ゆきてかへらぬのレビュー・感想・評価
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2本のつっかえ棒
大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会い、
2人は徐々にひかれあい、一緒に暮らしはじめる。
その後、東京に引越した2人の家を、中原の友人小林秀雄が訪れる。
小林は詩人としての中原の才能を誰よりも認めており、
中原も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。
やがて小林は泰子の魅力と女優としての才能に気づき、
後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。
といったあらすじ。
これ実在の人物がモデル、そして実話なんですね。
観終わってから、調べて知りました。
中原中也は昭和初期を代表する詩人の1人、
小林秀雄は文芸評論家で、日本の近代批評を確立した人物とか。
そんな2人の偉人から愛された女性が長谷川泰子。
大正から昭和初期の雰囲気を再現しつつ、三人の不思議な関係を
描いていたのだが・・・
天才のはずの中原中也、ぱっとしないなぁ。
こんな感じの方だったのですかねぇ。
詳しくはわからないですけど。
おまけに国語の教科書で名前を見たような気はするけど、
さっぱり覚えていません笑
演じられた木戸大聖さん、ごめんなさい笑
長谷川泰子を演じた広瀬すずちゃん、すっかり大人の女性ですね。
「ちゃん」ではなく「さん」ですね。
ファンなので結構映画見させていただいているけど、どんどん良くなりますね。
小林秀雄を演じた岡田将生さん、たぶんこういう繊細で論理的な人だったんだな、
と思わせてくれる素晴らしい演技。
まあ、すずちゃんと岡田さんが好きなので、観に行こうと思ったぐらいなので。
ゆきてかえらぬ・・・
後戻りすることのない様子や、その様子を追いかけるさまを表す言葉だそうです。
2人の偉人に愛され、支えられた泰子の「2本のつっかえ棒」という言葉が
まさに三人の関係を表していました。
地味な内容のストーリーでした。 女優・長谷川泰子と詩人・中原中也と...
レトロ好き
秀雄にメロメロパンチ
詩人と評論家と女優、もうこれだけですごいドラマが生まれそう。
それぞれがパワーワード過ぎて、一人だけでも充分なエピソードが出てきそうな所、かける3なのでとにかくなんか濃い。
色々濃い。笑。
実際の彼がどうだったのかはわからないけど、映画の中に限って言えば小林秀雄がカッコ良すぎる。
私は岡田将生氏が大好きなので、9割り増しなこともあったかもしれないが、かなりのメロメロパンチを喰らったわっ!
クールで知的なイメージが岡田将生氏本人と被ってるのもあるけど、小林秀雄氏が輝いてみえたわよ。病み散らかす泰子にも穏やかで優しく対応できる猛獣使いっぷりも、ライバルでありつ天才だと認めてもいる中原中也との関係の変化諸々後にも彼を大切に扱う紳士な対応も。
そりゃ好きになるよ。
仕方ないじゃん、カッコいいんだから。
すずちゃんは和装でも洋装でも女をやっていても女優をやっていても歌っても踊っても叫んでても美しくて、本当に美✨
美しさに目が行くけど、喋る?セリフの?なんて言ったらいいんだろう、感情の表現を言葉を通して表現するの上手いなーと思う。
あと今まで観た作品の中で、一番私の中でのイメージに近かったかも。
あと再現度の高さに度肝を抜かれた中原中也役の木戸大聖君。
なかなかあの帽子が似合う人はいないわよ。
繊細で死にたがりな坊ちゃん。
ついつい仕方ないなあと思ってしまう、お姉さん心をくすぐるかわゆい年下男子を上手く演じてたと思う。
それから世界観がとても素敵だったわ。
泰子の衣装はどれもこれも可愛かったし、秀雄の家の窓が素敵で出てくるたびに見惚れてしまった。
携帯電話もPCもなかった時代は、なんか相手との距離感も、距離の取り方も違う気がする。泰子の激しさも、中也の坊ちゃまが許される生き方も、秀雄のスマートなふるまいも、現代でやったらまた違う感じになるんだろな。
面白かったし、何よりこの時代そのものにちょっと憧れてしまった。
木戸大聖を観る作品
大正時代の京都で、20歳の女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会った。2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめた。その後、京都で唯一の友人だった富永が治療のため東京に戻ったため、中也達も東京に引越し、2人の家を小林秀雄が訪れた。小林は詩人として中也の才能を認めていて、中也も小林の適切なコメントに敬意を払っていた。2人の仲の良い様を目の当たりにした泰子は、彼ら2人の世界に入れない寂しさを感じていた。その後、小林は泰子の魅力と女優としての才能に惚れて、中也から泰子を奪い・・・さてどうなる、という話。
長谷川泰子役の広瀬すずは美しかったし、魔性の女としてエロさもあり良かった。
だが、なんといっても、中原中也を演じた木戸大聖が素晴らしかった。彼のことを今まで知らなかったが、小林秀雄役の岡田将生より光ってたと思う。
天才詩人・中原中也とはこんな人だったのだろう、と思わせる、引き込まれるような木戸大聖の演技が素晴らしかった。
彼を観るための作品と感じた。
セリフ回しが鼻につくが中盤の広瀬すずの演技は必見
久しぶりに映画に引き込まれた
出だしこそ芝居臭さが感じられたが、テンポが良いので、それも演出のうちのように自然に物語の中に引き込まれた。登場人物たちの危うさと潔さが若さからなのか大正~昭和初期という時代だからなのか、それともそれぞれの才能と自負によるものなのか、観ていてとても面白かった。演者も良い。たかだか百年なのに暮らしの変化には驚かされる。このような丁寧な作りこみをされた映画を観る楽しみを思い出した。観ている途中で「良い映画だなぁ!」なんて思ったのは本当に久しぶりのことだった。鑑賞後の感情とテーマ曲が切なくなるくらいマッチしていた。
原作には忠実
内容は盛っておらず、長谷川泰子の口述筆記による原作「ゆきてかへらぬ 中原中也との愛」の内容を壊さぬ様に、結構忠実に作られた映画と思われました。逆に言うと盛っていない分、エンタメ性はかなり低めで、エンタメを期待して観にいく人に向いていないでしょう。
長谷川泰子、中原中也、小林秀雄の奇妙な三角関係を、長谷川泰子を通して見る世界観で紡がれています。
一人の天才詩人と一人の稀代の評論家の間を生きる大部屋女優の半生が描かれており、中也や小林秀雄が好きな人間には楽しめる内容と言って良いでしょう。とはいえ目新しいエピソードは全く含んでいないので、詳しい人にとっては、改めて3人のエピソードを懐古する程度の内容です。
幻惑的な世界観◎役者さんの演技◎
大正浪漫を舞台にした作品ということですが、美術が兎に角すごいです。街並みから小道具に至るまで微に入り細に入り本物のようでした。主人公を演じた3人の役者さんたちの演技は大変すばらしく、「私たちは神経と神経でつながっていましたの…」という長谷川のセリフが言い表すように、ガラスの如く繊細で今にも壊れそうな人間の心を見事に体現していたと思います。岡田さん広瀬さんはすでにベテランの域に達してらっしゃるのでさすがといった感じでしたが、中原中也の繊細かつ粗暴な内面をナチュラルに体現していた木戸さんの演技も大変素晴らしかったですね。
根岸吉太郎監督は「キャバレー日記」や「遠雷」といった多くの名作を世に送り出してきた方ですので、一度はリアルタイムで新作を見たいと思っていました。また脚本を担当された田中陽造さんは、鈴木清純や相米慎二などの名匠たちのもとで、非常に幻惑的で独自の世界観を打ち出した作品を書かれてきた方です。ですので、稀代の名匠と脚本家のコラボレーションという意味においても、非常に期待値の高い作品でした。劇場で見ることができとても嬉しかったです。
タバコとマントが恋をした。
かつて、山口市にある中原中也記念館を訪れた時、中也の泰子にたいする愛に涙した。小林との三角関係をどう受け入れていたのか、中也なりの瘦せ我慢を感じたからだった。同時に、中也と小林の心を弄んだ(が正しいのか?)泰子の実像は、ファムファタルなのかむしろ犠牲者なのか興味を持っていた。
広瀬すずの危うさが泰子とシンクロしてた。岡田将生は安定。中也役の若手木戸大聖、青臭さがよくでていてよかった。
過日の記念館訪問時のメモを探してみた。″彼の言葉を我が身の内に落とし込んでじっくり噛み締めると、とてつもなく胸が苦しくなってくる"と書いていた。そしてさらに"泰子を奪った小林秀雄との、終生変わらぬ関係は、まるでJ・ハリスンとE・クラプトンのようだよ。 悲しみからしか文学が生まれないのだとしたら、不幸ではないか?"とも。中也が後世の我々に残したものは大きいが、中也自身、自分の人生をあれで良しと思えたのか。幸せと思えたのか。
これぞ『大正浪漫』『一流文芸』
重い物質感
うーん...
男優たちは青いが、全カット美しい
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