花束

劇場公開日:2025年1月25日

解説・あらすじ

俳優・タレントとして幅広く活動するサヘル・ローズが監督を務め、様々な感情や思いを抱きながら児童養護施設で育った若者たちの姿を、ドキュメンタリーとフィクションとドラマを融合させて描いた実験的映画。

児童養護施設で育った8人の青少年たち。一見するとごく普通の青少年と変わらない彼らだが、それぞれが幼少期や思春期に、普通とは言い難い体験をしている。彼らが児童養護施設で過ごした記憶をたどると、彼ら自身にも忘れがたい瞬間がある。その忘れがたい瞬間をカメラの前で彼ら自身が演じることで、彼らが生きてきた痕跡をたどり、記憶の断片を表現する。その姿を通して、現代の日本が抱える大きな闇、その犠牲になっている子どもたち、その当事者である彼らが見つめる一筋の光などを明らかにしていく。

主人公である8人は実際に児童養護施設で育った、いずれも役者ではない普通の若者たち。そのほか、オーストラリア出身のバイオリニスト、ボーカリストなど音楽家として活躍するサラ・オレインや、プライベートで短期の里親制度に参加し、児童養護施設の子どもたちとも交流のある名優・佐藤浩市が出演。岩井俊二がエグゼクティブプロデューサー、「LUNA SEA」のSUGIZOが音楽を担当。

2024年製作/94分/G/日本
配給:映画「花束」スタッフ
劇場公開日:2025年1月25日

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映画レビュー

4.0色眼鏡抜きで彼らと向き合っていこう

2025年7月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

児童養護施設で育った8人の若者たちへのインタビューと、彼らが施設にいた当時の楽しかった思い出や願っていた想いを映像化した寸劇を組み合わせて淡々と描いていく。

彼らが話すのは第三者からすると壮絶とも言える内容なのだが、話す表情は実に明るく、とても前向きに人生を受け入れているように見える。

それが心の底からの彼らの気持ちなのか、あるいはカメラの前で無理やりにでも頑張って明るく振る舞っていたのかは、そこからはわからない。

しかし、ここまでの人生の道のりで、自分自身を肯定し、自らを鼓舞しなければならなかったことは紛れもない事実であったに違いない。

全編モノクロなのは、サヘル・ローズ監督によれば、彼らの話に色をつけるのは不適切だと判断したからだそうだ。差別意識や偏見といった色眼鏡をかけずに彼らと真正面から向き合うことの大切さを痛感する。

インタビューを受けた30歳くらいの彼らの人生はここで終わるわけではない。この先も施設出身者というレッテルを貼られ、世間の偏見や差別と闘いながら生きていかなくてはならない。しかも、DVやニグレクト、虐待などに苦しみ、この8人と同じ、あるいはそれよりひどい状況に置かれている子どもたちは、この国だけで10万人にも達するという。

子どもたちの悲劇を引き起こす背景には経済格差や国籍の問題もある。

現実をしっかりと知り、子どもたちが生きづらさを感じない社会を築くことが必要だろう。そのために、監督がアフタートークで述べていた「子どもたちが幸せになるためには、まず大人たちが幸せになる必要がある」ということばがその重みを増す。

排外的な言動をしたり、そんな言動に共感する人々の多くは日常に不満を抱え、その捌け口に弱い立場のスケープゴートを探していることが多い。しかし、DEIという考えの根本は誰しもが「ささやかな幸せ」を感じられる社会の実現を目指したいということごあったはずだ。

自分には選択権を持たない子どもにこそ、どんな背景を持とうが無関係に、幸せを追求させてあげたい。

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Tofu

1.0ドキュメンタリーとノンフィクションとドラマを融合

2025年4月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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ねこたま

4.5『大きな家』その他の既存施設取材作品との違い

2025年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

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てつ

3.0映像がキレイ

2025年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

評価がよかったので鑑賞
映画館が暖かく…少しウトウト状態で…
出演者8人が施設で育った理由や生い立ちを
自分に言葉で話していく
無戸籍や虐待など様々な理由で施設で育ったようだが
言われなければきっとわからない普通の人たち
愛情に飢えていることは良くわかった
その合間合間に芝居というか劇のようなシーン
実験映画とあるので実験なんだろう素人芝居
映画なのか映画でないのか
海岸のシーンはとてもキレイ
みんなでジャンプしている写真目当てに観たんだけど
それは最後だけ、思い出に撮ったのかなぁ

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かちかち

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