ポライト・ソサエティのレビュー・感想・評価
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ひと粒で2度、いや3度おいしい
既に多くの人々によって消費され尽くしているジャンルやテーマであっても、何かと何かを掛け合わせることで、全く新しい価値が生まれることもあるーーーと頭では理解できても、その”何か”を見つけるのは難しい。しかしパキスタン系イギリス人、ニダ・マンズール監督が放つ本作は、やや既視感はありつつも、かつてのジェーン・オースティン的な状況を現代英国に生きるムスリム一家の女性たちの身に置き換えたかのような、新たな時代の声をヴィヴィッドに伝える良作に仕上がった。その抑圧と新風の起爆剤となるのが主人公の抱える「スタント仕事に就きたい!」というたぎる様な願望、渇望、希求に他ならない。この青春映画お決まりの足元がしっかりしているので、意外なほど息切れせず、最後まで魅力が落ちない。アクションやカンフー面に過度な期待しすぎるとやや物足りなさが残るものの、軽い気持ちで臨む分には目と心を十分に沸き立たせてくれる一作である。
ムスリム女性の異議申し立てをアクション青春ミステリーコメディとして描く!
結婚してしまう姉に取り残された気になるムスリムの女子高生の葛藤を、学園コメディとアクションとインド映画風味と陰謀論に満ちたミステリーを織り交ぜて描くという、ハチャメチャなアプローチがピンとくるかこないかで評価が分かれそうだが、ムスリム女性が日常で感じる抑圧を、どこまでムチャに破天荒に描けるかという監督のチャレンジ精神がサイコーだし、実際に全編に遊びココロが詰まっていて、落ち着きがないけれど楽しい。そして「私は怒りの化身」というセリフに象徴されているように、ムスリム女性の怒りが根底にあって、筆者は男性ながらもっとやれ、ぶちのめせ!って思ってしまう。まあ、ぶちのめすのもぶちのめされるのもだいたい女性なんだけど、おしなべて女性が暴れまわってるのも清々しい痛快さがありました。
脚本に課題ありだが、今後が楽しみなパキスタン系イギリス人の新鋭監督
本作で長編監督デビューを飾ったニダ・マンズールは1990年生まれなので、現在は33か34歳か。パキスタン系イスラム教徒の家庭に生まれ、10歳の時にロンドンに移住したというから、自筆の脚本には十代の頃の実体験も反映されただろう。本作の前には短編映画とテレビドラマでキャリアを積んだようだ。
スタントウーマンを目指してカンフーの修行に励む女子高生リアが、大好きな姉と富豪の息子サリムとの縁談には何やら邪悪な陰謀があると考え、親友たちを巻き込んで富豪親子の秘密を暴こうと奮闘する青春アクションコメディ。話のテンポはまあまあ良く、リアのなかなか決まらない跳び後ろ回し蹴り?を中心にアクションもそれなりに見せるし、笑いのセンスもややベタだが悪くない。
残念ながら脚本にはところどころ難があって、まず前半の姉の縁談に対するリアの疑念が、いまいち観客に共有されない点。サリムと母親の親密ぶりは確かに過剰ではあるけれど、確証もないまま秘密を探るため犯罪行為を重ねる(男性更衣室に忍び込んでPCを盗み中身を見る、富豪の屋敷に不法侵入など)あたりは、愛する姉を取られたくないがゆえの妹の暴走に見えてしまい共感しづらい(ついでに、日頃リアは姉にあれこれ求めるばかりなので、姉に何かお返しをするような普段のエピソードもほしかった)。また、ある時点でリアは屋敷内のある場所で秘密の一端をつかむのだが、そこに入った後脱出したことをサリムと母が知りながら、何ら対抗策を打たないままのんきに結婚式を迎えるのも、リア側にとって都合が良すぎる。脚本をもう少し工夫すれば、主人公への共感度とストーリーの納得感が高まっただろう。
マンズール監督は、映画の道を志すずっと前の幼い頃はミュージシャンになりたかったそうで、サウンドトラックのレトロ寄りの選曲センスにも音楽好きがうかがえる。あるシーンで唐突に浅川マキの『ちっちゃな時から』が流れて思わず笑ってしまったが、鑑賞後に調べたら、2015年にイギリスのレーベルから浅川マキの独自企画盤(『ちっちゃな時から』はスタジオとライブの2バージョン収録)がリリースされ、欧州で静かに人気が再燃していたとか。
インド/パキスタン系イギリス人の女性映画監督といえば、大先輩のグリンダ・チャーダ(「ベッカムに恋して」「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」など)がいる。欧米で暮らすアジア系が主人公の映画はまだまだ少ないという点からも、マンズール監督にはその境遇と経験を活かした意欲作を今後も期待したい。
怒りの権化で夢を諦めるな!
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』や『モンキーマン』など、アジアン・テイストの斬新アクションに近年気を吐く作品が続く。
本作もそのジャンルだが、テイストがだいぶ違う。ぶっ飛んだ設定でもなければKO級アクションでもない。
青春×ガールズ・パワー×カンフー×ボリウッド(的要素)で、ゴキゲンなエンターテイメント!
パキスタン系イギリス人のムスリム家庭に生まれ、家族とロンドンで暮らす高校生のリア。
将来の夢はスタントウーマン。憧れの存在のスタントウーマン目指し、空手やカンフーの訓練に勤しむ。
が、そんな彼女を周囲は理解してくれない。同級生にはからかわれ、教師からは問題児扱い。両親からも、バカげた夢見てるんじゃない。
唯一の理解者は、姉のリーナ。姉は画家志望。
画家とスタントウーマン。姉妹で自立した夢を見ていたが…。
ある時リーナは、富豪のプレイボーイ息子サリムと出会い恋に落ちる。彼との結婚を決め、画家の夢を諦め、海外に移住するという。
リアは大ショック! そこでリアは…
姉に結婚を諦めさせる。
サリムの悪い点を見つけようと。どうも彼の一族はきな臭い…。
親友二人に協力して貰って、サリムのパソコンをハッキング。さらには邸宅に侵入…って、それ犯罪!
親友もやり過ぎのリアに付いていけず、喧嘩。
勿論先方にバレる。家族にもバレる。姉にも…。
姉と大喧嘩。時々妹の訓練に付き合ってるからか、姉もなかなかアクションが出来る。家の2階で姉vs妹のカンフーバトル! お父さんお母さん、のほほんとしてないで。
これで何も無かったらただの困ったちゃん。
が、リアの直感は当たっていた…。
サリムの母ラヒーラ。
ママ友サークルのボス的存在で、地位も名声もある富豪のご婦人。
息子を溺愛。息子の為に良き結婚相手を見つけようとするだけならまだ分かるが、とんでもねー!事を企んでいた。
謝罪で邸宅を訪れるリア。ラヒーラは一見許し、脱毛エステを勧めるが…、
強引にワックスを剥がすプチ拷問。本性を現すラヒーラ。
堪らずリアは逃げ出し、地下へ迷う。そこは、何かのラボ…?
リアたちも招かれたパーティーに出席した若い女性たちの身体が密かにスキャンされ、データが保存。特に調べられていたのは、子宮や生殖能力。
何を調べているのか…?
やがて判明。探していたのは“良き結婚相手”ではなく、“母体”。
最も適した母体の子宮で、ある遺伝子を育て、産ませる。
ラヒーラのクローン…! 息子と共謀して、自分のクローンをリーナに産ませようとしていた…!
もはやイカれてる怖母。セクシーイケメンだと思ったサリムもただのマザコン。
イカれた母子にイカれた陰謀。これなられっきとした理由。
姉が危うい。
お姉ちゃんを救え!
その事実を家族に訴えるが、信じてくれない。
結婚式。大勢の出席者の前でイカれた陰謀を暴露するも、やはり信じてくれない。
またあのお騒がせ問題児が…。
このままでは姉は海外に連れて行かれ、イカれた母子にいいようにされてしまう。
事前に結婚式に忍び込む。協力を乞うたのは、やっぱり親友二人。あれ以来喧嘩したままだったけど、仲直り。
ちょっと抜けているリア、ノリノリな親友二人、さらにはリアをからかっていたいじめっこがナイスヘルプ! 出たとこ勝負の救出作戦!
シリアスにやったら母子も陰謀もサスペンス/ホラー級。
女性の幸せは結婚。夢など夢。
家父長制ならぬ家母長制。民族や宗教の問題点も。
自分には才能が無いととっくに夢を諦めていたリーナ。喧嘩時、あんたなんかスタントウーマンになれる訳ない!…とキツい一言。これはこちらも耳が痛かった…。
シリアスなテーマや問題を忍ばせつつも、作品は基本ライト。話もシンプルで、クセのある『エブリシング~』や『モンキーマン』よりずっと見易い。
リア役、プリヤ・カンサラのコケティッシュな魅力。
親友、家族、姉らとの掛け合い。
校内でいじめっこや邸宅でラヒーラの部下とのバトル、ラスボスのラヒーラとのバトルもよくよく考えたら滑稽おバカ設定だが、それも踏まえ日常バトルアクションとして楽しめる…?
スタントウーマン目指し、日々訓練し、身体能力は高いが、まだまだ半人前。ラヒーラどころかいじめっこにも敗北。
そんな彼女の成長、奮闘。
出来なかった空中後ろ回し蹴りを、最後の最後にお見舞い!
何より、カラフルな民族衣裳姿で華麗に闘うニュー・アクション・ヒロイン誕生こそ、目の保養であり掘り出し物。
勿論ハッピーエンド。
姉を救出し、共にイカれ母子を撃退。って言うか、お姉ちゃんもスタントの道に進んだら…?
姉とも仲直り。
憧れの存在から嬉しい連絡。
怒りの権化を滾らせ、夢を諦めるな!
今までに無いタイプのインド系映画
インド映画にありがちな無駄に長くて回数の多いダンスシーンに頼らないのは新しく感じる。
まぁ、主演がインド?パキスタン?の人ってだけでイギリスの映画だしな。ボリウッドとは違うよね。
内容は青春&コメディ&アクション。
青春要素強め。序盤の結婚妨害作戦で暴走する様は大分痛かったな。その後の展開や真相も個人的にはいまいち。
期待してた肝心のアクションももう少し頑張って欲しかった。
アクション映画じゃなくて青春映画と思えばそれなりに楽しめるかも。
あと、最近の映画ってなんだか多国籍化?多様化?が進んでるよな。登場人物しかりBGMしかり。
その風潮が良いのか悪いのかは知らんけど、何か無理してない?って思ったりもする。
めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ最高でした! もう、式の椅子バ...
めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ最高でした!
もう、式の椅子バーンのあたりからこの映画が観られるうれしさで号泣してしまい、しばらく前が不鮮明だった、、、、、。
ほぼ予告だけの前情報だけで観てしまったので、言語英語でインド映画か?(インドの割には文化が西洋化されてるけど大英帝国占領の影響もありこんな感じのエリアもあるのかな?)とか思ってた不勉強で恥ずかしいのですが、あとでパンフレットでパキスタン系イギリス人か!などなどめちゃくちゃ勉強になるパンフレットで素晴らしいかったです。
女性が気持ち良くなれる映画(爽快とゆう意味で)は近年増えてきた気がするけど、この作品のパワーは期待を大きく上回るものでした!
もちろん男性も楽しめると思うのは大前提だけど、女性用の映画ともいえる、映画大好きわたしたちもボンクラさ、怒り、友情、姉妹愛を大共感の楽しさで映し出すこの映画の素晴らしさよ、涙
カーン姉妹の、息のあった姉妹感!部屋での馬鹿騒ぎダンス、おねぇぇぢゃぁぁぁん!手伝って〜のくだり、大喧嘩(やりすぎ)。2人姉妹の末っ子として、笑っちゃうし愛おしいし、うぅぅ胸がいっぱい。
親友3人コンビの並んだ顔のバランスだけで好き。服も可愛い。ウェイウェイウェイ!ウ〜!のやつも最高。あと制服可愛いすぎ天才。
コヴァックスの1目見て女ジャイアン。。。。
クライマックスも最高。
ヒール母親の顔がヒールすぎ。
婚約者、南アジアディズニープリンスってパンフに書いてあったけど、まじプリンス顔面すぎってなった。
リアの両親も、娘が楽しんでやってることを無理矢理止めない優しさがあるのがうれしい。
映画全体に、監督と好きなものを共有できているような感覚になれるのもうれしかった!
脚本もシンプルな筋だけど、ここ!って思うときにちゃんと物語が動く気持ちよさ〜
1つだけ、おしいとこは
カーンvsエステ集団って文字出て欲しかった。バーンで文字出てくんの大好き。
スタントマンに対するリスペクトにも溢れた愛すべき作品で涙です!!!!
決まるか⁉️540キック‼️
コメディでありながら、アクションも織り交ぜつつ、ストーリーはちょっぴりスリラーな
ジャンルてんこ盛り作品です。
ビジュアルが素晴らしいのですが、私はパッと見、インド映画かなと思ったのですが
イギリス映画でした(笑)
ロンドンで暮らすパキスタン系イギリス人のムスリム家庭の女子高生が主人公なんですね。
主人公のリアがスタントウーマン志望で、日々練習に明け暮れつつも、
姉のリーナに協力してもらってカンフー動画を撮影しているというのが、
何とも今どきですし、ゆるさもあって好感が持てました。
姉が嫁に行くことになる話の軸が、割とミステリアス且つスリラーっぽいので、そのあたりのバランスも絶妙で
なかなか良かったのですが、惜しいのは、主人公リアがちょっと姉に対する執着心が強すぎて
まわりから「いい加減にして!」的な扱いを受けちゃうこと。ここは確かに観ていてしつこさを感じたので
もうちょっとこの拗さが薄れた方が良かったかなと思いました(と言っても、どうすればよいかは思いつきませんが・・・)。
ドラマシーンもそこそこ笑えて面白いのですが、
アクションシーンがもう少しガチだと良かったのに!!と思いましたね。
というのも、直近で『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(ドキュメンタリー含む)を観ているだけに
どうしてもアクションを比較しちゃうんですよね。
ベイビーわるきゅーれレベルのガチなキレッキレアクションは無理にしても
もうすこしガチだと良かったですね。
ただ、リアの540キックはビジュアル的にも見どころではあるので、この技が繰り出されるシーンは大好きです。
※あらためてベイビーわるきゅーれの凄さを感じることにもなりました
仲良し同級生クララとアルバのコンビも良いキャラづけでしたし、何と言ってもジャイアン的なコヴァックスが
とてもいい感じの調味料になっていたと思います。劇場版ドラえもんのジャイアン的な感じなのが好きですね。
パンフレットもオシャレでオススメです。デザインは大島依提亜さんでさすがのクオリティです。
気楽に観れるてんこ盛り映画でした。
笑わせようと頑張ってるんだと思うけど
なんか微妙にデタラメで…
どこかで決めたい「私は怒りの権化!」
みんな大好き!
スタントウーマンを目指す女性の姉に結婚の話が。しかしその裏には恐ろしい陰謀が…と言った物語。
姉に近づく胡散臭い男とその母に、友達の力を借りつつ結婚式をぶっ飛ばそうと計画を立てるが…。
抱腹絶倒って感じのシーンがあるわけでもないが、仲良しの姉を取られ夢に挫折しかけ友達とも喧嘩し…といったトラブルを乗り越えながらカンフー炸裂で進むストーリーはシンプルながら面白い。
また、日々鍛錬を積むリアは良いとして…アンタもアンタも果てはアンタらも皆強いんかいw
そして急な"お嫁に行っちゃうんだろぉ〜♪"にはビックリしたw実は日本リスペクトしてくれてる作品なのかな。怒りの権化ってのも◯イヤ人っぽいし。
あとは、スポーティーなイメージでずっと気づかなかったけど、ダンスシーンのリアは滅茶苦茶可愛かったですね!!煌びやかな緑ドレスと小柄ながらに強い目ヂカラ!!翻して闘う姿も◎
その他にも、ベタは使える…とか地味にグッとくる名言も多かったような。平均点かな〜と思った所に、助けてと聞こえたから!だけでも☆+0.5ですね。白々しい、リーナはこっちだ!…も(笑)
しかしヤツらの計画…。それを達成した所で、人格はそのままなんだろうから、やり直しできる!!…ってことにはならんのでは?
…まぁコメディだし細かいことは気にしちゃダメですね(笑)
とにかく、難しいこと考えず肩の力を抜いてみれる作品として中々に良作だった。
勘違いしすぎ
パキスタン系の主人公リアはロンドン在住の女子高生。
彼氏なし、友達少なめで、両親からも学校からも将来を不安視されるが、本人はお構いなし。
プロのスタント・アクター目指し、仲良しの姉リーナに撮ってもらったアクション動画をSNSに配信し続ける毎日。
そんなある日、パキスタン人コミュニティのパーティーに参加したリーナは若いセレブ医師に見初められ、とんとん拍子に両家の間で縁談は進み婚約へ。
だが、相手のサリムをただのプレイボーイと勘違いしたリアは、姉との結婚を阻止すべく、親友二人の協力のもと次々と妨害計画を発動。
ハッキングに不法侵入、デッチ上げとエスカレートするうちに、彼女は恐るべき事実を知ることに。
突飛な主人公の多感な時期の少女にありがちな、勘違いや思い込みの妄想系?と思いきや、ストーリーはそのままあらぬ方向へ。
ならば、サイコ・ホラーの『ゲット・アウト』(2017)みたいな様相に─というのも勝手な思い込みで、物語はぐだぐだ、いや、予想外の展開でアクション・コメディのクライマックスへとなだれ込み、ラストはいよいよアクション少女リアの本領発揮?!
この作品、何かの媒体で短く紹介されていたのを見て、ロンドンのマイノリティを舞台にしたメッセージ性の高い社会派ムービーかと思ってみたら、とんだ勘違い。
解説にムスリムの家族と紹介されているのに、観ていて「ヒンズー系(インド)では?」思ったのも勘違いで、脚本も兼ねたニダ・マンズール監督自身、イギリス在住のパキスタン人女性。
そもそも、マイノリティが登場するからといって、メッセージ性を要求すること自体、一方的な決め付け。
ムスリムのコミュニティを舞台にしながら、宗教的な要素がほとんど排除されていることからも、作品に込めたマンズール監督の志向が窺い知れる。
パキスタン系の主人公の親友が白人と黒人で、中華食材店や麻雀、日本人の歌などアジア系のアイテムが散見できることから、つい深読みもしたくなるが、本当はそんなことどうでもよくて、敢えて言うなら「イギリス在住のマイノリティの女性がアクション・コメディ作って何がいけないの」というのが、本作の一番のメッセージなのかも。知らんけど。
リーナの婚約者サリムの前妻が死亡している件はシナリオの重要な伏線なのに、さらっと流しすぎでは。大事なエピソードとして丁寧に扱えば、作品に膨らみを与えられたと思うとちょっと残念(勘繰りすぎもよくないが、作品の根底にフェミニズムの要素は強く感じる)。
全体的にクオリティの高い作品と評することはできないが、美人の主人公姉妹の魅力でかなり救われている気が。
婚礼式の衣裳のデザインも綺麗だったし、せっかく撮影したんだったら、リアのダンスシーンはブツ切りにせず、きちんと見せて欲しかった。
不満は多い!! でも最高だ!
脚本や演出、アクション、キャストの演技など、どれも「もう少し頑張ってほしい」というのが、正直な感想です。しかし、英国のパキスタン系社会を舞台に、スタントやカンフーをメインとしたコンセプトには大いに評価したい。
稚拙な面はたくさんあるものの、物語の根本的な部分に初期のタランティーノ作品にも似たプリミティブな魅力があり、こういった作品を今後とも作り続けてほしい、と思い、あえて高い評価の星をつけておきます。
楽しく見れる映画
期待通りに楽しい映画だった。姉と二人三脚で夢を追っていた主人公が、姉の婚約を阻止しようとしてコメディチックに暗躍する。お約束的で王道なストーリー展開だけど、小難しいことは何もなく、ただただ映画鑑賞を楽しむことができた。エキストラの緩さでさえ映画にマッチしているし、テンポやギャグも良かった。
個人的には友人との関係と姉が遠くに行ってしまう喪失より、それを夢の敗北と捉えて行動している点がいい。父親の愛を盲信しようとしているジャイアン的な同級生が、「あんなクソ親父」と最後に鍵を渡すシーンは印象的。また、結婚相手の正体を知り恋に幻滅した姉が、それでも安易に元の夢の道へと引き戻さないところ。「また描くかどうかはちょっと考えたい」いままで一心同体的に歩んでいた二人の道がまた一つに戻ろうとして、しかし決定的に分かたれたことが示唆されたようなシーン。姉の方が一歩先に現実的に大人になってしまっている。憧れの人から返信をもらえた妹と対照的で、どこか切ない気持ちにもさせられた。
存外社会派
基本的にはアクションコメディではあるけれど、あちらの文化を考えると結構骨太な作品。
姉の結婚を食い止めようとする妹が暴走に暴走を重ねる展開で、妹の疑念がラストには真実だったって物語なのだけど、この疑念の根幹が、あちらの国の文化を考えると、不当に扱われ続けた女性の尊厳に由来しているようにも思う。
元々この姉妹、姉は画家を妹はスタントウーマンを目指していて、推奨される女性の在り方とは一線を画すキャラ付けがなされている。
で、姉は画家の夢を諦め嫁ぐわけなのだけど…嫁ぎ先は女性を「子を産む器」のように見ていて、金持ちで有力者なわけだけども、かなりズレてる価値観の一族。
母親が実権を握ってたり、息子がマザコンだったりと、色々看過できない実情が、あちらにもあるのだなぁと興味深い。
興味深いと言えば、挿入歌に日本の歌謡曲が流れてきてた。歌詞もメロディもシーンにはマッチしていて、いい感じだったから、尚更驚く。
日本の歌謡曲は世界に浸透してんだなぁと感慨深い。
で、まぁ、アクションがふんだんに盛り込まれてはいるのだけれど、コイツらはイマイチ楽しくない。
素人っぽさが抜けないし、スタントらしいところもあまりない。飛び後ろ回し蹴りも…あんな雑な吊り方しなきゃいいのにと萎える。
とは言え、物語のテンポや奇抜な展開は楽しくもあったので、ライトな感覚を残しつつ社会を痛烈に批判するスタイルには好感がもてる。
画家志望の姉の方が性質的にスタントウーマンに向いてそうなのも、トンチが効いてた。
章構成になってて、姉vs妹があるんだけど、姉の蹴りはなかなかのもの。過激過ぎる姉妹喧嘩は導入もそうだけど、笑えてしまう。
ぶっ飛んだ物語ながら、締まるところが締まってれば化けたかもなと思える作品。
インド映画だと思ってたら、皆さま流暢な英語を喋って驚いた。
中華街に行くと気になる鳥の丸焼きを…羨ましい💦
勢いがある!
最初は、
シスコン妹の空回りドタバタコメディかと思っていて、
「中傷をつくる!」と意気込んだあたりで、
えー、それはやり過ぎ~と、冷めそうになったところに、
あらぁ~、そんな裏が?!みたいな驚きの展開で、
そこから、一気にテンション上がり、
テンポ良く最後まで楽しめました!!
そこからのストーリーは、なかなかの面白さでした。
さらに、魔女のような母親含め、
周りの登場人物のキャラクターが、みんな個性的で最高だった!!!
特に、アルバがお気に入り。
あと、イギリスが舞台のイギリス映画ではあるのだけど、
インド映画へのリスペクト満載なので書きますが、
インドに旅行に行った時にも感じたけど、
インドの方って、人間に勢いとうか、人間強さというか、
とにかく、陽なパワーを頂けるのですよね。
子供が作ったタランティーノかパロディみたいで感情移入できない
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