破墓 パミョ

劇場公開日:

破墓 パミョ

解説

2人の巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)と風水師、葬儀師が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密を描き、韓国で観客動員1200万人の大ヒットを記録したサスペンススリラー。

巫堂ファリムと弟子のボンギルは、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、高額の報酬と引き換えに依頼を受ける。先祖の墓が原因であることがすぐに判明し、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドクと葬儀師ヨングンも合流。4人はお祓いと改葬を同時に行うことにするが、墓を掘り返す儀式を始めた矢先、不可解な出来事が彼らを襲う。

「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクが風水師サンドク、ドラマ「トッケビ 君がくれた愛しい日々」のキム・ゴウンが巫堂ファリム、「コンフィデンシャル」シリーズのユ・ヘジンが葬儀師ヨングン、ドラマ「ザ・グローリー 耀かしき復讐」のイ・ドヒョンが巫堂ボンギルを演じた。監督・脚本は「プリースト 悪魔を葬る者」のチャン・ジェヒョン。

2024年製作/134分/PG12/韓国
原題または英題:Exhuma
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
劇場公開日:2024年10月18日

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映画レビュー

2.5日本絡みの描写に色々な意味で違和感

2024年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

3.5この調子で今後も悪霊祓いで邁進していただきたい!

2024年11月30日
PCから投稿

いろんな説明をすっ飛ばし、メインキャラが「ホラ!みなさんおなじみの!」って感じで出てくるのがとても良かった。韓国のひとには馴染みの文化かも知れないが、これだけ霊的なことに関わる職業の人たちがいることも知らず、でもそれでも「こういうものですから!」と押し切ってしまう力技が、もはや清々しい。この前に人気のテレビシリーズがあって、初映画化なんですと言われたら信じてしまったと思う。

逆に言えば、シリーズでもなんでもないのに、最初からみごとにキャラができあがっているわけで、この年齢も性別も雑多なキャラたちと彼らが織りなす世界観を、もっと見てみたいと思わせるだけの魅力がある。あの、お祓いの女性集団だけでも何本でも映画ができそうだし。

ただ、こういう荒唐無稽なファンタジーにありがちだと思うが、設定ありきで進む物語自体は、わりとどうでもよかったりするし、なにが起きてもはいそうですかと右から左に流してしまいがち。ただ、オカルト冒険マンガみたいな世界観を、ギリギリのリアリティと組み合わせたビジュアルだけで面白いから、多くを望むより、この路線で愉快な悪霊祓いを続けていってほしい。

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村山章

4.0朝鮮半島と日本の暗い歴史の苦さが後半の味わいに影響。韓国での特大ヒットに複雑な思いも

2024年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

「破墓 パミョ」は本国韓国で今年2月に公開され、5月の時点で2024年の韓国映画の最高興行収入を記録したとか。鑑賞しながら題材や雰囲気が似ていると思ったのは、國村隼が謎めいた村のよそ者を演じた2016年の韓国映画「哭声 コクソン」と、2018年の邦画「来る」。得体のしれない邪悪な存在に主人公側の人間たちが立ち向かうのが共通点と言えるだろうか。この手のジャンルの映画としては撮影が洗練されていて、暗いながらも美しい映像もなかなか見応えがあった。

ストーリーの後半には、豊臣秀吉の時代の朝鮮出兵や20世紀前半の日本による韓国併合といった朝鮮半島と日本の間で起きた暗い歴史の記憶が、ネガティブな要素として浮かび上がってくる。これが苦いスパイスとなり観客の感情を刺激したことが韓国での特大ヒットの一因になったのかと想像すると、日本人として複雑な思いもする。

日本とのつながりではほかに、悪霊から身を守るため全身に経文を書くシーンが怪談の「耳なし芳一」を思わせるが、脚本も書いたチャン・ジェヒョン監督は「耳なし芳一」を知っていたのか、それとも法話か何かで「経文を体に書くと魔除けになる」という古い言い伝えが仏教文化圏の共通のルーツとして存在するのだろうかと、ちょっと気になった。

暗く重苦しいムードが基調だが、「鍵泥棒のメソッド」の韓国リメイク「LUCK-KEY ラッキー」で主演したユ・ヘジン(葬儀師ヨングン役)のにじみ出るおかしみが、出演しているシーンの気分を少し明るく軽くしてくれた感じがする。シリアスな役でも“陽キャ”な雰囲気を漂わす点で、日本の俳優では大泉洋あたりが立ち位置的に近いだろうか。

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高森 郁哉

5.0水木しげるへの愛

2024年12月8日
iPhoneアプリから投稿

まさに“怪作”と呼ぶにふさわしい作品。
水木しげるの大ファンであるジェヒョン監督が描き出すこの映画は、韓国史の暗部が徐々に浮き彫りになる怪談仕立ての物語。歴史の闇と怪異が重なり合う演出は独特の体験を提供します。

墓を掘り進めるたびに現れる「呪い」の正体が少しずつ明らかになる展開は、息を呑むようなスリルと知的好奇心を同時に刺激。ジェヒョン監督ならではのユニークな視点が光ります。

とはいえ、その呪いを「外来のもの」とする主張は、日本人としては少々引っかかる解釈ではありますが、それもまたこの映画が投げかける問いとして受け取ることができるでしょう。

唯一惜しいのは、後半でやや物語の勢いが失速し、134分という上映時間が少し長く感じられること。それでも、歴史と怪談を融合させた試みの斬新さは、映画ファンなら一見の価値があります。

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エライ