ヤング・ウーマン・アンド・シーのレビュー・感想・評価
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ヒーロという言葉の重みと深みに胸打たれる
一人の若き女性スイマーが英仏海峡の横断に挑むーーーこれは1920年代の、まだこの水域を泳ぎ切った人が数人にしか過ぎない頃の物語である。当時の女性アスリートが置かれていた状況に息苦しさを感じ続けてきた彼女。第8回パリ五輪に出場するのに船内で3週間も練習なしで、男性選手の目に触れることなく、ひっそりと過ごさねばならなかったなんて本当に驚き以外の何物でもないし、鑑賞しながら本当に腹が立った。しかしそこから彼女が「泳ぎたい」という想いを胸に、女性アスリートの未来を見つめながら一つの挑戦へと踏み出していく姿は鳥肌モノ。特にラストの30分は幾度も涙せずにいられない。スイマーを押し戻し力を消耗させる波の表現などは、これまで海を舞台にした幾つかの良作を手掛けたロニング監督の経験値が光る。そして何よりもデイジー・リドリー。颯爽とした存在感と、彼女が口にするヒーローという言葉の深みに胸打たれる129分である。
劇的効果を高める脚色と、暗い夜にともす光の演出が巧い。配信スルーがもったいない掘り出し物
英仏間のドーバー海峡(約34km)を女性として初めて泳いで渡ったアメリカ人水泳選手トゥルーディ・イーダリーの半生を描いた劇映画。日本での知名度の低さを考えると配信スルーも仕方ないが、スポーツドラマとしての面白さはもちろん、男性優位社会の時代に女性主人公が不屈の精神で偉業を成し遂げる痛快さ、彼女を支えた家族の絆など、いくつもの魅力がぎゅっと詰まったなかなかの掘り出し物だ。
製作がジェリー・ブラッカイマー、監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のヨアヒム・ローニング(ヴァイキングの故郷としても知られるノルウェーの出身)のコンビで、2人とも海が大好きなんだろうか。イーダリーについて調べると、実話に基づくといいつつ、いくつか事実を改変して劇的な効果を高めていることがわかる。以下に挙げるトリビア的な話題は、事前に知るとネタバレになってしまう要素も含むので、できれば鑑賞後に読んでいただけるとありがたい。
・ファーストネームは正しくはガートルード(Gertrude)で、トゥルーディ(Trudy)は愛称。
・ちょうど100年前のパリオリンピックにトゥルーディが出場したのは事実だが、女性選手に直前の練習をさせない差別待遇により銅メダル1個にとどまったというのは史実と異なる。女子4×100m自由形リレーのメンバーとして金、個人で100m自由形と400m自由形で銅2つ、計3つのメダルを獲得。帰国後に女子チームが冷遇されたということもなく、米国選手団の凱旋パレードに参加した。
・映画ではパリ五輪後の停滞期を経ていきなりドーバー海峡遠泳という新たな挑戦に臨む流れだが、ここも事実ではない。1925年にトゥルーディはプロに転向し、ニューヨークのバッテリーパークからニュージャージー州のサンディフック半島への遠泳35kmを7時間11分で達成。この記録は81年間破られなかったという。ドーバーの挑戦をよりドラマチックにするため敢えて省略したのだろう。
・ドーバー遠泳の1回目の挑戦で、映画では女性差別主義者的に描かれるコーチのウォルフが紅茶に睡眠薬を混ぜて妨害したことが示唆されている。だが実際には、ウォルフに命じられた伴泳者がトゥルーディを救助したことで失格処分になった。コーチが邪魔したことに変わりはないが。
・1回目の挑戦に失敗した後、実際にはトゥルーディは一度アメリカに帰国している。従って映画の痛快な“脱出劇”はもちろん創作だ。
・ドーバー遠泳の2人目の成功者である英国人スイマーのバージェスが、トゥルーディの2回目の挑戦の前に指導したのは事実。ただし2人は1年弱かけて準備し、1926年8月6日朝にフランスのグリ・ネ岬をスタートした。
ファクトチェック的な話は以上。主演のデイジー・リドリーはどちらかというと表情があまり豊かではないものの、「スター・ウォーズ」直近3部作でもアクション場面で活躍して身体能力の高さを証明していただけあって、スイミングのシーンでは力強く豪快なパフォーマンスで偉業に説得力を持たせている。企画当初はリリー・ジェームズが主演候補に挙がっていたそうだが、彼女は割と細身の印象だし過去の出演作でもアクションで目立っていた記憶がないので、デイジー・リドリーのほうが適役だったと思う。
イーダリー家が暮らすアパートメントで夜、トゥルーディのレースや遠泳の状況を知らせるラジオのニュースを聴く母親が窓から外を眺めると、近隣のアパートの窓にも一つまた一つとあかりがともり、住民たちがラジオから流れるトゥルーディの活躍に期待し希望を託しているのがうかがえるシーンもよかった。世の中を変えるような力を持ったヒーローに人々が期待し、明日への希望を託す思いを象徴するかのような“光”が、ラスト近くの英国側海岸で再びともされるのもよくできた構成で、巧い演出だと感じた。
期待せず見たが…
ディズニープラスの「新着」に入っていた&デイジー・リドリー主演なので、特に期待せず見た。
てっきり「サーチライト・ピクチャーズ」作品かと思ったが、「ディズニー」作品なんだな。
内容もディズニー作品。
女性の自立・自己決定を描いた作品。
こうしたフェミニズムを扱った作品は近年「ポリコレ」と批判されることも多いが、ディズニーのこうした題材は傑作アニメ「美女と野獣」でも見られたもので、ディズニーとしては「ずっと昔から一貫して扱ってきた題材」といえるので、近年、急に左傾化した、と言われるのは心外だし的外れだろう。
作品自体は、実話を元にしながら、大幅な「脚色」がされており、それにより「盛り上げ方」が上手く出来上がっている。
笑いもハラハラも、社会的主張も、ストーリーの盛り上げも、上手くまとまっていて、配信直行するのがもったいないぐらいの良作。
パリ五輪ロスの方必見
パリ五輪が終わったいま、見るべき映画はこれだと思います。
人はなぜスポーツに魅せられるのか。
素晴らしいパフォーマンスが見たいだけでなく、垣間見えるアスリートの人生を賭したドラマが見えるからでははないか。
だから感動が生まれる。たとえ負けたとしても。
奇しくも1924年のパリ五輪も背景に入れたスポ根ドラマ。
史実に基づくと名打つかぎり、困難を乗り切り成功、ハッピーエンドてことは承知。
それでも最後までしっかり楽しませてもらいました。
スポーツ観戦後のような暖かな余韻を持ち。
ところで「ヤング・ウーマン・アンド・シー」って、「老人と海」のパロディーのような題名だけど意識してのことなのか?
トゥルーディの決して負けない執念は、猟師サンチャゴと通じるものがある。
日本大好きで「京都に家を買いました」と言う噂(おそらくデマ)まで流...
日本大好きで「京都に家を買いました」と言う噂(おそらくデマ)まで流れるデイジー・リドリーが実在の人物の半生を演じた今作。「最後はハッピー・エンドなんだろうな」と鑑賞してたが、それでも水泳選手トゥルーディ・イーダリーを知らなかったので全部楽しめる。
見てて最後の方「自分がラジオを聴いていたら目印になりに行きたい!」と思ったのでその時の展開にモエた。
最近デイジーはバセドウ病と診断去れた事を告白。 当初は体調不良の原因について、心理スリラー映画『MAGPIE(原題)』(2024)でストレスの多い役を演じたからだと思っていたという。
早く元気になって欲しい。
そんなリドリーは、『スター・ウォーズ:ニュー・ジェダイ・オーダー』をはじめ何本かの映画が待機中で、さらに製作・主演の『時々、私は考える』(2024.7.26)も公開中。
希望の灯り
最近フロリダ海峡180kmを泳ぎきったナイアドを見たばかりですが
こちらは女性初ドーバー海峡34km しかも若い、1920年代のお話
肌露出するから?女性は水泳なんて以ての外の時代のようで、やっと入れた女性オンリーのスイミングクラブ(なのかあれは?)も地下組織みたいだった 良い成績を残しても、オリンピックに出場しても女性だから...と待遇の悪さには呆れてしまった 女性が遠泳チャレンジなんて到底考えも及ばなかっただろうな 遠泳向きの性格があるんだろうか、なんとなく無謀というか勇気があるというか性格がナイアドさんに似ているような気がしました それまでとは打って変わって月面着陸帰還時みたいなNYのパレードはすごい人出に祝福、やはり女性のアスリート地位向上に貢献されたそう
1924年はパリオリンピック 奇しくも100年後の今年も 記念のお話しかな
私のヒーロー
夢は見るものじゃない、夢を叶える力を教えてくれる。製作にも名を連ねるデイジー・リドリー=トゥルーディ・イーダーリー!女性アスリートが歓迎されない時代に、自分で道を切り開いた不屈の開拓者精神に天晴感動。子役時代からキャラクターの出た意志の強そうな目。立ちはだかるのは、時代・社会的な現実の壁。どこへ行っても歓迎されない高い荒波・潮をアメリカンクロールで達成泳ぎ切れるのか?当時の社会通念でゴッリゴリに凝り固まった頭の船酔い無能コーチ、挙げ句あの手この手使って邪魔しようと狡い真似しやがるダサキモ男ウザすぎる胸糞くたばれ。味方のフリした身内に敵ありトゥルーディ!"やっぱり女性には無理なんだろ?"って風潮。
尻ケツ出(し)すぎな先人で変人スティーヴン・グレアムは実は最強の味方、からの脱走など、手堅い王道胸アツ展開もてんこ盛り。ガッカリからのワクワクを端的かつ効果的に見せる『裏窓』もビックリの演出最高!映画に出てくるマスコミメディアは8・9割方、ムカつく不愉快な邪魔してくる利己的な厄介者という現実(ex.『ダイ・ハード』よろしく)。普通だったらもうあきらめるだろという幾多の障壁に次ぐ障壁にはさすがに心折れそうになるけど、そこで腐って諦めないで、周囲の支えもあるからこそいつもどこかに次の一手となるような希望を見出していくさまは圧巻。男どもも少しずつ変えていく、もう一人じゃない…”常識”に打ち勝て!たとえ暗くても、心動かされた者たちの光がいざという時に道を示してくれるから家族、姉妹の愛の物語でもある。
ヨアヒム・ローニング監督のドラマらしいドラマを綴る才・作家性。由緒正しくも今の時代に見合った形で更新された、最高の反骨が格好良い歴史ドラマでタイトルがピッタリ!パリ・オリンピックシーズンに見るのにもピッタリ。わかりやすくも象徴的で人々の心を突き動かすであろう素晴らしい作品だ…と思ったらジェリー・ブラッカイマー!『パイレーツ・オブ・カリビアン最後の海賊』繋がりか。
勝手に関連作品『ナイアド』
泳げなかった。彼女は死ななかった
自分の力で勝ち取りたい "I will swim!"
朝だって夜だって楽しみはいっぱい♪
ナッツ!ナッツ!"アンダーソン"
こは女性が輝く国だと証明したい
結婚は取引の一部、女性の人生はこんなもの。何をしても勝ち目はない。彼らが求めているのはヒーローを求めていない、わきまえた女。「私のヒーローだった」
あなたのおかげで両親が泳いでいいって、兄に勝った
どうせ勝ち目はないでしょ?ホットドッグは勝ち取った
可能だと思う?失敗したら連中は女性たちをプールから追い出す
3週間、練習させなかったせいよ!
ここにはいられない、同じ生き方はできない
その勇気は誰譲りかしらね?母さんよ
「アザラシがついてきた」追ってきたのよ
ここは命懸けの男たちが集う場所だ、一体何の権利で女がここにいる?女が海峡横断なんて!
一人で闘ってるんだと気づいた、我々と闘おう
娘に薬を?誇りに思うべきだ
せっかく来たし、英国を見たい
お金がなくたって楽しみはいっぱい♪
何が正しいかは自分で決める
聞け、彼女は泳ぐ気かと?
赤クラゲだ!泳ぐしかない
負けず嫌いな子よ、桟橋一周
失敗を願ってるだろ、でなきゃあんたの名前は歴史に残る、海峡横断にも指導にも失敗した男
Take my daughter out!! 船は浅瀬に入れないからお前を守ってやれない
学校の時間よ、あんたは泳いでないでしょ
入国には旅券がないと
My coatch right with me.
あらゆる荒波を泳ぎ切り拓く
昨年も似た題材の『ナイアド』があったが、こちらはずっと先駆者。
遠泳のみならず、後の女性アスリートの活躍と発展に貢献。
1926年、女性として初めて英仏海峡を泳いで渡ったトゥルーディ・イーダリー。
女性アスリートたちや水泳界では有名なのだろうが、人物も挑戦も初めて知った。こういう事を伝える為に映画はある。
今から100年も前の挑戦と偉業。
結末は分かり切っているので、トゥルーディが如何にしてあらゆる“荒波”を乗り越え泳ぎ切ったかが見所。
まずは当時の女性軽視に驚かされる。
何事に挑むのも男だけ。
男は男らしく。強く、勇ましく。
女は女らしく。慎ましく、控え目に。
殊に女にスポーツなんて出来る訳ない。弱く、体力も無い。
トゥルーディも最初から勇敢で強かった訳じゃない。
幼少時はしかにかかり、医師からは助かる見込みはないと。ここでトゥルーディが死んでしまったら話は始まらないので、奇跡の回復。
母親は健康の為にトゥルーディと姉に水泳を習わせる。精肉業の父親は反対。女が水泳なんて…。父親も当初は男性上位。
姉と女性水泳クラブへ。始めは姉の方が上手かった。トゥルーディは常にビリ。泳ぎ方もままならない。
姉に憧れ、追い付きたい一心で。ガッツは人一倍。
少しずつ上達し始める。その頑張りと実力に、クラブの女性コーチの目に留まるように。
コーチの指導もあり、早くも姉越え。街や州の大会に出場するようにもなり、記録更新の大躍進。
そして1924年、遂にパリオリンピックに出場する事になるのだが…。
この時の老男コーチが女性選手を全く相手にせず。
コーチとのいざこざや睡眠不足、練習もろくに出来ず、本番のオリンピックでは満足のいく結果を出せず。
周囲の落胆と失望の声。それ見ろ、やはり女はこんなもんだ。
意気消沈のトゥルーディは、ある日見たニュース映画に強く惹かれる。
英仏海峡の遠泳横断。最も過酷なスポーツ挑戦の一つで、達成者は男性スイマー5人のみ。幾多の死者も。
トゥルーディの心はすでに泳ぎ出していた。
周囲からはまたもや冷たい視線。男にだって困難。ましてや女になんて。絶対に無理。
だが、それで諦めるトゥルーディではなかった…。
周囲の反対(特に男たちからの非難)を押し切り、挑戦を決意。
支援者にある賭けで勝ち、サポート体制を作ろうとするのだが、コーチが見出だしてくれた女性コーチではなく、忌まわしきあの老男コーチ!
合宿。当初は他の男性スイマーから冷遇されるのだが、そのガッツと実力で絆を築く。特に黒人スイマーは良き理解者に。
老男コーチは他のスイマーからも嫌われ、溝は深まるばかり…。
黒人スイマーが横断に挑戦。が、半分も行かぬ所で失敗。
やはり困難。そしていよいよ、トゥルーディが挑戦する時がやって来る…。
マスコミや野次馬。国内外でラジオで報じられる。注目の的。
そんな中、挑戦スタート。
序盤から飛ばして。ペースは落ちない。
役に立たぬ老男コーチの声は無視。悪どい事をしてくる…。
遠泳中、他者との接触は禁止。接触したら即失格。
食べ物を渡そうとして、わざと触れようとする。失敗。
飲み物を渡す。紅茶の中に入れたのは…。睡眠薬。
それによりトゥルーディは頭も身体も重くなり、遂には泳げなくなってしまう。途中失格。
このクソコーチめ! コーチだってスポーツマンだ。スポーツマンシップに反するクソ野郎が!
挑戦に失敗したトゥルーディに、世間はまたもや落胆と失望の声。一度ならまだしも、二度も。やはり女には無理。
だがまたまた、これで諦めるトゥルーディではなかった...。
老男コーチの不正を知る。訴えようとするが、訴えた所で負け犬の遠吠え。
ならば…。今度こそやってみせる。遠泳再挑戦。
その決意と意思は固かった。
今度は周囲が違う。
遠泳経験者で破天荒なスイマーが新たなコーチとして協力。トゥルーディを高く評価している。
元々は迎えに来た父親と姉。父親は娘の挑戦に心打たれ、考えを改めた。が、再挑戦には否定的だったが、姉が説得。
老男クソコーチの時立てなかった計画も立てる。直線横断ではなく、少し遠回りになるが、潮の流れを利用する。
それでも容易ではない。だが、やる。やってみせる。
帰りの船に乗ったフリしてこっそり抜け出し、サポート一同と合流。準備を整える。今度はうるさいマスコミや野次馬も居ない。
再挑戦が始まった…!
トゥルーディが乗船せず、再挑戦してる事はすぐに世間の知る所に。
再び世間は期待と非難の注目の視線。
恩人女性コーチは前も。今回も。成功を信じている。
母親も驚くが、直接ラジオ局に赴き、逐一情報を聞く。
当の本人。快調な泳ぎ。今度こそイケる。
が、海はやはり塩辛かった。障害が…。
クラゲの大群。強行突破する。そういや『マリオ3』のW7の海のステージでこんなクラゲ敵キャラのトラップあったね。何だか思い出しちゃった。
突破。だが、障害はこれだけじゃない。こんなもんじゃない。『ナイアド』でもそうだったが、クラゲや時にはサメなど海の生物、口に入る塩水、疲労や空腹、日焼け。サポートはついているが、実質孤独な闘い。
そして今回の最難関。浅瀬。ここで多くの挑戦者が…。
浅瀬故サポート船は入っていけない。夜の闇にも包まれ、目印も無い。
父親は中止を。もう充分だ。よくやった。何より娘が心配。娘を持つ父親の本音だ。
が、新コーチと姉は挑戦を続行。何故なら、トゥルーディは諦めていない。
果たして泳ぎ切る事が出来るか、はたまた失敗か。
トゥルーディは孤立無援の浅瀬に泳ぎ入っていく…。
デイジー・リドリーにとっては『SW』以来の、いや以上の大役と熱演。
実際にオリンピックコーチの下で訓練したその泳ぎっぷり、芯の強さ。
その熱演は、『ナイアド』のアネット・ベニングがオスカーノミネートされたんなら、デイジーだってされて異論は全く無いほど。
彼女一人では成し遂げられなかった。見出だしてくれたコーチ、妹に抜かれながらも応援惜しまない姉、厳格だがやりたい事をやらせてくれた母…。女性初の偉業には、周りの女性たちの支えや愛あってこそ。
浅瀬で方向を見失ったトゥルーディを導くべく、人々が協力した“目印”も感動的。
海洋映画続くヨアヒム・ローニングにとっても出世作『コン・ティキ』以来の上々の泳ぎ。
そのローニングを某海賊映画に抜擢したジェリー・ブラッカイマーPも『トップガン マーヴェリック』や『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』、そして本作と調子が戻ってきた。
EDには実録映像。その後トゥルーディは聴覚障害になるも、聾唖の子供たちに泳ぎを教えたという。本当にその偉業と貢献には頭が下がる。
でも一番は、挑戦を決意した事。
非難や逆風に負けず、自分を信じたからこそ。
先駆者の道はいつだって困難。支えてくれる人たちを信じ、自分を信じ、切り拓く。
奇しくもパリオリンピックの今年。先駆者たちの道に、今も多くのアスリートが挑戦し続けている。
海とアメリカン・ドリーム
デイジー・リドリー主演「ヤング・ウーマン・アンド・シー」障害や抑圧を乗り越え、女性初の英仏海峡横断遠泳に成功した女性の物語。夢と挫折と再起、家族愛と師弟愛と友情の王道アメリカンドリームな作品でちょっとお腹いっぱいだなーと思いながらもハラハラドキドキして最後はやはり涙。
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