劇場公開日 2025年3月14日

「ニコラス・ケイジは何処?」ロングレッグス 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ニコラス・ケイジは何処?

2025年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

”ニコラス・ケイジが連続殺人鬼を演じるサスペンスホラー”ということで、彼のネームバリューに惹かれて観に行って来ました。

チラシには「『羊たちの沈黙』以来、最高の連続殺人鬼映画」、「この10年でいちばん怖い映画」という、まあチラシならではの文言が踊っていた訳ですが、結果としてかなり眉唾だったというのが偽らざる感想でした。確かに人の心を操って連続殺人を行う犯人・ロングレッグス(ニコラス・ケイジ)と、FBIの若手女性捜査官・リー・ハーカー(マイカ・モンロー)が触れ合う話という点では「羊たちの沈黙」と構造は似ていました。しかしながら、紳士的な態度ながら文字通り人を喰らい、さらには観客の心すら操るんじゃないかと思わせるレクター博士の人心掌握術の恐ろしさと、見た目や喋り方が珍妙ではあるけれども、あまりインテリジェンスが感じられなかった本作の”ロングレッグス”を比較すると、横綱と十両、よくて前頭8枚目くらいの差があったように感じられました。
また、全般的に効果音がデカく設定されていて、音で怖がらせようとしていたのかなと感じたのですが、これが単調に思われてしまい、個人的に逆効果だったように思えました。

さらに、折角逮捕したロングレッグスに取り調べ中に自殺されたり、捜査に向かった先で捜査官が殺されてしまったりと、物語上FBIの捜査にかなり手抜かりがありました。まあ失敗は世の常とは言え、明らかに異常な態度の容疑者を、経験の浅いリー・ハーカー捜査官1人に取り調べさせるなんて、仮に容疑者がそれを要求したとして、実際あり得るのでしょうか。ロングレッグスの自殺後に、上司から叱りつけられたリー・ハーカーでしたが、自殺防止の対策もせず、そんな取り調べを許可した上司の責任でしょうとしか思えませんでした。また、殺人犯が潜んでいる可能性が高い現場にたった2人の捜査官で赴かせ、しかも単独行動を取った結果、1人は犯人に殺されてしまうってのも、実際にそんなことをしたとすれば管理上かなり問題。まあ映画だから何でもありと言えばありなんでしょうが、あのような大失態の連続では、FBI長官の首がいくつあっても足りないように思えました。

いずれにしても、宣伝文句とは対照的に、全般的に怖くはありませんでした。やはり主役のロングレッグスに、レクター博士ほどの怖さがなかったというところなのかと思います。さらに最大の問題は、ロングレッグスにニコラス・ケイジを起用しながら、別にニコラス・ケイジじゃなくても良かったんじゃないか、というか、ニコラス・ケイジだって全然分かんないじゃんと言う点に、いまだに釈然としない思いを持っているところです。
一方良かった点を挙げるとすれば、リー・ハーカー捜査官の母親がロングレッグスに操られていたという展開は、ベタではあったもののまずまず良かったかなと思ったのと、主人公を演じたマイカ・モンローは綺麗だったし、特に怖がった演技が非常に良く、これは一見の価値があったかなと感じました。

そんな訳で、本作の評価は★2.6とします。

鶏
ノーキッキングさんのコメント
2025年3月21日

ニコラス・ケイジ仕事選べよ!って感じですよね。

ノーキッキング