「次回作に期待!!その可能性はまだある」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 じじいさんの映画レビュー(感想・評価)
次回作に期待!!その可能性はまだある
雪がちらつくファーストカット、前作同様墓場から始まる。前作ではまだ歩くことができていた親分は病床にふけっており、時の経過はしっかり表現されていた。
と思うと、何の説明もなく主人公たちが落ちていくシーンに移りタイトルバックで物語スタート。お!?と期待が膨らんだ。
おもしろかったのはここまで。
落ちる行為に対して上がる(登る)という行為がほとんど描かれていない。落ちた先で皆往々にして横へ進むことしかしない。前作でもそうだったように、この映画はどうも横移動で物語を進める傾向があるように見受けられる。本来チャンバラというのは縦動作を基本としていることから考えれば、物語を縦に進める方が見やすいのではないかと思う。前作も列車を降りてからの横移動がなくなった物語は見れたものじゃなかった。まあ明らかに日本刀ではないような武器もあり、彼らの殺陣を見れば上記は当てはまらないのかもしれないが…。(物語をどのような動線で進めるかは作り手側にあり、前作よりは進歩したようにも見受けられるので、次作は登ることで物語を進めるような展開を期待する)
このような違和感が随所に散りばめられており、おもしろくなりそうな雰囲気を作りて側が感じ取れていない。
モノローグの多さもその一つ。主人公が飛ばされて倒れ込む。起き上がった際に「戦闘中に気絶していた」とのモノローグが入ったときには情けなくなった。原作漫画は静止画だからそれでも許容されるが、映像作品にするなら時の経過は映像でちゃんと見せないといけない。仲間の負傷具合やなんかで時の経過を描くのはそこまで難しくないはず。主人公の覚醒の瞬間もダラダラモノローグで語らせるのはどうにかしないと。戦闘の刹那を引き延ばす表現自体は良いと思うし、原作になんらかのお約束があり、それを踏襲しているのかもしれないが、もっと受け手を信用して削ぎ落としていかないと映像にする意味がない。
また、闇堕ち?する鬼たちの成仏のし方も自己解決がメインであり、じゃあ何で闘ってんの?みたいな感覚が私のような原作未読の観客は思うところである。であるならばいっそ削ぎ落としてしまったほうが、全体の尺もスリムになり、気持ち良いエンタメとして見れたんじゃないかな。
あの格闘家の鬼の生い立ちを描くことが重要なのは好意的に見て理解はできるが、そのせいで物語の進行が緩くなってしまうのは見ていて辛い。そう言えば、扇で戦う鬼にやられた女剣士の姉ちゃんとのやり取りもグダッとしている。
結局、作り手の原作に忠実に描くという真摯な姿勢が作品のテンポを悪くし、どこか観客を突き放してしまっている雰囲気を感じてしまった。
というのが、原作未読の感想。
じゃあ原作読め、とは決してならない。
もっと広く観客に開かれ、老若男女が同じ方向を見て、空間を共にするのが映画だから。
テレビアニメの延長ではない。という受け手の強い想いをどうか作りて側は感じ取ってほしい。先に上げた違和感を少しでもなくす努力をするよう切に願う。その期待を込めて次作もちゃんと見ます。
なお、この映画を原作ファンはどう見ているのか気になる。
できれば、手厳しく批評してくれていればと願う。
興行収入も300億辺りは視野に入ってきたとみるが、入場者特典欲しさに5回も6回も見に行ったあげくのそんな数字には何の意味もない(別の映画ではあるが、灰原哀を100億の女に、みたいなムーブメントはいらない)。ファンではない層を取り込んで、前作のような社会現象となるように、今度は作品の質を上げるような動きを期待したい。ファンの方々は作り手をしっかり育て上げてください。
鴨猫さん
貴殿のレビューも拝見しました。
テンポが星2つと評にあるように、原作ファンの方々の中にも一定数今作の重大な問題点を提起されているところに次作への期待を感じます。手放しにべた褒めするのではなく、しっかりファンが評価して、より良い映画になることを望みます。
私の駄文にまで目を通して頂きまして誠に恐縮しております。(オマケは勿論冗談ですが)原作ファンと称して第三者も読む事が出来る、ある意味公共の場であの様なコメントを発する者がいる事は困ったものだと思いますね。
原作ファンですがレビュー主さんの仰ること、とても良くわかります。
漫画の良さと映画の良さは別物と考えているので原作再現はしつつ、映画向けの再構成をして欲しかったというのがファンから見たフラットな感想です。
この漫画は原作者の台詞回しに個性があり、そこが魅力ではあるのですが漫画で読んでいたら違和感のない台詞でも映像になった途端に二重説明のようになってしまうためそうした部分はショートカットして欲しかったと思いますね。無限列車編は少なくともそうした再編成は今作よりも丁寧に行われておりましたので、無限列車編より優れていると思うのは映像技術だけで他は無限列車編のほうに軍配が上がると私は感じています。
takaさん
貴殿のレビュー拝読しました。
原作に忠実にしたが為に映画としておもしろくない(takaさん言うところの映画の体をなしていない)、だから原作ファン以外は期待しないほうが良いというご意見は理解しました。
ちょっと極端にも感じましたが、あなたのような熱い原作ファンが最後に残念と記載しているという事は、かすかに映画としてもライトユーザーを納得させてほしいという期待があるように見受けられました。仲間内で楽しむだけの作品にならないようにファンの方々が作品を育ててくれるように、原作未見の映画ファンとして改めて期待します。
原作を先に読んでいる者としては、原作を忠実に映像化しようとしている事は良く分かるのです。問題はそれが映像作品としての質の向上に寄与していないという事ですね。なんでもかんでもセリフで言ってしまうのも原作のマンガがそうなっているからです。「映画」としての質が次作で改良される見込みは限りなく低いでしょうね、残念ながら。
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