「ラブストーリー」本心 hiroさんの映画レビュー(感想・評価)
ラブストーリー
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近未来の日本を舞台二したSF。
この作品は、格差社会やAIによる恐怖、そして心とは何かと問いかけてくる。だが、この映画の本筋は朔也と彩花のラブストーリーである。
秋子の自由死の理由を知るために、VF(バーチャルフィギア)を作る。その過程で、秋子の友達であった彩花と出会う。家を探している彩花を朔也は自宅へ招き入れる。
その後は二人とVFの3人での生活が展開される。
過去の心の傷から朔也にも、触れることが出来ない彩花。その彩花を気遣い、手を触れずにダンスをするシーンは朔也の彩花に対する気持ちが表れていた。
だが、イフィーのリアルアバターとなり、彩花が好きだという願いを受け入れた朔也と、朔也の期待に応えようとする彩花。二人の歯車が少しずつ崩れていく。
役者陣は、三好彩花役を三吉彩花が演じたことで、SF感、バーチャルさが作品に増したと感じている。演技も心揺れ動く様を見事に演じている。そして、田中裕子。笑顔なのに淡々と話す、本心の見えにくい役を演じさせたらこの人に適う人はいない。
ラストでは、母親の本心を知りたいと願った、朔也が彩花に対して本心を隠す。空に伸ばした手に触れた彩花の手は2人の本心を表していたのではないか。
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