ナイトサイレン 呪縛

劇場公開日:

ナイトサイレン 呪縛

解説

チェコスロバキア出身の新鋭テレザ・ヌボトバ監督が、20年前に少女失踪事件が起きた村を舞台に、現代の魔女狩りを描いたホラー。

人里離れた村で暮らす姉妹シャロータとタマラは、母親の虐待から逃れるため入り込んだ森の中で、恐ろしい事故に遭ってしまう。20年後、消息を絶っていたシャロータは、ある出来事をきっかけに村に帰ってくるが、彼女を受け入れる者はいない。夏至祭が近づくなか、過去のトラウマと対峙するシャロータに対して村人たちは疑念を募らせていき、やがて彼女を魔女と疑って迫害するようになる。

「プリンセス:ルーパー」のナタリア・ジェルマーニが主演を務め、「アウシュヴィッツ・レポート」のノエル・ツツォルが共演。2022年・第75回ロカルノ国際映画祭で最高賞にあたる金豹賞、シッチェス映画祭2022で最優秀長編ヨーロッパ映画賞を受賞した。

2022年製作/109分/PG12/スロバキア・チェコ合作
原題または英題:Svetlonoc
配給:OSOREZONE、エクストリーム
劇場公開日:2024年8月2日

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(C)BFILM s.r.o., moloko film s.r.o., Rozhlas a televizia Slovenska 2022

映画レビュー

3.0フォークホラーとは?

2024年12月8日
iPhoneアプリから投稿

チェコスロバキアの作品で、フォークホラーという聞き慣れない言葉に期待しながら鑑賞した訳だが、これは非常に好みの分かれそうな作品だった。調べると"フォーク"の訳は「伝承」という意味だったのだが、古くからの言い伝えや伝説を強く信じる、山深い田舎が舞台の作品であり、一度その村から脱出した主人公が相続手続きで戻った所から始まる物語となる。時代は変われど隔絶された様な田舎町には近年の常識は通用せず、すぐに広まる噂、定着した男尊女卑の世界、これらが後味悪く全体に絡んでくるのである。それに加えて主人公の亡き母は魔女と恐れられており、村人の目線は初めから冷たいのである。不吉な事が起きると悪魔や魔女のせいにし、年重の人間から若者まで主人公を「魔女だ!」と追い詰めるシーンは非常に狭苦しい思いになる。要所要所を丁寧に描く構成の為、この様なシーンは見ていてかなりそう感じさせる。
魔女狩りもそうだが、一家の父は乱暴であり、女性を物のように扱うコンプライアンス違反一直線の風習も、一見異なる様に見えて実は同じ要因であるという事をこの時代の世俗を交えて描いたのだろう。
作品としてもかなり挑戦的な部分があり、後半の全裸の女性が悪魔への寵愛の如く艶らしいダンスをするシーンがあるのだが、蛍光色の照明を活用した演出には唸らされた。また、チェコの自然豊かな風景に癒され、それを活用したシーンも多々登場し、終始ちらつく土着の不気味な風習や言い伝えを徐々に明らかにしていくのである。絵的なセンスもそうだが、一気に世界観に吸い込まれる様な作風は中々魅力的である。だが、一方で時系列がめちゃくちゃだったり、シーンとして繋がっていない様に感じる描写の数々など、どうも釈然としない部分も多く、少々受け付けるのに手間取る様に思えた。アリ・アスター監督の「ミッドサマー」と近しい怖さもあるが、あちらの方が不気味で恐ろしく、そもそも本作をホラーの枠組みで捉えて良いのかも分からない。何とも不思議な作品であり、掴めるようで掴めない感覚が消えること無くエンドロールとなってしまった。じっくり考えたい時にいい映画かも知れない。

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Mina

2.5悪くは無いですが・・・

2024年9月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

ちょっとだらだら感が残念な所です
話を無理くり膨らまして作った感じで
迷走してる時間が苦痛でした

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nami

2.0清めの塩

2024年8月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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なつ

4.0現代に対する強烈な怒りと危機感。

2024年8月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

現代のスロバキアが舞台の田舎サスペンス(?)です。
まだ子供の頃に母親の暴力から逃げ出した主人公が相続の知らせを受けて約20年ぶりに故郷に帰る事で巻き込まれる胸くそ悪い事件と大切な再会の物語でした。
本当にスロバキアの田舎ってこんな場所なのか?って疑問には意味が無いと思います、車も以外と多いしスマホもある村で中世の魔女狩りの様な事件が起きてしまう事にこそこの映画の意味があったのだろうと感じました。
宗教を振りかざし自らに疑問を持たず他者を攻撃する男性優位社会、女性を蔑視し子供を虐待し異民族(余所者)を排斥する現代の世界(当然日本もですね)に対する怒りの映画だと強く感じました。(蛇に魂なんて無い!、ジプシーみたいに汚ならしい!クルド人全員犯罪者!見たいな感じですか?)
ストーリーも素晴らしく、特に後半の事件では、もうあの野郎に対する怒りでクラクラする程でしたし、あの二人には助かって欲しいと本気で願いました。
ラストも素晴らしかった!本当に良かったと胸を撫でおろしました。
観て多少考え方が成長できた映画かな?

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春

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