本心のレビュー・感想・評価
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質は高い作品でした
今の時代を反映させたような、一生懸命考えました!っていうような─。だから質は高かったし、気合い入れた感じもありましたけど、正直、あんまり・・・といった感じでした。
そもそも世界観はこの現代を背景にしたものなんでしょうけど、なーんか全部ウソっぽくて、リアルな感じがせず・・・そもそもの設定がアバターをメインに据えたものだからウソっぽく見えるのは当然なんでしょうけど、リアルなんとかっていうものとか犯罪とか生活感に至るまで、全くリアルなものを感じることができず・・・全て虚構の物語を見ました、という率直な感想です。現実の近未来見越したかのような物語でしたが、絶対こうはならないだろうなぁと思ったりも─。
演出も・・・、どうなんだろう、名優が独自の個性を生かした誠実な演技をこなしていたとは思えましたけど、個々のパフォーマンスにしか見えず、全く感情移入できず・・・。悲哀に満ちていて、何度も涙を見せられましたが全く悲しむことなどできず・・・そもそも、ゴーグルつけてあんだけ涙を流すと、物理的な支障が生じるような気がするのですが・・・まぁ眼鏡を日常的に使用している者にとっては、グラスでのバーチャルリアリティなど全くリアルには思えませんので。
とってつけたような悪の道へ誘う知り合いっていうのも、なんかなぁー、痛すぎるなぁー、っていう・・・
品質の良い映画をという気持ちは最高なんですけど、内容があまりにも・・・ってな感じです。
あなたの本心は?
自由死で亡くなった母とVF(バーチャルフィギュア)で再会することになる溶接工勤務の石川朔也の話。
生前母から最後の電話で「大切な話をしたい」と言われた夜、氾濫する川に身投げした母、…を助けようとした朔也だったが、気づいたら1年後の病院のベッドの上だったが…。
1年昏睡状態、目が覚めたら変わり果てた世界で、母の死は自由死?認可?自由死を選択し国から出る手当て?と変わった世界観のなかで進むストーリーで。
リアルアバターとかウーバーの更に進化版!?の様な要素も少し感じつつ、で、三吉彩花さんは1字違いで何でそのままの名前?何て思いながらも横からのサービスショットはありがとう♡とてもキレイな…。
生前では母との会話を忙しいとか、面倒でスルーしてたものの、VF母に想いを伝えられたラストには少し涙で、変わった世界観で進むストーリーで飽きずに観れた。
原作は案ですが本質はキープ
本心の原作は読んでおり、映画化されること、海のはじまりで演技力を見せつけられた池松壮亮主演とのことで鑑賞。
やはり演技力、細かい感情の変化が上手い。ストーリーは原作は案にしたのかなというくらい結構違います。映画にするにはやむを得ないかな。でも原作の本質はキープしているのはすごいです。
仲野太賀や綾野剛、妻夫木聡の登場はかなり少なかったですし、窪田正孝は気づかず…。好きな俳優さんたちなので少し残念。
不愉快になりたければどうぞ
2年後の荒廃した日本を描く作品。
隅田川(?)沿いには高層マンションが立ち並び生気の無い若者たちがたむろしている。
主人公はVF(バーチャルフィギュア)で自殺した母を復活させて自分はリアルアバターとして客から要求された通りの事をする仕事をしている。
老衰した男性客からの依頼でお寺さんや夕日のきれいな海岸線を見に行く辺りまでは良かった。
しかし若い男(連中)からの依頼で病院見舞いをするためにスーツを着て見舞い品をコロコロ替えられて走り回らせてるのを見ていて気分が悪くなった。
別のリアルアバターが人が死ぬのを見たいからとバットで仲間を殴り殺すシーンもあった。超高級レストランで紳士淑女の中で従業員からも白い目で見られてステーキや最高級の赤ワインを飲まされるのもつらいだろう。
高校時分に好きだった女の子に似た女性が母の友人で台風被害で避難所暮らししてるので自分の家に呼び生活を共にする。
暮らしていくうちにお互いを知り好意をもつのだが主人公は…
パッとしない映画が平気な人以外にはおすすめできない作品。
池松壮亮は相変わらずの大根。
妻夫木聡の演技は素晴らしい。何をやらせてもその役になりきるのはさすが。
誰の本心か
AIで作ったVFの母親が話すことは誰の本心なのか。
本心を知るということは知りたくなかったことも知るということ。
果たして、自分自身は本心をさらけ出すことなどできているのだろうか。
近未来の話。今以上に世代間、経済格差での分断は進んでいる。
別にV F世界の母親との話ではない。
リアル世界の人間関係の話。
池松壮亮始め、俳優陣の安定した演技、映像も良かった。
そして平野啓一郎の原作、改めて良かった。
ラストの解釈は色々分かれそうだが、見たいように見るのも正しい見方なのかもしれません
2024.11.8 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(122分、G)
原作は平野啓一郎の同名小説
AIによって自死した母を蘇らせようとする青年を描いたヒューマンミステリー&恋愛映画
監督&脚本は石井裕也
物語の舞台は、都内某所
母・秋子(田中裕子)と二人で暮らしている朔也(池松壮亮)は、幼馴染の岸谷(水上恒司)と一緒に工場で働いていた
ロボットアームの出現などで仕事が無くなる時代が近づいていたが、朔也はそんな時代の変化を気にせずに生きてきた
ある日のこと、母から「大切な話がある」と言われた朔也は、岸谷との飲み会を優先してしまう
そして、その帰り道に、増水した川岸で母親を見つけた
危ないと思って駆け寄っても間に合わず、母の姿はどこにもなかった
さらに自身も車に轢かれてしまい、昏睡状態に陥ってしまうのであった
映画は、その1年後に朔也が目覚めるところから動き出す
警察から母は自由死を選んだと言われ、さらに時代はあっという間に進んでいて、VRが当たり前の世の中になっていた
工場は閉鎖され、いつの間にか解雇されていた朔也は、岸谷の誘いにてリアルアバターをすることになった
そして、その仕事が軌道に乗った頃、朔也は岸谷からある人物を紹介される
それがVFを開発している野崎(妻夫木聡)だったのである
映画は、前半はSFミステリーっぽさで「AIは本当に人の心を作れるのか」という流れになっていたが、後半は一転して朔也が彩花に本心を見せるかというラブロマンスになっていた
映画の主題が「本心」なので、その流れになるのは理解できるが、映画の予告編だと後半の流れは読みにくい
母親の本心を探るうちに、本心を探られる側になっていく面白さはあるものの、それに早めに気づけないとあまりノレない感じになっていた
鑑賞後に振り返ると物語の構造が見えてくるものの、初見直後は何の話だったのかよくわからない感じになっていた
AIが学習した人の心というのは、対人から紡ぎ出したもので、それを本心とは呼ばない
逆に本心を知ろうとすればするほどにその正体が見えなくなっていくもので、他人に見せている360度が浮き彫りになるだけなのだと思う
結局のところ、相手の本心とは周囲の人が見たいように見ているものであり、そこに映っている自分が本物かどうかを本人は気にしない
むしろ、自分自身の装飾がうまくいっているかの確認作業のようなもので、見られたい自分を演じられているかの確認作業になっている
それは全ての対人において為されているので、多くの対人情報を集めたところで、当人の本心はますます深みに隠れていってしまうのである
面白い設定ではあるものの、それが有効に生かされているのかは何とも言えない部分があった
個人的には、昏睡している間に見ている朔也の夢もしくは、そこで死んでしまった朔也を母親がAIとして蘇らせようと考えていた、という2段階のオチがあると思っていた
それは、リアルアバターをする前の段階にて、車に轢かれたネズミが変化していなかったからであり、あの時の朔也はゴーグルをしていなかった
と考えると、朔也を俯瞰している人物がいることになり、それは母親である可能性が非常に高いと言える
母親は自由死を選んだのではなく、野良猫を探しにきたことがわかるのだが、母親が死んだと聞かされただけで、実際の死の瞬間が映っていなかった
母親が言いたかったことを聞かせる前に先に朔也が死んでしまい、それをVFの世界の中で達成しようと考えていて、そして青春期の事件の起因となった由紀(宮下咲)への想いが消えていないことも知ることになった
由紀の情報は岸谷から拾い上げた情報で、それらを組み合わせたものが映画全体となっているとなれば、ある程度の辻褄は合うのかな、と感じた
いずれにせよ、ラストには朔也の手を取る彩花の腕が映っていて、彩花が去った映像は何らかのフェイクであることがわかる
その意図がいまいち不明瞭だが、打ち明けたのが本心でないことに気づいた彩花が戻ってきたのかもしれない
この辺りは想像の範囲になると思うのだが、彩花としては、朔也の過去が全て完結した状態で新たな人生を歩みたいと考えたのではないだろうか
朔也が母から「大切な話」を聞くことで終わりになると言えるので、その瞬間が来るように、彩花はあえて姿を消し、そして全てが終わった段階で、再び彼の元を訪れたのだと感じた
最初から面白かった
最終の技術って凄いねー。VF使ってみたくなった、ファンタジーのようだけどこれはリアルミステリー映画です。
池松さんに田中裕子さん、暗くて面白い映画の代表格、やっぱり当たりでした。
お母さんの本心は結局なんだったんでしょう。
あの真実は自由死ではなかったんだろうか。
それにしても自由死なんてものも最新ですね。
あったらいいような、でも絶対あっちゃダメなような。
難しい話しです。
面白かった。
余談
何度見ても池松さんは大竹しのぶさんに見える。
私だけだろうか。
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