SONG OF EARTH ソング・オブ・アース

劇場公開日:

SONG OF EARTH ソング・オブ・アース

解説

ノルウェーの山岳地帯で大自然の中に生きる老夫婦の姿を、その娘であるドキュメンタリー作家マルグレート・オリンがとらえたドキュメンタリー。

美しい大自然に囲まれたノルウェー西部の山岳地帯オルデダーレンに暮らす、84歳のヨルゲン・ミクローエンと妻マグンヒルド。彼らの娘で「もしも建物が話せたら」などのドキュメンタリー作品で知られるマルグレート・オリン監督は、両親の姿をカメラに収めるべく帰郷する。ヨルゲンはこの国で最も美しい渓谷と呼ばれる場所に娘を案内しながら、自身の生い立ちや最愛の妻への思い、そしてこの土地で自然とともに生きてきた何世代にもわたる人々の人生について静かに語る。

季節ごとに異なる表情を見せる自然の風景をドローンや最新の撮影機材を駆使しながら圧倒的な映像美で映し出し、シンプルで豊かに生きる両親の姿を通して、人生の意味や生と死について探究していく。「ベルリン・天使の詩」などの巨匠ヴィム・ヴェンダースとノルウェーを代表する名優リブ・ウルマンが製作総指揮に名を連ねる。

2023年製作/94分/G/ノルウェー
原題または英題:Fedrelandet
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2024年9月20日

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映画レビュー

4.0壮大な風景のポツンと一軒家

2024年12月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とてつもない規模の氷河、氷の張った湖、優美な山々、そこにたたずむ老人。すべての絵が美しい。美しい自然のなかで踊る老夫婦。1年間を映し出す、何も起きないドキュメンタリー。亡くなった父親のことや自分の今後を考えさせられた。アクションやSFなどのドンパチが好きな私だが、たまにはこんな映画を映画館で、初めての地元のミニシアターで見たのはすごく良かった。

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ケンジ

4.0「本厚木で」

2024年11月2日
iPhoneアプリから投稿

知的

今年256本目。 神奈川の本厚木、あつぎのえいがかんkikiへ。新宿まで行って新宿から小田急線急行で50分。 作品は滝が荘厳過ぎて脳が驚き。人生で一番の滝の映像。2歳まで一週間に一回毎回義足を替えていた。2歳で退院。義足でも歩き続けた。人間どこへでも行ける。 こう言う旅は予定して行く物じゃない。突然行ける。人生の価値をとても高めてくれる旅。自分も今日は近かったかな。前日カレンダーにお昼3:30とだけ書いて今日急に行けた。ちょっとした冒険でした。

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ヨッシー

3.0ノルウェイには自然環境の厳しい国というイメージがあります。そこで暮らす老夫婦の姿と山岳地帯の映像を通して何を感じるかは観る側の感性次第と言われている気がします。

2024年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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もりのいぶき

3.0環境を語るべきか否かの悩ましさ

2024年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

幸せ

 ノルウェーのフィヨルドの超大自然の絶景を春夏秋冬を通じて描く。構造は老いた両親を訪ねた娘がその有り様をカメラに収める趣向。とにかく圧倒的な景観が主にドローンを活用してダイナミックに画面に描かれる。タイトルが「ソング」とあるように大自然の「音」を精緻に拾い上げ、まるで大地が歌っているかのよう。  氷点下20℃30℃の冬、物皆凍っているけれど、氷の軋む音が鼓動のように命を感じさせる。春は雪解け水があちらこちらから湧き出、フィヨルドのとんでもない高低差ゆえの水の流れの響きが春の訪れを喜ぶように。夏は草花も虫たちも氷河さえも勢いよく水を放出し、激しい水音が響き渡り、夏を謳歌する。そして短い夏も終わり、木々が黄色に染まり冬支度を呼びかける。  背の高い老人は生まれつき足に問題を抱えていながら、ストックを両手にかなり険しい岩場の山を「ハイキング」と称して歩き回る。その彼を画面の中央に据えることで、広大な自然を一段と大きく捉えることが出来る仕組み。彼の美しい奥さんも登場し、上品なリビングの様子も収められる。その2人の馴れ初めから、彼の両親、さらに祖父母にまで話は及び、人々の営みの継承が自然の移り変わりに組み込まれていることを匂わせ、なんと人間のちっぽけなことよ、を思い知る。彼は84歳と称し、ほとんどが彼のモノローグで語られる。  とはいえ、彼の仕事なり村の様相なりはまるで判らない。当然に永久凍土の氷河も年々縮小の事実には触れられるけれど、それ以上の環境問題には触れない。その辺りが潔いのも確かで、ひたすら驚くべき自然の造形を堪能すればいい作品でしょう。祖父の植えた杉の木の巨大さをドローンが舐めるように写し取り、ラスト近くにはこの老人自身も新たな杉を植樹するシーンが、美しい。  けれど、ドローンの前進撮影の多用に正直飽きもきます。お話があるわけでもなく、途中に昔の大規模地滑りの悲劇も当時の写真を使って語られるものの、単調なのは否めない。しかも自然の音のはずなのに結構効果音を多用しているのも少々違和感あります。数多の湖の水面の色が何故乳白なブルーなのかも気になるし、老人の生活感がまるでないのも、映画を薄っぺらいものにしてしまっている。もしドローンがなかったら、本作の製作はあり得ない程に、その撮影に負い過ぎている浅さが露呈。  著名監督であるヴィム・ヴェンダースと昔ベルイマン映画で活躍しハリウッドにも進出した大女優リヴ・ウルマンの制作とか。この顔ぶれにイギリスのBBCも絡んでいるのなら、フィヨルドからの問題提起として環境問題を上手く取り入れる事だって出来たのに、もったいない。ナショナルジオグラフィックのテレビ番組で十分な内容です。

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クニオ