劇場公開日 2002年3月30日

「トム・サイズモアになりたい四半世紀」ブラックホーク・ダウン HIRAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0トム・サイズモアになりたい四半世紀

2024年3月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

公開時は20代前半で、毎年1回は観ている
映画だけど、全然色褪せない名作だと思う。

兎に角人生酸いも甘いも経験してきて
感情移入しまくり。
この映画での戦況を仕事に置き換えて観て
しまう。
若い時はジョシュ・ハートネットや
オーランド・ブルームより視点だったのに
会社生活を経ていい歳になってきた昨今、
最高にカッコいいのはトム・サイズモアだ。

もちろんエリック・バナやウィリアム・フィ
クナーなのどエリートデルタチームはめちゃ
かっこいいが、自分にはなれないと分かって
いる年齢なので、こんなやつに付いていきたい
と思えるトム・サイズモアの中佐役が渋くて
カッコいい。なんなら規則規則の小言が多い
レンジャーのジェイソン・アイザックスもいいw
(彼はハリー・ポッターの悪役が有名かもしれない
けど自分のなかでは永遠にこの大尉役がベスト
なのでロン毛金髪は違和感でしかないw)
中年になって分かることが多い映画だが、
人を怒るにも気力と愛情が必用で、彼のような
平時は疎まれるが緊急時にこそしかってもらい
たい。後半の戦況ではあの大尉にむしろ母性
すら感じる不思議。

中間管理職世代の悲哀にぶっ刺ささり、
社畜養成所出身世代の自分からしたら、
投影できるヒーローは漢トム・サイズモアだ。
この映画以上にトムに憧れる映画は他にない。
(悪役顔だからね)
若い時は「何でこんな仕事を自分が」と常に
思っていたが、すべての人に役割があり
誰もが何かの歯車であることを感じるこの頃、
上にも下にも挟まれ感情をどこかに落としてきて
死んだ魚の目をしているが、自分の仕事を淡々と
めげずに遂行するトム中佐を目指して自分も
冷静に自分の仕事を頑張りたいと思えた。

HIRA