「【鑑賞感想追記】TVを映画館で見ると思って見るべき。」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 ぱぴえるさんの映画レビュー(感想・評価)
【鑑賞感想追記】TVを映画館で見ると思って見るべき。
これは映画ではなく、TVシリーズの正当な続編なので、初見さんお断りの作品。
初見さんはまずTVシリーズを1話から見てから来て下さい。
無限列車編は完全初見でも通用したようだが、今回は違う。むしろネタバレになってしまう為、鬼滅の刃を見た事がない人は来ないで下さい!と強く引き止めたい。
映画を見る前にシーズン1くらいは見て下さい。
(恐らく一期を見たら続きが気になってその後も一気に見るでしょう)
鬼滅の刃の一期目が気に入らなかったら二期もこの映画も見る必要はありません。
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このサイトでは1つの映画につき1アカ1感想しか書けないようなのでこちらに追加で感想を書き込みます。めちゃくちゃ長文ですみません。
⚠️↓映画鑑賞後の感想↓⚠️
3日目に鑑賞。一期の放映からずっと毎月鬼滅アニメを繰り返し視聴しつづけていて、原作は未読だが大まかなあらすじやオチは知っています。
【全体的なムーヴメントについて】
今回の映画は無限列車編と違って"映画"というスタイルではなく、TV版の予定だった無限城編第一章をそのまま繋ぎ155分にまとめた、総集編のようなもの。
これは中抜きのTV局を省き、「原作者、出版社、アニメ制作会社、スポンサー」で直接収益を分け合うというスタイル。TV局に頼らなくても映画館から直接収入を得るのだ!っていう新時代到来を感じた。
宣伝やグッズ制作などTV局が仲介にいないメリットがかなり多いと思う。
その為に、映画制作と同時にグッズ制作も大量に行われた。過去のアニメ作品でここまで大規模なプロジェクトは見たことがない。
ジブリ系ですらもやったことが無い、日本初の新しい売り方。そして成功したと思う。
動員数も前回の無限列車編とNetflixなど配信サイトでの視聴数から大体の予測がついていたと思うので公開から一週間は映画館を全ジャックする勢いでシアターの占拠が出来た。これ自体普通の映画では無理。前回の無限列車編で確固たるファン層を獲得している鬼滅だからこそ出来た事。
映画館側もコロナ禍での無限列車編の経験から必ず大ヒットを確信して無限城編第一章公開日に合わせ大規模な工事をして、公開と同時に全国各地でIMAXシアター、4Dシアターの完成お披露目をした。
そして同時多発するコンビニや銭湯やレストランとのコラボ。仕掛け花火のように次から次へと順番に乱発していき、飽きさせない工夫。
2週間おきに入場特典も変えてリピーターへのご褒美無料配布。駅から映画館までの道のりも商店街とのコラボで壁画がずらり。コラボカフェも各地で開催。
いやはや、お見事!こんなデカい祭り見たこと無いです。
このピタゴラスイッチのような展開はとても感動しました。是非、裏方さん達の活躍を「仕事の流儀」や「プロジェクトX」で見てみたいと思ったくらいです。本当にプロデュースや営業が上手かったと思いますね。
しかもこれ、今回は日本だけではなく世界規模ですからね。各国それぞれ別の無料配布&番宣&コラボ。ジブリでもここまではやってない。サブスク配信の波に乗った鬼滅だからこそ出来た技です。
この企画に参加できた方々が羨ましい。
歴史に残る大仕事だったと思います。まだ第一章なので今後もまだまだあと5年は続くと思いますが頑張って下さい。応援します。
【映画館シアター選択】
IMAXを選択してしまい少し後悔した。予告編の音が鼓膜に突き刺さる。耳が敏感な自分には厳しいと思った。が、本編始まるとそこまで大音量ということも無く、戦闘シーンでも耳は無事でした。身体に響く地響きがすごくてお腹にビリビリとくる。TDLの室内アトラクションを体験しているようでした。
【導入部について】
内容はTV版の総集編のつもりで見に行ったものの、柱稽古編のラスト、無限城に落ちるシーンを
あれだけ引っ張った割には着地後は「スンッ」となってしまった。炭治郎と義勇のコメディ?とか無しで緊張感を持って進めて欲しかったな…と思う。
【無限城背景について】
無限すぎて驚いた。力入れ過ぎ。インターステラーですらそこまでやらんよ、と思ってふと疑問に思う…あの地平線?の光は…何?一期終盤のパワハラ会議の時の無限城は何処へ…?
私のイメージはラピュタの飛行石ブロックが上下左右に動いてるようなイメージだったので光の地平線がある事に驚いた。
猗窩座vs義勇戦での背景に滝があったのは素晴らしいと思った。童磨部屋でも流水が見たかったなぁ。
【戦闘シーン】
ちょっと少ないかな…
個人的に思う鬼滅の感動パターンは
①小競り合い
②敵の大技を食らい不利な状況
③仲間の回想、からの仲間の協力
④敵の必殺技で味方大ダメージ
⑤炭治郎回想、からの大技発動
⑥大一番ド派手に首切る所を3カメで抜いて決め
⑦敵又は味方の死に際の過去回想
⑧炭治郎の感想でおわり。
なのですが、今回は⑥が無かったので少々味気無かった。代わりに猗窩座の自害が入りましたが…、正直あのシーンはもっとドラマチックに演出して欲しかったなぁ…。猗窩座もボロカスに泣いて欲しかった。
今回は猗窩座主役と言っても良いレベルなので、炭治郎の大技が無い分、猗窩座の自害をもっとクライマックス感出して、そのままエンディングソングに繋げて恋雪との思い出水彩イラストを出し、最後は花火で締めても良かったと思う。
エンディングソングは恋雪と猗窩座の歌で泣ける歌にして欲しかった。
猗窩座の自害でホロリと来てる時に激しいロック曲は…うーん。猗窩座専用の曲作っても良かったんじゃないかな。
ちなみに、私は猗窩座が嫌いなので全く猗窩座の回想では泣けなかったですが、猗窩座主役の回である事は確かなのでそんくらいやっても良かったんじゃないかなと思いました。やるなら突き抜けろ、という感じで。
【胡蝶姉妹】
猗窩座主役だから仕方ないとはいえ、あんだけ柱稽古編で引っ張っておきながら…こんなすぐ退場??って拍子抜けしました。原作通りなのだろうけども、もう少し感情移入させて欲しかった。
カナエさんの回想も、もう少しあっても良かったと思う。
回想シーンが多いとか長いとか言う人もいるけど、上手くやればそんなに気にならないはずなのです。要はアニメに集中させる手数と技量が無かっただけなのでは…と思う。(この辺りで「背景に時間取られたのかな?」と思い始めました)
原作に忠実過ぎてセリフも短いのだから、そこは演技と演出でバトルシーンを盛り上げないとアニメの意味が無い。格ゲーみたいなワンパターンの戦闘シーンはちょっとがっかり。
童磨も童磨で想像以上に動かなくてがっかり。
半天狗の喜怒哀楽達の方がよほど動きと絶望感があり怖かった。
しかし、童磨戦はvsカナヲ&猪之助が本番だと思うので次回に期待してます!きっと氷キラキラでグルグル動く技を沢山見れるでしょう。
【善逸vs獪岳】
いや正直今回の映画で一番"鬼滅らしかった"戦闘シーンはここですね。ここに到達してやっと「あっ、鬼滅見てるんだった」と思えましたね。
BGM、セリフ、映像、演出、どれもが"いつもの鬼滅"でした。
初めて雷の呼吸全技が見れたのでめちゃくちゃ興奮しました!獪岳の技の色味もカッコよかったし善逸の回想で獪岳が鬼殺隊にいた事など新事実を知れたし善逸目線での鬼殺隊の裏側?が見れたのも良かった。
時間配分的にしのぶvs童磨戦と同じかちょい短い位のはずだと思いますが、善逸vs獪岳戦は体感5分程度しか無いように感じました。
上手くやれば、時間なんてあっという間だ!短い!と感じるものなんですよね。
【透明の世界】
今回一番興奮したのがここ。炭治郎の回想でお父さんが出て来たシーン。死ぬ10日前に熊倒す?!とか、透明の世界?!?!って初情報だらけで大興奮しましたね。お父さんの戦闘シーン、初めて見たけどめちゃくちゃカッコよかったし!
熊倒す時の構えが水の呼吸壱の型に似た構えでぐっと来ました。(鱗滝さんが手鬼を倒した技)
正直、炭治郎の父は病弱なので戦えず、ただ祖先からの伝承を炭治郎という強キャラに伝える為だけのNPC的存在だと思っていましたが、ここにきて一気に「鱗滝より強いのでは?!」と思うようになり、ぐっと興味が湧きました。
恐らく私、このシーンだけ前のめりで見ていたと思います。めちゃくちゃ興奮しました。
善逸戦と炭治郎父の回想シーン、この2つはいつもの私が好きな鬼滅アニメでした。
透明な世界習得後の炭治郎が大技を繰り出して終わりかと思っていたら猗窩座がゾンビ化して…やっと楽しみにしていた猗窩座の回想!来るー!ってワクワクしていたのですが…
……なぜか全く心が動きませんでした。
以下、感情移入出来なかった原因。
狛治の性格。ヤングケアラーなのにカッとなりやすく暴力的、利己的という矛盾。正反対の性格過ぎてこんな矛盾した人間いるの?と疑問。
金が必要なのに真面目に働かないし。真面目に働きながらスリもしていた、なら納得出来たかも。
もうしょっぱなから、ここでひっかかってしまい、その先の話も全く同情できなかった。
素流の師匠も、なぜそこまで妬まれるのか?67人もの男が集まって噂話を信じて毒を盛る程の恨みとは???にわかに信じがたい。
それらの裏付けの映像が無くてナレーションのみで済まされたのも謎。
全ての設定が雑すぎて中々感情移入出来ず。
うーん…?と思っていたらカッとなり67名皆殺し。まぁそこは鬼の素質有りって事で納得しましたが、いかんせん狛治時代の話のフックが弱い。
もっと悲惨な過去を想像していたからかな〜?狛治が利己的すぎて自業自得感が否めない。
ただただ、カッとなりやすい田舎ヤンキーDV男が中卒で結婚しました、という話に見えてしまって心は覚めきってしまいました。
でも、これは原作がそうなってるんだろうから仕方ないと思うし、周りは皆そろって号泣したそうだから納得出来ないのは私だけみたいなので、単純に話の設定とキャラが私好みではないってだけだと思う。
猗窩座の過去が一番のクライマックスという事は事実として理解しているので、アニオリでもっと盛り上げて欲しかったな、というのがアニメとして残念だった点かな〜。
特に打ち上げ花火のシーンなんか過去の日本のエンタメで散々作られて来たんだから思いっきりドラマチックに描いて欲しかった。
炭治郎のキメシーン無いんだからここでCG360°カメラワーク使わなくてどうすんの!って思いましたね。
その後は上の方に書いた通り、恋雪と狛治の歌で閉めて欲しかったな、という感想です。
【総括】
まぁまぁな感じでした。お話の途中なんだし、つまらなかったわけでもないし…かと言って期待値は超えなかった。猗窩座大嫌いだし。
なので、点数は2.5です。
三部作の導入部ですからね、まだこれからだと思っています。
黒死牟編に一番期待しているので、第三章はもっと良い出来になってトータルで第一章も含めて「無限城編良かったよね!」と思いたい。
一期の19話、遊郭編、無限列車編などを超えてくれる事を期待してます。
もう鬼滅は日本だけではなく世界のアニメ界を牽引するビッグコンテンツになってしまいましたので、失敗が許されない。その責任はとんでも無く大きくて、私達視聴者には到底想像出来ないレベルのプレッシャーでしょう。
でも、アニメ界の大きな転換点、特異点を作り出す大仕事に関われる事は素直に羨ましいです。
次回も皆さん頑張って欲しいです!
ラグエルさんへ
コメントありがとうです
まさに、私がその猗窩座の話にぴくりとも心が動かなかった人、です。
原作勢が泣ける泣ける、とにかく泣ける、と言うので期待していたのですが、全く泣けないどころか共感も出来無かったです。
冷えきった気持ちで映画館を出ました。
恐らく原作は素晴らしい表現で描かれているんじゃないかな?と思いますが、アニメは原作の良さを活かせてなかったんじゃないでしょうか。
mitsuさんへ
コメントありがとうですー
色々と疑問があるのですが、たぶん猗窩座の境遇が上っ面だけの事実の説明に終始していて猗窩座の心情変化や実は真の善人だった、として描いてないからかな?と思いました。ヤンキー漫画の主人公みたいな話だな…と思うのですが、私はそのヤンキー漫画が苦手なのでこの猗窩座の話も共感出来なかったのかも?です。
まだもう1〜2回映画を見に行ってその辺りを再確認したいと思います。
初めまして、こんにちは!自分も妓夫太郎&堕姫の回想シーンでギャン泣きした1人です、沢城みゆきさんの嗚咽を思い出すたびに涙が出るくらいです
自分も原作未読でユーチューブで
最低限の情報だけいれてアニメを楽しむスタイルを取っています
同じような猗窩座の回想シーンで何故入り込めなかったのか?自分ももう一度見て検証しようと思っていますので同じ考えの方がいて嬉しく思いました。
完全初見で見に行ったらつまんなかった!というコメントを見てしまい、注意書きとして書きました。
映画好きとしてはやはり"映画"としてのまとまりを期待して見に行く方が居るのはわかるんですが、今回の映画はTVシリーズの後半なので無限列車編と同じノリで一つの作品としてみたら相当"酷い映画"という印象になると思ったので…。
また、初見で見に行った人にも"予習しなかったからな〜"と反省を促したい気持ちもあります。
確かに、今回はこれまでの振り返りもほぼ無くいきなり本編からでしたね。
ドラえもんの長編を観る感覚で来る人も中にはいるでしょうから、猗窩座が出てきても何の感情もわかない人もいたのかなあ…
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