映画検閲のレビュー・感想・評価
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サンダンス映画祭のベスト作品に選ばれた?
そうざんすか。
映画を検閲して、残酷描写のどこをカットするのかを生業にしている検閲官の女性。
彼女には少女の頃、突如として行方不明になった妹がいて、その事が理由で両親とも不仲になってしまって仕事以外に何もする事ができないでいる。
ある日、ホラー映画を見ていると行方不明になった赤毛の妹にそっくりな女優が出演しているのに気づく。
仕事のツテを頼って、その映画を撮影した監督を探し出す。行方不明になった妹に会う事はできるのか?というお話し。
検閲する映画のソフトがDVDではなく、ビデオカセットテープで、連絡手段は固定式電話で、主人公の検閲官の愛車が今はあまり無いセダンなので、映画の舞台は80年代だという事が分かる。
80年代は安っぽいゴア描写のホラー映画がたくさんあって、宮崎勤がピーターの悪魔の女医さんを持っていたとか、ホラー映画に影響されて犯罪者になるからホラーを規制しろとかいう運動が盛んで、レンタルビデオ屋からそのホラー映画が撤去されたりしてホラー映画ファンには居心地が悪い時代でした。
さあ、そんな時代にホラー映画の検閲をしすぎて、若干病んでしまった主人公が自宅にかかってくる匿名の脅迫電話に怯えて精神のバランスを崩してしまい、奇行に走ってたりしつつ行方不明になった妹を探し出したのだがぁーーーー!?
普通のドタマがついているならば、今まで積み重ねてきた話しに沿って、ラストに向けて話しを進めていくのだが、ラスト直前になって何の伏線も無く、
今までの話しは映画の撮影で、検閲官はホラー映画の主人公に突如変わってしまうのだ...。
え?何それ?
で、妹を襲う殺人鬼役の役者をオノで腹を切り裂いて殺してしまう。傷口からは殺人鬼の顔が埋まっていて、一言、二言、喋って動かなくなる。
妹を助けようとした検閲官は、妹に駆け寄るがそんな姉を見て妹は逃げ出す。
呆然と立ちすくした検閲官。と、その画面にノイズが走ってビデオデッキから映画のタイトルが表示される。これでタイトルの伏線か・い・け・つ🎵
って、おい!
この映画は80年代がテーマだけど、映画のオチまで80年代なら何とか通用した安っぽいオチって、そりゃないぜ?世にも奇妙な物語でも、やらねーよ!こんな陳腐なオチは!
野球の試合見てたのに、いつの間にバスケットの試合が始まってダンクシュートで試合終了してしまうのと同じじゃん?
斬新なラストと評価する人もいるかもしれないが、いいか?これは斬新じゃない!?
誰しもが一回は思いつくオチだけど、あまりに陳腐だから誰もやらないオチなんだぁーーー!?
イトカワに、はやぶさが到着するこの時代に、高校生の自主制作の映画のような陳腐なオチを思いつく、監督の頭の中がどうなっているのか不思議。
結婚式で
「 人生には、大切な三つの袋があります。一つは堪忍袋、二つ目は知恵袋、三つ目は胃袋です!」
と、言わなきゃいけないのに最後に
「 三つ目は金玉袋です!」
と、口を滑らせてしまったくらい取り返しのつかない事をしてしまったのと同じ事だぁーーー!?
これが、サンダンスのベスト作品だって?君達は、過去のホラー映画を一本も見ていない人ですか?この映画のどこを見てベストと思いましたか?これが面白いと思うんだったら、何見ても楽しめて幸せでござんすなぁ?
怖いもの見たさで、見てもいいけどさ?この映画とホラー映画のサユリが同じ料金で見れるのは納得できない。この映画を見ようと思うなら、その料金をホラー映画のサユリに使った方が良いです。
Z級のつまらない映画。見なくていいよ?
テーマと雰囲気は良かっただけに残念。。。
映画検閲というテーマ、メタが好きなのでドストライクでした。すごくいい。
80年代イギリス、衣装や美術がリアルで、どっぷり雰囲気に浸かれます。ヒロインの衣装もキャラクターに合ってて抑制的なのですが、レトロさもあって。すごくいい。
作中、さし挟まれる劇中映画の映像も、質感がアナログVHSらしくて、浸れます。最近『ビデオドローム』を観ていたので、ヒロインが家で分厚くて四角いブラウン管テレビでVHSを再生しているところは、オマージュを感じました。終盤、野獣男の腹(胸?)の傷口からヌメヌメした何かが出てくるところもオマージュでは?
終盤に向けてヒロインがホラー映画の中に入り込んでいく過程。コテージでメイク係に会って、監督との邂逅の後、女優としてあのシーンに臨む… という流れが、自分的には一番アツいポイントでした。
ただその後なんですよね。。もっと畳み掛けて欲しかった。あと、ギリギリまで、観客にもこれは現実なのか?ヒロインの妄想なのか?わからないようにして欲しかった。それがバレるのが結構早いので、あとは冷めて見てしまいました。ラストも、ヒロインの理想と現実の落差をもっと見せて観客を絶望に叩き落として欲しかった。
最後にあれをやっちゃうと、一定数の低評価がつくのはデフォだと思う
2024.9.19 字幕 アップリンク京都
2021年のイギリス映画(84分、R15+)
1980年代のビデオ・ナスティ論争時代の映画検閲官の精神崩壊を描いたスリラー映画
監督はブラノ・ベイリー=ボント
脚本はブラノ・ベイリー=ボント&アンソニー・フレッチャー
原題は『Censor』で「検閲」という意味
物語の舞台は、1980年代のイギリス・ロンドン
サッチャー政権が打ち出した方策により、個人的に販売された低予算ホラーも検閲の対象となり、有害と思われるシーンはカットされることになった
イギリス映画分類委員会の検閲官として働いているイーニッド(ニアフ・アルガー、幼少期:Beau Gadsdon)は、「リトル・ミス・パーフェクト」と呼ばれるほどに、優秀な検閲を行なっていた
委員会には、彼女の他にもサンダーソン(ニコラス・バーンズ)、アン(クレア・バーキンズ)、パーキンズ(ダニー・リー・ウィンター)などが所属し、彼らをまとめているのはフレイザー(ビンセント・フランクリン)だった
フレイザーは映画プロデューサーたちと仲が良く、とりわけホラー映画を手がけているダグ・スマート(マイケル・スマイリー)とは旧知の仲だった
ある日、職場にダグが訪れ、イーニッドに目をつける
「検閲に飽きたら銀幕デビューさせてやる」と言うダグは、ホラー映画監督のフレデリック・ノース(エイドリアン・シラー)との新作を手がけていた
前作「野獣男」が大ヒットし、その続編を制作していて、ダグはイーニッドに試作段階の映像を見せることになった
映画は、その映像に幼少期に失踪した妹のニーナ(Amelie Child Villiers)らしき女性が映っていたところから動き出す
それは女優のアリス・リー(ソフィア・ラ・ポルタ)で別人なのだが、イーニッドは彼女が生きている妹だと思い込んでしまう
イーニッドが検閲を繰り返す中で、残虐なシーンを見すぎておかしくなってしまうとか、精神的な負担から見逃して問題になってしまうとか、過去に検閲した映画の模倣犯が現れてしまい、その責任を追求されるなどのストレス過多の様子が描かれていく
そうした中で、一縷の望みのように思えた映像にのめり込み、アリスに会うためにダグの家を訪れたりもする
そこで事故が起きてしまい、ダグは死んでしまうのだが、そこからさらに撮影現場に向かったり、そこでアリスとの共演をさせられたりといった非日常の世界へ入ることを余儀なくされてしまう
映画は、どこまでが映画内リアルで、どこからが映画内虚構なのかわからない内容になっていて、ラストでは「Censor」というタイトルのビデオテープが取り出されるところで終わる
このラストのシーンは、劇中でイーニッドが手にするビデオテープ「The Day The World Began」の再現シーンのようになっていて、そこにいるのは両親ではない
また、検閲されて却下されたビデオの中に監督自身が血まみれになる女優役で登場していて、遊び心が多い作品になっていた
このあたりは、ビデオテープ型のパンフレットに詳しく書かれているので、興味のあるホラーファンは必読かもしれません
いずれにせよ、本線はスリラーだが、ホラー映画の検閲をしているので、ホラー描写が死ぬほど多いので注意されたい
検閲に引っかかるレベルの残虐なシーンが多いので、ホラー映画に慣れていない人にとってはちょっとハードルが高い
個人的には「最初から最後までフィクション」と言う感じで、この映画は検閲を無事に通りましたよと言うメタ構造になっているのだと感じた
首が切断されて飛んでいくシーンとかが普通にあり、あの時代だとアウトだと思うのだが、今ではセーフと言う意味合いがあるのかもしれない
政治利用されたビデオ・ナスティ問題でもあるので、興味のある方はググるかAIに質問して見識を深めるのも良いかもしれません
鑑賞動機:メタ〜!9割、あらすじ1割
意識的ではあるのだけれど、メタ構造を今ひとつ活かしきれていないというか、面白さに繋がりきれてない、という印象。現在の現実、現在の幻想/妄想、過去の記憶、過去の現実それぞれの違いや逆に混ざり合うことで生まれるものを結構期待していたのだけど。
ラストカットはちょっとニヤリとする。
期待度○鑑賞後の満足度○ 即カルト映画行きになりそう。この映画も“SENSOR (検閲)”されてるんでしょうな。ラストの15~10分くらいはケッサク!
①イギリスは「紳士の国」と言われているが、結構下品でグロいところも多い。
いまハマっているM・W・クレイブンのポー警部シリーズもミステリーとしてとても面白いが結構グロい。
②冒頭ではエログロC級映画を厳しく検閲してカットしていたキャリアウーマンが、最後には自分がカットしていた映画の内容そのままに人を惨殺する狂女と化す流れは、イギリスらしいブラックジョークたっぷりの皮肉か、と思ってしまう。
③途中ちょっとだれるけれども、ラストシーンでやや一発逆転。
私はこれを○○○とよぶ
これは丸投げと思ってしまった。
イーニッドと妹の関係性もほとんど描かれないので感情移入できない。ただ、両親の話からしてイーニッドは何度か妹に似てる人を探しては両親にこの人似てない!?って聞いてたのかな。(両親うんざりした様子やったし)
途中で画角がかわるけれど切り替わる段階は、映画の中のストーリーっていうことなのかな?
ラストシーンは、妹も戻ってきて、犯罪もなくなった幸せな世界がイーニッドの理想。やけど、実際は現場で殺人をおかしてアリスを拉致し両親に会わせた?とか?幸せな映像の中に、アリスたちの苦悶の表情が一瞬映し出されていたので。
表現を制限したところで、犯罪はなくならないぞっていう監督のメッセージなのか?うーん、やとしたら中途半端かな…😑
どこに入り込んだの?
難しいです。
ホラーと言う程の怖さは無いねぇ。サスペンスとしても謎解きは無いし、社会派と言える程掘り下げて無いし。
失踪したあるいは置き去りにした、もしくは殺害された妹らしき人物を十数年後、映画検閲の仕事の中で気付く。導入部は興味津々、
どうなるの?何が起きるの?
ところが調べて行くうちに妄想なのか、夢なのか解らない世界に入り込んでいってしまう。殺人も犯してしまう。
どうなるの?何が起きるの?
あ!終わった。
主人公の妄想の世界から抜け出せなかった。
【今作は美人ホラー映画検閲者が、幼い頃のトラウマによりホラー映画の世界に取り込まれて行く様を、検閲されるべきシーン満載で描くブラッディ&1980年代の雰囲気バッチリのイギリスホラー映画である。】
■1980年代のイギリス。
ホラー映画検閲を生業とするイーニッド(ニアフ・アルガー)は、毎日、ホラー映画の検閲にいそしんでいる。
だが、彼女は幼い時に一緒に遊んでいた妹、ニーナが森で失踪していた。
その自責の念が、彼女を徐々に狂気の世界に誘って行く。
◆感想
・年代を表すかのような、ざらついた画像が不気味で良い。更に言えば、1980年代のイギリスは労働党の鋼鉄の宰相サッチャー政権下にあり、様々な締め付けが行われていた。
その中の一つが、有害なビデオを排除する”ビデオ・ナスティ”である。
・ホラー映画検閲を生業とするイーニッドを演じるニアフ・アルガーが、暗い雰囲気を漂わせた美人である所が良い。
ホラー映画には、美人が殺されてしまうシーンが多いのはご存じの通りであるが、この作品ではそれを逆手に取っているからである。
■イーニッドは、仕事をする中、フレデリック・ノースと言う監督の「血塗られた教会」を見ている中で、幼い時に妹を見かけなくなった場所、建物と酷似する場面を見て、フレデリック・ノース監督の他作品を観る。
その過程で、彼女はフレデリック・ノース監督が、ニーナ失踪の鍵を握ると妄信し、更には出演している女優、アリス・リーがニーナであると、更に妄信を深めていくのである。
<イーニッドは、フレデリック・ノース監督の撮影現場に駆け付け、”役者”として、”狂気の演技”を披露するのである。
振り下ろされる鉈。飛び散る血潮。阿鼻叫喚の地獄絵図である。アワワワ・・。
今作は、美人ホラー映画検閲者が、幼い頃のトラウマにより、ホラー映画の世界に取り込まれて行く様を描いた、サイコスリラー&ホラー映画なのである。>
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