「バイクチームの栄枯盛衰と諸行無常」ザ・バイクライダーズ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
バイクチームの栄枯盛衰と諸行無常
アメリカのモーターサイクルギャング「アウトローズ」がモデルらしいが「ヘルズ・エンジェルズ」の方が日本では有名かな。
自分も学生時代は単車に乗っていたが、ヴァンダルズの初期メンバー同様にある程度年を取って以降は4輪のみ。
単車は1人で走るもんだと思っているのでチームで走るのはあまり好きではなかったが、おそらく岩城滉一や舘ひろしあたりが憧れていた世界観だと思うので、推薦コメントとかあっても良さそうなものですが、ないんですかね。
どんなグループでも年月が経ち、規模が大きくなると発足当時のポリシーなんか有名無実になるが、そもそもがアウトローの集まりなので一度タガが外れてしまうと悪い方向へしか行かないというのは仕方がない。
創設者でリーダーのジョニーはただみんなで一緒に走り、ビールを飲み、キャンプして楽しく過ごすためにつくったチームがいつの間にかコントロール不能になり、ベニーに後継者となる事を依頼するのだが、何となくチームの行く末をわかっているかのようだった。
ベニーは孤高の存在である一方でチーム愛が誰よりも強いという少し矛盾したように見えるキャラクターで、キャシーよりも常にチームを優先するのだが、ジョニーが亡くなった事で涙を見せ、バイクを手放したことなどからも、実は一番の優先順位がチームでもバイクでもキャシーでもなくジョニーだった事がわかりジーンとさせる。
“ fists or knives or gun? ”あのガキ許せねー。
ベニーの奥さんキャシーへの数回のインタビューを中心に回想しながら話は進むが、そもそも短い年数の話なのであまり見た目の変化がなくわかりにくい部分もあったのだが、全体を通して当時の映像と音楽がノスタルジックでファッショナブルだが骨太なカッコ良さがあり引き込まれた。
サントラ欲しくなる程音楽良かった。
トム・ハーディ、オースティン・バトラー、ジョディ・カマーは最適な配役だと思うが、オースティン・バトラーは汚くしてても美しく、儚さがあって特にハマり役だと思った。
反対にトム・ハーディは綺麗にしてても汚らしいところが彼らしくて良かったw。