グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価
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大胆な創造性で攻め続けるリドリー作品にはずれなし
24年ぶりの続編を製作する上では無限の選択肢があったことだろう。失敗の神は常に嬉々として手をこまねいていたはず。だが一作目と二作目とで多くの要素が対を成す構成はとても明確で潔い。メスカル演じる主人公は前作のクロウとほぼ同じ運命を辿るし、さらにクロウの役柄をメスカルと二分するかのごとく将軍役のパスカルの存在がある。その上、狂った皇帝は本作ではまさかの寡頭化。かくも「II」さながら鏡に映ったかのような反復、増幅を楽しみつつ、狙い定めたタイミングでの効果的なズレが観客の心を大いに沸かせる。さすがリドリー。大胆で抜け目ない。しかも相変わらずの光と影を駆使しダイナミックな人間絵巻を描くカラヴァッジオぶり。後半に本性を剥き出す”あの男”もすこぶる楽しいが、その中で飛び出す「私は芸術家だ」という台詞には監督自身の言霊の響きすら感じた。これはある意味、リドリーの怪物的な芸術魂を存分に覗く作品かもしれない。
子供に難しい言葉でマウントを取ろうとする大人
迫力ある戦闘シーンは健在!
デンゼル好きだけど違和感
前半は面白かった。
思っていたより1の要素を引き継いでおり思い出すのに苦労したが、重厚な世界観や迫力のある戦闘シーンなど、さすがリドリー・スコットといったところ。
特にコロッセウムで海戦を行うところは(無理があると思いつつも)楽しく見れた。
ただ後半にいくに連れて色々と粗が目立つ展開になっていってしまったのが残念。
前作で感じたような、クライマックスに向けてドキドキする感じや、結末における感動は今回は感じられなかった。
また、やはりデンゼルがノイズになってしまっていた。
デンゼルは私が最も好きな俳優の一人だが、彼のアメリカ英語や現代黒人らしい振る舞いの演技が、古代ローマの舞台では違和感が強く没入感を薄めてしまっていた。
黒人がローマ帝国の事実上トップに上り詰めるというのもさすがに・・・
1はまたいつかきっと見るだろうが、今作はもう一度見ることはないかもしれない。
闘技場での再現を観る私達って・・・
2024/12/1映画館で鑑賞後に下書きしてから随分日が経ってしまった・・・
冒頭のローマ軍の船団が侵攻するバトルシーンから物凄いスペクタクル。久々のスペクタクル映画でとても良かった。中程のコロセウムに水を張って海戦を再現、すごい見世物。それを実際にやったかのように映画の中で再現の再現をやってみせるとは恐れ入った。本当にコロセウムでこんなことやったのだろうか?と思うが、やれた気がするほどの映像。
ただ、残虐な殺し合いの見世物に映画の中のローマ市民と一緒になって楽しんでしまうのは違うかなぁと、複雑な気持ちになりました。一体どういう立場で観るべきなのかと。
偉大な父、偉大な前作には及ばず
これが見たかった
政治は今も同じ
汚名返上?
巨匠リドリー・スコットには、ナポレオンで心底ガッカリでしたが、シナリオがシンプルになれば、映像の素晴らしさが際立って、極上のエンタメ作品に。
前作の焼き直しのようなストーリーなれど、デンゼル・ワシントン演じる不敵な策士マクヌリスの存在感で最後まで飽きさせません。暴君ふたりを手玉に取るところなんぞ、痛快ピカレスクです。
でも、やっぱり主人公ルシアス(ポール・メスカル)を筆頭にグラディエーターたちの戦闘シーン、肉体美が圧巻!特に特にコロッセオを巨大プールに仕立てて、歴史的海戦を再現するなんて、ハリウッドの面目躍如⁈
妻の悲劇も悲しい親子の再会と別れも、なんだかまったく感情移入できませんが、枝葉末節と割り切って、スペクタルなエンタメを存分に楽しみませう!
ギリギリで大スクリーン上映に間に合って良かった!
迫力!
前作は観ているはずだが昔すぎて全く覚えてない。
それでも面白かった。
はじめは勧善懲悪の時代劇的なやつなんかなーと見始めて、だんだん、権謀術数うずまく政治劇なんかなー、と思ってきてたら、コロッセオの戦闘シーンで、あっ!この映画ってリアリティとかじゃないんだー、と気づいたという…。
大量の海水入れてサメ泳がせたり、海戦を再現したりとか、すごいんだけど、僕はちょっと白けたかなー。
アイデンティティの危機と乗り越え、とかなくていいの?
アイデンティティの危機と乗り越え、とかそういうものはなくてもいいのかなー。
自分がローマの皇帝の一族である事を知りながら、あえてヌミディアの民と共にローマ軍と戦ってるのだから、既に相当なアイデンティティの変容を経験してるハズ。
そこからもう一回転して、ローマの理想に目覚め直すんだから、相当な強度の試練(精神的にも)を経て自分を見つめ直す必要があると思うんだが、なんかスルスルと行っちゃう。目の前に悪き皇帝がいるのに何もせず、なんだか普通に格闘士となり(自暴自棄になったりしないの?)、将軍を殺してもあっさりスミマセンでした、という感じ。
脚本の書き方みたいな風に言うと、ぜんぜん「アーク」がない。
おそらく、ローマの夢は、アメリカの夢で、暴君から逃れ、対立を超えて、もう一度夢を取り戻そう、というのがメッセージかとは思うんだけど、伝わらないよね。言葉としては伝わるけど、スルーな感じ。
あと、今どき白塗りの狂皇帝というのもいかがなものだろうか。
これでいい
なぜ作った?
前作はアカデミー賞総なめにして大ヒット。
続編の噂は度々あったけど、主人公も皇帝も死んで続編の余地は無いと思っていただけに、製作されてハリウッドのネタ切れも末期だと思っていた。
リドリー・スコット監督も近年はつまらないし、期待はほとんど無かったけど、それでもリドリー・スコットだから観に行ってしまった。
その結果はめちゃくちゃ面白い!
まさかローマ帝国時代のコロシアムにジョーズが出るなんて、予想の斜め上を行く展開。そんなもんだから時代考証やリアルさなんて端っこに追いやられて、全てが面白さ優先。その面白さと言うのも派手なアクションや強欲、快楽、復讐といった俗的なもので、リドリー・スコットらしく人間描写は表面的で薄っぺらで、ストーリーも2世にしただけの前作の焼き直し。
うん、これが今回は良い方に転がった。これがルシアスやルッシアの葛藤を深く掘り下げて行ったら、この映画のアクション演出とは反りが合わなさそうです。
残念なのはルシアスの役者さんの魅力不足。
デンゼル・ワシントンに頭脳的で策略家のワルをやらせると最高に魅力的なので、主人公の力不足を補ってましたね。
途中で性格変わったんか
貴種流離譚を具体的に目の当たりにすると、自分を育ててくれた人たちが悉く殺される人生をよくぞここまで生きたなあ、あの妻は本当に多くのことを教えてくれたんだろうなあ(ニワトリにやさしくするとか)とか関心する。
後半から急に貴種に目覚めすぎでは?感は否めないけど、コロシアム海戦とかヘイルドンドュスとか好きなので良しとします。
前作が良すぎて
絶望より始めよ
前作予習の上鑑賞。
マキシマスの死後の世界の話。マキシマスの血を引き継ぐ主人公(ルシウス)がグリディエーターとして、妻を殺した敵や独裁的な王政に復讐する物語。
世界観は前作同様の雰囲気となっている。オープニングの土で作った絵画のような前作の回顧がおしゃれだった。前作同様家族を失った者が単身で復讐するストーリー。前作は陸での戦いがメインだったが、本作は海での戦いがメインとなっている。構成も全体的に前作を踏襲している部分が多い。前作を楽しめた方なら本作も問題なく楽しめる形となっている。
ただ1点改善するならば、ルシアスの絶望感をより強く描いたほうがいい。前作のマキシマスは王に一度背いただけで次の日には家族が惨殺され、また信頼し合っていた前王も亡くなり何も持たざるものとなった。そこからグラディエーターとしてのすべては始まった。しかし、本作の場合、その要素は弱い。アクシデント的に死ぬ妻や母の死も相手の強い悪意を感じるものではなかった。私は復讐劇を描く際に最も重要なことは、敵対するものからこれ以上ない屈辱を受けることだと考えている。
前作と比較して敵対するものが少し複雑になっているのも減点要素となる。
時を経て偉大なる前作の続編を描くことは簡単なことではないと感じた。
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