沖縄久高島のイラブー

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劇場公開日:

沖縄久高島のイラブー

解説

沖縄の離島・久高島のイラブー(エラブウミヘビ)漁およびその燻製(くんせい)づくりの様子を記録したドキュメンタリー。久高島の祭礼「イザイホー」の記録映画「沖縄久高島のイザイホー」を手がけた岡田一男監督が、1978年に行われたイザイホーの祭礼の際に並行して撮影していた貴重な映像をもとに製作した。

琉球王国の時代、イラブーは神々からの贈り物と考えられ、久高島の人々は獲ったイラブーを燻製にし、首里の王府に献上してきた。琉球王国が消滅した後も久高島のイラブー漁は続けられ、同じく久高島に残ったイザイホーの祭礼とともに、伝統文化として残されてきた。しかし、12年に一度行われていたイザイホーが後継者不足などにより1978年を最後に中断すると、イザイホーと密接な関連のあったイラブー漁と燻製づくりも一度途絶えてしまう。

近年になり久高島の人々の努力によってイラブー漁と燻製づくりは復活しているが、本作には伝統が一度途切れる以前の、1978年のイラブー漁と燻製づくりの貴重な様子が収められており、1978年暮れのイザイホーとともに撮影された映像を高画質デジタル化。さらに2023年秋に新たに撮影した、存命関係者の証言やイラブー復活当時の証言、イラブーづくりの現況と祭祀復活への島民の努力などの様子を収めた映像を加え、過去の伝統を後世に伝えながら、現在そして未来を見据えていく。「沖縄久高島のイザイホー」に続き、草野仁がナレーションを担当。

2024年製作/102分/日本
配給:文化財映像研究会、東京シネマ新社
劇場公開日:2024年8月2日

スタッフ・キャスト

監督
撮影
谷口常也
草間道則
ドローン撮影
西口晋一
音声
上江洲佑弥
古謝竜市
宮里健太郎
棚原克次
録音
鈴木利之
中井雄介
整音
柳田敬太
EED
佐々木専
カラーグレーディング
佐々木専
DCP制作
唐津正樹
ナレーター
草野仁
方言字幕
三島まき
字幕
岡田仁奈
制作デスク
岡田仁奈
デザイン協力
佐藤賢太郎
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フォトギャラリー

映画レビュー

結局は、「食べてみたい~」

2024年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 沖縄本島の東約5キロに位置する久高島は、琉球王朝時代には神の訪れる島として神聖な地位にありました。12年に一度、島の女性を新しく神女として迎える「イザイホー」は長らく島内だけの秘祭とされて来ましたが、20世紀後半になって漸く開かれ映画『イザイホウ』としても記録されました。しかし、祭りを代々伝えて来た人々が次々と亡くなり、1978年を最後に伝統は途絶えてしまいました。その祭祀と密接に関わっていたのが、嘗ては琉球王朝に献上され宮廷料理となっていたイラブ―(イラブウミヘビ)の燻製でした。久高島は沖縄でもイラブ―の生息数が非常に多い海域で、これを採捕し、燻製にするのも島の高い地位にある人に限られていたのですが、イザイホウの衰退と共にこの伝統も途絶えたのだそうです。本作は、このイラブ―漁、燻製化、そしてそれらを支えた人々、イザイホウとの関り、及びその伝統を復活させようとした人々を追ったドキュメンタリーです。

 いやぁ、ウミヘビがそんな高級食材になるなんて全く知りませんでした。そして、その生き物としての生態・燻製化の複雑な工程は非常に興味深いものでした。更に、一番興味あるのが「それをどうして料理するの?」「それで美味しいの?」と言う事ですが、その点についても詳しい紹介がありました。でも、う~ん、見た目だけでは味が全く想像もできない~。もどかしい~。

 と、いじましい思いに身悶えしていましたが、島の人々にとっては島の暮らしと神と深い深い所で結び付いた僕には想像もつかないものなのでしょう。

 上映後に、このイラブ―の燻製の実物を見せて頂きました。手に持つと思ったより重く、燻製の深い香りがしました。これで一つ1万2千円なのだそうです。ひぇ~、好奇心だけではとても買えない~。どんな味がするんだぁ~。

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