるエンタメ作品に仕上げた監督・脚本の手腕はお見事。伏線の回収もばっちりでした。
日本人にもわかるインドの人情話
署長ーー!
(涙)あんたって人は・・喋り方迄変わっちゃって、密かにあの娘推してたでしょ?
最初、登場人物が多くてちょっととっつき難かったけれど、ガールズムービーに振れたら俄然面白くなりました。残った方は美人系、迷子の方はカワイイ系、どっちもどんどんイキイキしてきましたね。
イラストのエンディング凄く良かったのに、結局インド風、残念!
時代設定が上手い
混雑したインド国鉄、列車内でベールを着けた花嫁を取り違えた花婿2人。喜劇かと思えば牧歌的ながら社会批判がありシリアス。
農村部の貧困、名誉殺人、女性の教育…。
いくらなんでも直ぐに花嫁が戻ると思えば、時代設定がスマホではなくガラケー初期なのでネット環境が未整備でまだIT先進国前なインド。
あれやこれやトラブル続き。ミステリー要素もあり。
汚職三昧で一見悪そうな警察署長が実は!?
主役の花嫁2人が正反対な美人&可愛いに秀才と純心と言うのも上手い!
ラストが最高
インドで、結婚式を終えた2人の花嫁、プールとジャヤは、花婿の家へ向かう途中で、同じ列車に乗り合わせた。2人とも同じような赤いベールで顔を隠していて、プールの花婿がプールと間違えてジャヤを連れて列車から降り、家に連れて帰ってしまった。一方プールは9駅先の駅でジャヤの花婿に連れられ列車を降りたが、プールの花婿が居なくて連絡先もわからず、仕方なく駅で野宿をした。2人も嫁ぎ先に行くまでの間に色々経験し、新しい価値観と可能性に気づいていった。そして、プールもジャヤも、生まれて初めて自分自身の手で自らの人生を切りひらく、ということを知ることになり・・・さてどうなる、という話。
男に依存して生きてきたインド女性だけど、ジャヤは大学に行き農業を学びたいという意志が有ったのに無理やり結婚させられ、間違えられた事をチャンスとして活かそうと努力してたし、プールは嫁ぎ先で良い嫁になりたいと思っていたが自分の料理の腕でお金が稼げる事を学び、2人の女性の成長と価値観の変化が見所だった。
そして、本作でもインドの警官は賄賂をたかり悪いやつだなぁ、と観てて、でもハッピーエンドになるんだろうとは思っていたが、予想以上のラストが最高だった。
プール役のニターンシー・ゴーエルは幼いように見えたが、16か17だったみたい。彼女の仕草は可愛かった。
ジャヤ役のプラティバー・ランターも最初は詐欺師かと思っていたが、向学心旺盛な素晴らしい女性だった。
インド映画で良くある歌とダンスのうち、歌は有ったがダンスは観れずそこは残念だったかも。そんな作品じゃないんだろうけど。
しゃくれ警官が大好き
*
本来は花嫁ふたりにスポットを当てて
感想を書いたほうがよいのだろうけども
一番印象的で好きだな〜と感じた
しゃくれ警官について僕は残したいと思う
*
金に目ざとい警官だな、それでも警官か?
と、あまり良い印象を持てなかったのですが
観ていくうちに面白いキャラがクセになってきて
最後はヒーローみたいにかっこよくて
ギャップにやられた!全部持ってったやん!!と
胸の高鳴りがとんでもないことになりました
*
このしゃくれ警官との出会いがなかったら
花嫁(だった)の彼女はやりたいことを我慢して
ただただこき使われて終わる人生だったでしょう
彼は彼女を救ったといっても過言ではないのです
「しっかり学べ」この一言がもう〜痺れました…!
私は自分のやりたいことをやっていいんだ!
という彼女の気持ちとしゃくれ警官のかっこよさに
どわっと涙があふれて僕は号泣です
彼女が去ったあと
「あの子はどんどん行くぞ」とつぶやくと
部下が「そうですねあと800㎞くらいは…」
(そういうことじゃなくて…笑)と
心のなかで僕はつっこんでしまったのですが
しゃくれ警官が「〇〇よ…」と呆れながら
名前を呼んでふっ……と笑っていたので
(部下の名前を忘れてしまいました)
彼と同じことを思ったんだな…っていうのと
インドユーモアみたいなものを
感じ取れたことがなんだか嬉しかったです
彼はドリンクで例えていうならば
チャイにしっかり効かせたシナモンです
シナモンがないと味が締まらない
つまり彼がいないとこの作品は成り立ちません
しゃくれ警官ありがとう
*
花嫁の素性を探るための偵察のシーンで
あの怪しい彼女が気になる〜という歌詞の
インド音楽のリズムがすごく楽しくて
エンドロールでも流れてくれたのですが
自分の列の人のまばらさをいいことに
ついついノってしまいました
共に生きたい人のそばに帰れた花嫁
自分が生きたい人生を見つけた元・花嫁
電車のなかで夕焼けを背に
藤井風さんの「grace」を聴きながら
作品の余韻に浸りつつ帰路に着きました
*
総合評価★4だけど、見終わった満足感は今年一番
過激や過剰な演出はなく、心をふるわす感動の喜びや悲しみもない。迫力の映像もない、驚愕の大事件が起きる訳でもない。それでも見終わった満足感は今年一番かな。
映像 ★★★ 良い
音 ★★★ 良い
物語 ★★★★+0.5 とても良い
役者 ★★★★ よくぞ選んだという感じの主演女優さん2人がいい
他の女性脇役も素晴らしい
編集 ★★★★★
粗さ ★★★★ インドの人から見たらどうか? 私は問題なし
総合 ★★★★ 評価4だけど、見終わった満足感は今年一番
単館系といわれるジャンルのホッコリ作品を観たいならお勧めです。
この手の映画は、やっぱり映画館という空間で味わうのが良い。
メジャー系の迫力や刺激を求める方には不向きかも。
そうそう、冒頭で「驚愕の大事件が起きる訳でもない」と書いているが、実際には、驚愕の大事件クラスのありえない大騒動が起きている。でも、それを日常レベルの目線に落とし込んむ設定というか演出が秀逸なのかもしれない。いいね。
とってもとっても映画ぽい映画
この映画の舞台の頃の2000年位には、こういう映画結構あったような気がするな〜って思いました。
観終わって気持ちが『いい感じ』になれる、よく出来た、とてもいい映画だと思います。
最初『このコメディどうやって終わらすのだろう』って思ってて、最後『こういう感じか〜』ってなりました。裏切られ方が『ボンベイ』を思いださせてくれました。
インド映画やってくれます。
映画としてめっちゃシッカリと作られていてます。
特にキャラがいい。とても役者の表情がいい。うまい。
主人公の周りのキャラが立ってて、彼らがうまいと『ちょっと、わざとらしくもあるかな〜』って思える演出も、その程良い、丁度良さも相まって、とっても良くなる。
最後の畳み掛けにはウルッと来ました。
『侍タイム・トリッパー』もこの映画位に説明描写を抑えていればテンポももっと良くなったんじゃないかな~っても思いました。
シャッフル笑
❝花嫁はどこへ?❞
花嫁のプールとジャヤは、それぞれ夫の故郷へ向かう途中の電車の中で意図せぬまま入れ違ってしまう。ジャヤは自分の夫に促されたと思い、一緒に電車を降りたつもりだったが、それは自分の夫ではなくプールの夫ディーパクだった。途中で異変に気づくも言い出せず、ディーパクの故郷へ連れて行かれる。一方 プールも、ディーパクと思い込んだままジャヤの夫と電車を降りてしまい、夫のディーパクが居ないことに気づき、必死に探したがどこか分からない駅で迷子に。
まずはその花嫁の風習ですが、ベールで顔を隠さないといけないというのと、花嫁は皆同じ衣装なのですね。
花嫁を取り違えるってどうやって???と思いましたが、
なるほどなるほど〜笑
そら分からなくなります笑
私も
あれ?プールどこに座った?とプールがシャッフルされ、分からなくなりました笑
美しく聡明なジャヤと家庭的で可愛らしいプール。正反対な2人でしたが、見事な展開にあっぱれでした。
ジャヤの最初と最後の印象が180度変わり、最後は涙を誘いましたね。
すごく良かったです。
アーミル・カーン間違いないです。
インドの社会問題を描きながらも、ユーモアと暖かみが際立つ一作
新婚後の帰省中に妻と間違えて別の女性を連れ帰ってしまう……というなかなか考えにくい状況から始まる本作。人前では顔を隠さなければならない、という決まりを皮肉るコメディーなのかと思ったら、起きてしまった状況に対処する人々の奮闘ぶり、そして主人公のプール(ニターンシー・ゴーエル)と入れ替わってしまったジャヤ(プラティバー・ランター)の謎めいた行動に目が離せないドラマでした。
本作は登場時に観客が抱くであろう個々のキャラクター像を良い意味で裏切り続ける点でも巧みで、素朴な男女、プールとディーパク(スパルシュ・シュリーワースタウ)を中心に描いているにもかかわらず、かなり「油断のならない」映画でした。
中でもマノハル警部補を演じたラビ・キシャンの小憎らしさが印象的でしたが、なんといっても注目に値するのはジャヤを演じたランターで、見方によってはジャヤはインドにおける女性の人権の不条理な側面を体現しているキャラクターであるにも関わらず、ある時には良からぬ企みを巡らしているようにも見え、ある時には深い知性と思いやりの感情を発露させるなど、多様な側面を見事に演じ切っています。
これだけの演技力なのに、映画初主演とは驚きました。ある意味ジャヤのつかみどころのなさが、本作の「謎」に強い説得力を与え、それが物語全体の駆動力となっているように感じました。
暖かくて笑えてハラハラするのに「油断ならない」映画とはどういうことなのか、未見の方にはぜひ直接体験していただきたいです!
因果応報とはまさにこの映画。面白くてあっという間の2時間。
インド映画は最高!!
花嫁の取り違いなんて日本では絶対起こり得ないのに、インドでは起きる。
いいことをすれば報われ、悪いことをすれば災難にあう。まさに因果応報。
見ていてスッキリしました。
インド映画のいいところは、話が分かりやすくしっかりしているところ。昨今の映像の綺麗さに頼りきって中身のないもしくは変に難しく見せかけている映画とは違う。
映像の綺麗さは横に置いても、話がきっちりしていたら、どんどん感情移入していく。日本の映画も見習って欲しい。
今のパチンコ代と一緒。映像や演出にこだわり過ぎて中身が薄い。こだわらないといけない所が間違えている。昔のゲームも同じ。ファミコン時代は土台がしっかり作られていて、単純な映像でも充分に楽しめる。しかも何度でも繰り返し遊べる。
この映画、エンディングに向かってどんどん面白くなっていく。最後は映画館で拍手が起きるくらいによく出来た作品。
見終わって振り返ると、出てきた人全てと仲良くなりたいくらい温かい人たち。
いい映画だなー。
インドじゃなきゃ成立しない話
見失って見つけたもの
行きつけの劇場で1か月遅れの公開となった本作。レビュー評価も上々で、時間もあったので鑑賞してきました。インド映画にしては、ダンスも荒唐無稽なアクションもなく、歌は控えめで尺も普通でしたが、インドらしさを満喫でき、内容も素敵な良作でした。
ストーリーは、嫁ぎ先に向かうために列車に乗った花嫁プールは、一緒に乗った花婿ディーパクが偶然隣席に座ったもう一人の花嫁ジャヤと取り違えて二人で降りてしまっため、見知らぬ駅に一人取り残されるはめになり、間違われてしまったジャヤもディーパクの家で世話になることになり、二人の花嫁は予期せぬ生活を強いられる中で自分の生き方を見つめ直すというもの。
インドの結婚にまつわる慣習を全く知りませんでしたが、私財をなげうってでも娘に持参財を持たせ、それによって妻の価値が値踏みされ、しかもそれが夫側の財産となることに、前時代的なものを感じます。設定が20年以上前のようなので、今ではどうかわかりませんが、日本もかつてはこんな感じだったように思います。名古屋の嫁入りは愛知では有名で「娘三人あれば身代(しんだい)潰れる」と言われていました。私の地元でも、子どもの頃は紅白幕で覆われた嫁入り道具満載のトラックを何度も見かけましたし、近所に嫁入りがあればお菓子が配られました。
本作は、そんな古い結婚観に疑問を投げかけ、女性の自立と解放を鮮やかに描く痛快作品です。古い慣習やしきたりに従順に従い、そこに疑問を抱かないプール。逆に、自分の生き方を捻じ曲げられることに納得がいかないが、抗う術のないジャヤ。この二人が、それぞれの価値観に一石投じる人々との出会いを通して、自分の生き方を見つめ直す姿が眩しいです。
そんな二人の姿に触れ、自分の固定観念を改める周囲の人物の描き方もなかなかのものです。中でも、嫌味な悪徳警官のマノハル警部補の鮮やかな逆襲に溜飲が下がります。ラストで、少し逞しくなったプールと、晴れて自分らしく生きる道を選んだジャヤが交わした、「あなたのおかげで見つけてもらえた」「あなたのおかげで自分を見つけた」という言葉が、とても印象的です。
主演は、ニターンシー・ゴーエルとプラティバー・ランターで、どちらも役柄ピッタリの演技に魅了されます。脇を固めるのは、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラビ・キシャン、チャヤ・カダムら。
最高の鑑賞後感&多幸感
久しぶりのインド映画鑑賞でした。
ダンス&歌唱がなく、すべて挿入歌で物語るところが
インド映画としては珍しいし、だから短くまとまったの
だろうと思います。
まず、花嫁がどこへ?のどこへ行ったのかわからなくなる
仕掛けがうまいなと思いましたが、
そんなことってある?とも。
いくらベールで顔を覆っているとは言え、
間違えないだろ!と。
迷子になる二人の花嫁ですが、
夫の住所のみならず実家の住所もよくわからないのが
わからないというか、インドの田舎ではこれが普通?
ちょっと理解に苦しみましたね。
警察の腐敗感も実際どうなの?と。
という疑問は軽く感じながらも、
プールのかわいさ、一途さ、まじめさ、
ジャヤの志、芯の強さ、それてミステリアスさ、
ディーパクの純朴さ、
駅の出店のおばちゃんの優しさなど、
観ていて気持ちが良かったし、
それらの人々がみんな報われるかのような
ラストのマノハル警部補の大岡裁きならぬマノハル裁きが
実に爽快で、胸のすく思いでしたね。
一方、いまだに女性蔑視的な扱いを受ける女性がいる
ことも、インドという国の社会問題なのでしょう。
大きく成長している国とは言え、まだまだ発展途上なの
でしょうね。
それにしてもこんな鑑賞後感が気持ちの良い作品は
久しぶりです。
劇場が笑顔に溢れる素晴らしい作品でした。
※本作鑑賞日は、宮崎映画祭を開催しており、
ロビーで芋生悠さんと遭遇できて嬉しかったです。
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