グランメゾン・パリのレビュー・感想・評価
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カッコ良いおじさん
料理は美味しそうだった
映画作品として見応え十分なフランス料理
話の流れとその起伏はだいたい予想してた通りで驚きはなかったが、映画として評価出来るパリの街なみ、店の佇まい、市場の雰囲気は映画ならではの美しい画がスクリーンに映える、そして食材や料理が本当に美味しそう、香り立つような気がするほど。映画にした価値は十分に感じることが出来た。自分がミシェランの星自体に疎いが、二つ星だって凄いんじゃないのか?と思いつつ、まあ、世界一のレストラン「ノーマ」の映画では、シェフ達は頭脳体力もフル活用で戦いみたいになってるイメージだったから、三ツ星のために必死になるこういう作品は成立するのかも。富永愛が素晴らしい。役としても、その少しハスキーで落ち着いた声が語る内容は、観客を納得させる役割を果たしていた。想像以上に素直に楽しめる映画作品だった。
仕入れ、いのち。
毎度の如くドラマ未鑑賞。
キムタクは何をやってもキムタク過ぎるから全然好きじゃないんだけど、今回はすごく良かった。あの鼻につく上から目線の演技を上手いことキャラに反映させており、ストーリーもそんな主人公を最大限生かしたものになっているから結構見入っちゃう。
東京ではどんなことがあったのか、誰とどう関わっていたのか等のドラマで描かれた部分はお触り程度であるため、見ていた方が楽しめるのは間違いだろうけど、初見でもなんら問題なし。ドラマの劇場版としてはかなりよくできていると思う。
IMAXである必要は全くなかったけど、舞台がパリというのもあって全編通して息を飲むほど上品だから、映画館の大スクリーンで見る価値は大いにあると思う。しかも映像だけでなく、ストーリーも高貴な雰囲気を常に纏わせていて、映画そのものがフランス料理のようだった。
映像はとにかく美しいし、フランス語が多く飛び交うもんだから、とても日本映画を見ているようには思えない。なんだか凄く贅沢な気分。こんないい意味で邦画らしかぬ演出ができる人って一体誰なんだろうとエンドロールを眺めていると、まさかの塚原あゆ子。びっくりしたけど大納得。脚本も黒岩勉ですもんね。どうりで質が高いわけだ。
料理には多少関心があるものの、フランス料理とはこれっぽちも縁がないもんだから、料理名だとか調理法だとかの知識は一切なかったんだけど、そんな自分でも大満足できるほど、フランス料理どころか料理そのものの魅力が詰まった作品だった。あんまりレストラン系(?)映画って作られないから、比較対象は数年前の「ザ・メニュー」だったんだけど、あの作品と同じくらいきちんとした作り込みで、めちゃくちゃワクワクしてしまった。
ネタバレは避けるとして、ラストのフルコースのシーンにおける冨永愛の心の声解説がすごく上手い作りしているなと感じた。素材を見極め、料理を追求することの面白さ。食はこんなにも人を楽しませてくれるのか。食欲というよりも創作意欲の方が高まってしまった。
2時間に収めなきゃいけないからかなり駆け足な箇所はあるし、ご都合主義な展開も正直否めないけど、大筋がブレることは一切なく、一貫して三ツ星を目指す物語だったため、最後まで安心して見届けることが出来た。ありがちだけど不覚にも感動させられてしまうし。
ただ、登場キャラに関してほとんど掘り下げがなかったのは寂しい。この辺はドラマではもっとしっかりとしたバックボーンがあるのだろうけど、映画である本作は主人公、パティシエ、倫子さんの話ばかり。ミッチー演じる相沢は影ではかなり活躍していたろうに、ほとんど登場せず、3人に食われてしまっていたから残念。まぁみんな満遍なく、そしてエピソードもその人に合わせて書くなんて至難の業ですからね。
にしても、普段から高貴な暮らしを心がけようとか、心に余裕を持っていきたいなとか、更には料理についてもっと知りたいなとか、かなり私生活に影響を与えてしまうほど、インパクト大のすごくいい映画だった。大袈裟のようだけど、本当に見える世界が変わる。
料理に国境はない。「SHOGUN将軍」でゴールデングローブ賞を獲得した真田広之のインタビューを聞くと、なんだか似たものを感じた。日本のものが愛されるって心から嬉しいねぇ。セパティ!
倫子さんあってのグランメゾン
パリで一流の料理人になるため、凄まじいまでの試練を受け重ねる人たちが沢山おられるんでしょうね。ミシュランの星を獲得することの困難、美味なる料理が提供されるまで計り知れない険しい経路を乗り越え頂点を目指す覚悟とチームワークがあってのことなのでしょうか。
グランメゾン・パリ「群像」、倫子さんの存在こそが成し遂げる、この映画のみどころ、言葉セリフのトーンと登場のタイミングでまとめる安定の「倫子さん」であると思うんですよねー。
s'il vous plaît
三ツ星以上❢
フランス
Restaurant KEI
星取り
わかってる展開だけど熱くなる!
もし、この映画単体なら感想が変わった
ファンなら映画館で見るべき作品
新登場のメンバーに尺を取りすぎ
2019 年のテレビドラマ「グランメゾン東京」の続編である。テレビドラマを見ていないと人物関係が全くわからないので、最低でも映画公開のために作られた総集編的なスペシャルドラマを TVer などで見ておく必要がある。
一度はミシュランの三つ星を獲得しながら、その後のコロナ禍の影響で星を失って凋落したグランメゾン東京の再生に尽力した早見倫子は、相棒の尾花夏樹とパリにグランメゾン パリを開店して、最も評価の厳しいパリで三つ星獲得を目指すが、なかなか二つ星から抜けられないでいる。
三つ星レストランともなれば、金に糸目をつけない超一流のセレブが来る店であり、何より大事なのは最もクオリティの高い食材を入手することであるが、市場での一流食材の行き先は取引の長い老舗高級店に占められていて、マトモな食材の入手さえ困難な状況に置かれる。
馴染みのメンバーの奮闘が描かれるのだが、それだけでは盛り上がりに欠けると思ったのか、この映画で初登場になる韓国人パティシエが個人的な金銭トラブルを起こして、かなりの尺がそのエピソードに割かれてしまっていた。
そのトラブルというのが、腕を上げるために高級食材を個人的にコレクションして試作を続けていたので、借金が嵩んでヤバい相手から借金してしまい、その取り立てに苦しんでいるというものである。アパートの部屋いっぱいに高級食材を買い集めたという行動にまず呆れてしまった。パティシエの収入で返済できる額を遥かに超えており、この男はどうやって返済するつもりなのかと思わされた。返す当てのない借金は、故意に泥棒を働いたも同然である。
その借金取り立てのヤバい連中の行動も全く不可解であった。脅しや暴力などの圧力をかけるだけならまだしも、借主の生活基盤を破壊したり、生命を奪おうとする行為は、資金の回収を断念したのかとしか思えないものだった。いくら怖がらせようとしても、殺人や放火は目的を見失った愚か極まる話である。おまけに、パリのような住宅密集地で放火などしたら大規模な類焼を招くのは目に見えており、重罪に問われることになって大損である。
こんな話を見に来たのではないという思いに終始苛まれた。おおかた、制作費を提供する代わりに韓国人を出演させろとゴリ押しされた結果であろう。見たことのない役者だと思ったら、K−poop のアイドルだそうで、ワンパターンで薄っぺらい演技は映画全体の質を下げるばかりだった。日本人と韓国人が互いに自国語で怒鳴り合いながら会話が成立するなど、なかなかシュールな見せ物だった。
美味しそうな料理の見せ方は流石だったが、それを食べている連中がどう思っているのかは何も説明されず、食べている表情しか手掛かりがないのも不満だった。「孤独のグルメ」のようにナレーションを入れたほうが良かったと思う。そもそもこれは映画にする必要があったのかという思いがした。スペシャルドラマで十分だろう。
(映像5+脚本2+役者3+音楽3+演出3)×4= 64 点。
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