「人生は不可思議なもの」本心 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は不可思議なもの
母の生前の「本心」を、母の「バーチャルフイギア」で知るという設定にどうも違和感を覚えた。
それは原作を読んでた時から感じていていたことだ。
この世には、知らなくてもいいことがたくさんある。
知らなかったことで、思い出に意味が出ることも多々ある。
私も亡き母が、そのときどう思っていたかを知りたい出来事はいくらでもある。
だが、それを知りえなかったことで、かえって母への愛情は尽きることはない。
真実を知りえなかったこそ、母はいつまでも美しい思い出だ。
AIはなんでも望みをかなえてくれる。とうてい不可能なことも可能にしてくれる。
しかし、そこには、「人生は不可思議なもの」というフレーズが完全に抜け落ちている。
ベールに包まれたものが実は美しい。その感情はいつまでも忘れたくない。
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