劇場公開日 2024年10月18日

「今の話」ジョイランド わたしの願い talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今の話

2024年10月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

すべての女・男・トランスジェンダーにとって今の話の映画。こんな国もこんな時代も「あった」んだね、では全然ない。最初から最後まで寄り添って共感できたのはムムターズだけだった。夫のハイダルは優しい人、妻を愛し大事にしていて家事をして姪たちの面倒も見て十分に家の中をまとめている。兄も父親もうざいのに何も言い返せないハイダル。情けなくて優し過ぎる人。

ビバと出会って自分の性指向がわかってオロオロするハイダルには同情した。ビバは生きる力が漲っていて強く美しい。誰だって惹かれる。だからビバにどやされて最終通告を受けた彼にも同情した。ビバとハイダルは正反対、上手くやっていける訳がない。

ヌチはうまい具合に家父長制ファミリーに合わせながら、ムムターズにもっと体の線が出る服にしろとか色々賑やか。ムムターズは居心地がいいゆったりした服のがいいと言う、メイクアップの仕事が好きだし彼女の性格なんだろう。でも最後に男達に吠えたのはヌチ。男達はきちんと言語化できない、反論できない。当たり前だ、「家父長制」だから、そうなってるから。そこで思考停止。

窓越しのプロポーズのシーンはかわいらしく悲しい。

音の使い方がユーモアあり自然の音(海の波音!)もとても良かった。映像は悲しいだけでなく笑える場面もたくさんあり、遠くから近くからの映像を共に素敵に使っていた。細部も丁寧で説明し過ぎでなくていい映画だった。

talisman
レントさんのコメント
2024年10月30日

ですよねえ。ジェンダーギャップ指数はパキスタンは146か国中145位ですが、日本も118位ですからねえ。政治家なんて爺さんばっかりだし、もっと女性を増やすべきですよね。国民の半分は女性なんだから。

レント
レントさんのコメント
2024年10月30日

ご覧になられたのですね。ハイダルが海に泳ぎだすラストシーンは自分を縛り付けるものから解放されたいという思いが象徴されていてとても印象的でした。

レント