劇場公開日 2025年3月20日

「直木賞作品の映画化という期待値には。。。」少年と犬 Japanese_Idiotさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5直木賞作品の映画化という期待値には。。。

2025年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悪くはなかったと思いますが直木賞作品の映画化という期待値には届いていないと思います。
役者さんでは西野七瀬さんの演技が(失礼ながら)思いのほか良かったです。すごく情感豊かに演じられており「元アイドル」という色眼鏡で観たのは失礼だったと反省。 高橋文哉さんは演技的には発展途上ながら和正というキャラにすごく重なっていました。 助演では伊藤健太郎さんが存在感という点で特に印象に残りました。

・美羽(西野さん)が訥々とストーリーを紡いでいくという構成は良かったです
・主演二人が犯罪に手を染めるまで追い込まれる様は作品にとって大事な描写のはずですが、物足りない感がありました。もちろんリアルの人生はもっと平凡だと分かってはいますがそれだからこそ物語を映画作品に求めるわけですので
・お話自体、時間軸や地理軸があちこち飛び登場人物も多岐にわたるためエピソードごとの掘り下げが十分にできず消化不良と物足りなさを感じました
・また、ある意味でこれは多聞のロードムービーなわけですけれど、彼(彼ら)が大変な距離を旅しているという感覚をあまり得られませんでした。場面の切り取りで時間や距離をすっ飛ばしてしまっているのは惜しい気がします。演出の工夫で随分印象は変わるはずです。いっそ榎本さんのエピソードを外して多聞の旅をじっくり腰を据えて描きあげて欲しかった

おぼえ書き
・シェパード犬「多聞」は、エンドロールによると「さくら」ちゃん、でした
・高橋文哉さんが劇中で着ているM-65パーカは、エンドロール見るかぎりアルファ・インダストリーズの提供品

Japanese_Idiot