「胡蝶しのぶと猗窩座(あかざ)の活躍」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
胡蝶しのぶと猗窩座(あかざ)の活躍
映画館という大舞台で無限城というギミックある忍者屋敷のような世界の中でそれぞれの色とりどりな剣技を披露しあう。敵味方関係なく共感できるバックグラウンドを持った者たちが決死の覚悟でぶつかり合う。その躍動に見惚れる。その映像表現は墨絵や日本の屋敷、宗教文化等、日本の古き文化をエレメントとして表現してくれていることが嬉しい。今作中で活躍した人物の中でも、特に胡蝶しのぶには可哀想という気持ちがありながらも逃げ場が無い中で自分の姉を思い、相性の悪い敵にも最後まで全力を尽くす姿には共感による没入感だけでなく、視聴者である自らの体たらくを顧みざるを得ない感覚に至る。無限列車編でも思ったが、鬼滅の刃は比較的残虐な描写はあるが子供に対して見本となるような人間の生き様を示す良い作品だと思う。
ufotableの映像表現と声優たちの凄まじい演技力によりより見栄えと迫力のある映像エンタメに仕上げている作品として世界がクールジャパン、アニメ文化の傑作として受け入れるにふさわしい作品だと覆う。
追記として、日本の漫画・アニメ作品とwebtoon(韓国・中国新興の漫画作品)と比較した時、日本の作品にあってwebtoonに無いものとして、作者が訴えたいテーマというものがあると思う。そのテーマを描くにおいて登場人物達は苦難や葛藤をする。そのためには各登場人物のバックグラウンドを描かなければならないと思う。それがwebtoonではテーマが無い為、表面的な感情論、欲求レベルのものしか描かれないものが多い(それでも面白いものもあるしテーマがあるものもあると思う)が、日本の作品ではテーマを描く為に表面的な感情や欲求の奥にある家族愛や自己犠牲を根拠となるバックグラウンドを示して描く。鬼滅の刃については敵も含めてバックグラウンドを比較的冗長にならずに上手く表現することができていると思う。
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