グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価
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大胆な創造性で攻め続けるリドリー作品にはずれなし
24年ぶりの続編を製作する上では無限の選択肢があったことだろう。失敗の神は常に嬉々として手をこまねいていたはず。だが一作目と二作目とで多くの要素が対を成す構成はとても明確で潔い。メスカル演じる主人公は前作のクロウとほぼ同じ運命を辿るし、さらにクロウの役柄をメスカルと二分するかのごとく将軍役のパスカルの存在がある。その上、狂った皇帝は本作ではまさかの寡頭化。かくも「II」さながら鏡に映ったかのような反復、増幅を楽しみつつ、狙い定めたタイミングでの効果的なズレが観客の心を大いに沸かせる。さすがリドリー。大胆で抜け目ない。しかも相変わらずの光と影を駆使しダイナミックな人間絵巻を描くカラヴァッジオぶり。後半に本性を剥き出す”あの男”もすこぶる楽しいが、その中で飛び出す「私は芸術家だ」という台詞には監督自身の言霊の響きすら感じた。これはある意味、リドリーの怪物的な芸術魂を存分に覗く作品かもしれない。
前情報なしで見たので、ラッセルクロウのグラディエーターのリメイクか...
Make Roman Empire Great Again そして 失われたローマの夢 これが本作のテーマであったと思いました もちろん21世紀のアメリカへの当てこすりです
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
「英雄を呼ぶ声」は原題にはなく、邦題独自のものです
とはいえ、ラストシーンを切り取った良い副題をつけたと思います
2024年11月公開
前作公開から24年目の続編です
前作は、稀に見る傑作で世界的大ヒットとなり世界的な映画賞を総なめにする程の高い評価を勝ち取りました
自分も人生の中でも屈指の大好きな作品です
とはいえ、物語は完璧に綺麗に閉じられており、そう簡単には続編を作れる余地はありませんでした
だから、これほど長い時間がかかったのです
本作は前作で12歳の少年だったルシアスが成人してからの物語です
前作から、ローマ帝国はどうなったかが描かれています
物語は良く出来ていると思います
そこは満足しました
アクションシーンも過度な期待に負けない大迫力でした
ところが、大きな満足と同時にガッカリ感も感じてしまいました
VFX の進歩で映像の解像度は上がっています
なのに、脚本の解像度は逆に粗くなってしまっており、前作と比較すると大幅に劣ってしまっています、そこが不満です
前作では、名もないローマ兵の一人一人にも、台詞もなく台詞が号令だけであっても、彼らには、兵士として長年訓練して生きてきた半生があり、マクシマス将軍と幾多の戦場で苦楽を共にしてきた様子や、信頼関係がうかがえることが脚本にありそれが生き生きと簡潔に映像化されていたものでした
その解像度が大幅に後退してしまっています
まるでカメラが何百メートルも後退したかの様です
例えば、冒頭のローマ軍の侵略シーンでは防衛側がカタパルトで燃える油壺を投射してローマ艦隊を攻撃していますが、前作でも冒頭のゲルマニアでの蛮族との野戦に於いてカタパルトは登場しており、カタパルトの準備に余念なく忙しく働く各科各級のローマ兵の様子がキチンと表現されています
本作ではそういったものは表現がなされておらず遠くから漫然と眺めているような視点になっているのです
アカシウス将軍の初登場のシーンでも、「強風だ、」と見て取って色々指示を下すのですが、本作ではそれを誰に下令しているのはかは表現されません
前作だったらこのシーンはどう撮られていただろうと考えてしまうのです
アカシウス将軍は総司令官であっても陸戦の専門で、海戦は素人のはずです
だから彼の傍らにはローマ艦隊の海戦のプロの提督がいて、アカシウスの攻撃意図を聞いてその後に続く細かい指示を提督が、さらにその後ろについている顔馴染みの古参の海軍士官に命令している様子が脚本にあってそれが映像化されていたはずです
さらにその命令が各持ち場のローマ海軍士官達に次々に伝達されてテキパキと各持ち場で実行されていく様子や それだけでなく、こうしたほうがさらに良いと思われますと意見具申している様子まであっただろうと思ってしまうのです
前作では蛮族ですらシュプレヒコールのシーンで彼らなりの組織と統率が表現されていたのに、本作ではヌミディア側の体制の描写は何もなく単に個人の集団のようなのっぺりとした描き方なのです
前作ではそうした積み重ねに加えてVFX が細かく映像を見せていたのに、本作では画角が狭くスペクタクル感が薄く感じられてしまっているのです
アップに寄った時は細部まで凄く細かいのになんかカメラが遠くにあるようで画面の中央部だけが濃密で視野の周囲は粗いのです
なので作り物、CG ぽさが残ってしまいます
音楽も前作のハンス・ジマーのような格調高く印象に残るものではなく薄ペラいと感じられてしまい残念です
前作では要所要所に取り入れられていた特殊効果の映像表現は全くなく、淡々と劇が脚本通りに進行するのみです
結果として、全体の印象としては大いに満足して、ラストシーンでは感動すらしているのにも関わらず、前作には遠く及ばない、何か巨額の予算をかけたテレビスペシャルを観せられたよう残念な印象に止まるのです
Make Roman Empire Great Again
そして
ローマの夢
そんなものはもはや失われて無いのだということ
これが本作のテーマであったと思いました
もちろん21世紀のアメリカへの当てこすりです
前作のローマはローマ帝国の絶頂期を描いていました
そして本作では、劇中でも前作からほぼ同じだけの時間が流れていてローマは荒廃し始めていると明確に描かれています
前作では清潔で塵一つない美しく都市が機能していたのに、本作では悪臭が漂い、埃ぽく、物乞いが道端に大勢いるのです
中世の暗黒時代はもうすぐそこに迫っているということです
Make America Great Again
こんなことは本作のローマの夢と同じことだ
アメリカは衰亡するだろうという予感の映画です
かってローマには名誉があったが今のローマには失われている
というような台詞がありました
今のアメリカも同じです
Strength and honor
力と名誉を
名誉がうしなわれたなら
残るのは力のみです
そして暴力は共通語だと本作の劇中の台詞にあります
本作公開から、2ヵ月後新大統領が就任しましたそして100日があっという間に過ぎさりました
ヌミディアへの侵略シーンのようなロシアのウクライナ侵攻には、ロシアの肩を持ち、そして全世界を向こうに回して関税戦争を吹きかけています
正に名誉が失われた
Strength and honor.です
共和党の大統領候補への当てこすりだけではなく、本作では黒人の元グラディエーターの皇帝のように民主党の対立候補もなんら信頼できそうもないと、デンゼル・ワシントンはオバマ元大統領に寄せているのは民主党も50歩百歩だとのメッセージだと思いました
本作の公開は正に大統領選挙の直後であったのです
どちらの大統領に決まったとしても現代のローマ帝国たるアメリカ合衆国は衰亡しつつある
世界は中世に逆行するかも知れない
それが本作の真のテーマであったと思います
ではどうしたらよいのか?
本作の終盤のようにローマの夢を実現しようとする英雄を望むしかないのか?
それこそ夢です
大統領を選ぶ我々民衆自体がコロシアムにグラディエーターの試合のような血なまぐさい見せ物を喜んで見物に集まるようなレベルにまで劣化しているのですから
「英雄を呼ぶ声」という邦題独自の副題は、そこまで考えてのことかと思いました
本当に良くできた邦題です
最後に
ルッシラ、カラカラ帝、ゲラ帝は実在の人物で概ね史実通りです
特にカラカラ帝は史上最悪の皇帝であったとされています
リドリー・スコット監督、これからも期待しています!
野望に駆られた男
世代を引き継がれた男の物語だが、主人公よりも国を乗っ取る男の野望を中心に描かれている様に感じられた。
なので主人公を魅力があまり伝わって来なかった。
ただ前作以上にこの時代の映像美は素晴らしい。
特にグラディエーターの海上戦のカメラワークは秀逸に思えた。あの競技場でのシュチュエーションはありえないんだけど。
個人的には前作より好きかも
前作の「グラディエーター」は主人公マキシマスの個人の復讐の物語だった。それが本作では、ローマという全体への復讐という形に変わったかと思う。
そういう意味ではスケールは大きくなった。
復讐の物語で主人公がグラディエーターなので基本的なプロットは同じだ。
前作でマキシマスが撫でていた麦の穂が収穫されて実になり、本作の主人公であるルシアスが撫でるシーンなど、前作から続いているかのようないくつかの演出は面白い。
それらのことから、マキシマスが生きていたらそのまま本作の主人公になったかもしれない程度に続き感は強い。
繰り返しもう一度、復讐相手を大きくして、といったところだろう。見方によっては同じことの繰り返しで退屈かもしれないし、前作がかなり前の作品なので、懐かしさも含めて懐古的に楽しめるかもしれない。その辺は人によるだろうが、前作がそんなに好きではない自分には本作のほうが面白かったようにさえ感じた。
実は観るつもりのなかった作品で、大して期待もしていなかったからかもしれないが、思ったほど悪くない。
それでも、物語のスケールに対して全体的にこぢんまりした印象はどうしてもある。尺も予算もかなり縮小された感が否めない。
前作を超えるものではないけど、面白かった。
前作を超えるものではないけど、面白かった。
前作が20数年前で、映画の設定も今回17~8年経た設定で同じ役者がやっていたりするので、連続性が感じられる。1と2で、話としても完結している。
ただ映画的な面白さは1が圧倒的で、2は、シリーズものを配信で見ているような‥。
話は今回の方が面白いと思うが、深みはなかった。
やはりラッセル・クロウの当時の魅力には敵わない。
デンゼル・ワシントンの悪役も魅力的だったが、深みがない。
映像は、リドリー・スコットらしい映像で、十分満足させる。
それに感じたのが、話の運びがリドリー・スコットらしい。その点が、リドリー・スコットの映画を見慣れているものには見やすく感じた。
見て満足度の高い映画ではあるけどね。
音楽が前作のハンズ・ジマーでなかったけど、前作のテーマ音楽が流れる。それが流れると、それだけで涙が出てくるような効果がある。まるで「007」 のテーマ音楽みたいに。ハンズ・ジマーはすごいね。
迫力ある大画面でどうぞ
いいけど!
う〜ん前作の焼き回しなの、コレ?
マ王、ゲームの世界から無事に帰還して(一狩り行くあの有名ゲーム)本来の映画人生に戻って参りました🎉
さて戻って早速が「ウィキッド」だったので快調なスタートを切れたんだが、では2発目は?、となると中々越えてくる映画が無い💦
んで白羽の矢を立てたのが本作「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」であった✨
前作のラッセル・クロウ主演「グラディエーター」はマ王的にはまぁまぁそこそこ楽しめた😊
剣闘士という世界を見事に映像化した前作は迫力もあったしある程度は史実に基づいて作ってた気がする👍
本作も当時のコロシアムでは模擬海戦も行っていたというのを再現して映像に溶かし込んでいました🌟
ん〜、しかし新しさが全くない🌀
物語を三つ巴の構成にしている点だけで登場人物の粗方は死ぬしだな、R15ってワリには雑なギミックだしだな😑
まるで前作の別ヴァージョンみたいな映画にしか思えない😫
監督のリドリー・スコットも御歳88歳🫤
巨匠なのかもだけど「エイリアン」「ブレードランナー」「ブラック・レイン」の頃の感覚は鈍ってきていると思うのよ🤔
「ブレードランナー 2049」の時もそうだったけど態々続編を作る理由がよく解らんのよね😐
あと「エイリアン」のシリーズもちゃんと着地を用意してるのかマ王は不安になってるし😅
老いると過去を振り返る事が増える👴
昔の自分を賞賛してくれた思い出に縋りたいのもあるのかもしれないが、クリエーターとしての道を選んだ時点で時代の流れに淘汰される覚悟も必要なんだと思うのよ、マ王は🥸
第一線で死ぬまで走り続ける方もいるけど、そういうのは稀であり人間てのは何れは衰えるようになってるのさ←斯く言うマ王も病気で退いた
マ王の勤めてる病院でも75歳くらいを境に急速に老いてしまった方々が多く入院している。
反面、マ王んトコの叔父さんみたいに86歳になっても原付乗り回してアクティブに動き回りアチコチで自分より年上を面倒見ているような方もいたりする。
認知症なんて微塵も無いし何ならマ王より記憶力はイイ。
老いとは不思議なシステムで生き物としてなら別段衰えを表に見せなくても問題無いハズなのよ(老いが判明すると自然界では襲われる可能性が高まる)
なのに人間は内面よりも表面としての老いが顕著に現れ(白髪、皺、禿、肥満化、認知症症状)それに伴い社会からはリタイアへと追い込まれたり促されたりする(多くの老政治家だけ抗う)
そんなマ王もいよいよ老いが身体を蝕み始めてきた。
だからこそ、誰よりも前に出るより一歩下がって全体を見る余裕がほしいかなと。
本作は正直に言うなら面白くない⤵️
似た映画は山程あるし前作を越えてもいない😵💫
リドリー・スコット監督は勇退を考えなきゃならないターニングポイントにいるような気がするのはマ王だけか?
映画館での鑑賞オススメ度★★☆☆☆
次の「エイリアン」シリーズで監督は廃業度★★★★☆
でもまだ何か期待しているマ王度★★★★★
タイトルなし(ネタバレ)
1点を付けている人が多く、期待感0で視聴。
良い意味で裏切られた。個人的だが、1は素晴らしいもちろん良かった。
でもでもでも~ やっぱりハッピーエンドではないけど、スッキリ終わりたいと
思ってました。悲しい感じで終わるのは嫌いじゃないけどⅡも同じように
志半ばで終わるのかとドキドキでしたが、細かい部分気にしなければ
これはこれでありだと思う。戦闘シーンも楽しかった。馬鹿になって観れば
泣ける。
二番煎じではあるが、ガレー船を出すなど工夫は感じられた…
一作目が大好きでブルーレイも持っているくらいなので、封切りで観ることはためらわれた。大画面で観た方がよかったかもしれない。まぁ、一作目も最初に観た時は「ベン・ハー」から宗教色を抜いたストーリーじゃないかと憤慨したものだが… 今回そのガレー船が出てきて、やっぱり元ネタはそうなのでは?ど確信した。その頃いろいろな作品に出ていたラッセル・クロウがこの作品では飛び抜けてかっこよかったし、声もすてきだったのでだんだん惚れていった。二作目はだいたい同じような流れで話は進んでいくが、細かなところで違いはあった。コニー・ニールセン、デレク・ジャコビなどが引き続き出演してくれてよかった。ルシウスは子役が変わっていたのは仕方ないが、残念だった。ポール・メスカルはがんばっていたが、いかんせんラッセル・クロウが感じさせてくれたカリスマ性には欠けていた。デンゼル・ワシントンはオリバー・リードとはまた違った奴隷商人を嬉々として演じていた。史劇の大作として、観る価値は大いにあると思う。それにしても、リドリー・スコット監督は処女作「デュエリスト/決闘者」以来本当に決闘が好きなんだなと改めて思った。
子供に難しい言葉でマウントを取ろうとする大人
迫力ある戦闘シーンは健在!
デンゼル好きだけど違和感
前半は面白かった。
思っていたより1の要素を引き継いでおり思い出すのに苦労したが、重厚な世界観や迫力のある戦闘シーンなど、さすがリドリー・スコットといったところ。
特にコロッセウムで海戦を行うところは(無理があると思いつつも)楽しく見れた。
ただ後半にいくに連れて色々と粗が目立つ展開になっていってしまったのが残念。
前作で感じたような、クライマックスに向けてドキドキする感じや、結末における感動は今回は感じられなかった。
また、やはりデンゼルがノイズになってしまっていた。
デンゼルは私が最も好きな俳優の一人だが、彼のアメリカ英語や現代黒人らしい振る舞いの演技が、古代ローマの舞台では違和感が強く没入感を薄めてしまっていた。
黒人がローマ帝国の事実上トップに上り詰めるというのもさすがに・・・
1はまたいつかきっと見るだろうが、今作はもう一度見ることはないかもしれない。
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