映画検閲のレビュー・感想・評価
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ウィスキーをありがとう
過激なシーンをカットする映画検閲の仕事をする女性が、ある日検閲した映画に行方不明となった妹の面影を残す俳優が出演しており…といった物語。
終始、陰鬱な雰囲気で進んでいき、イーニッドの荒んだ心があちこちに垣間見える演出。
本筋じゃないが、映画に影響された殺人が起きれば責められるって理不尽すぎる!!1つの作品が世に放たれるまでに、こんな作業も行われているんですね。
そんなこんなで、プロデューサー宅に行ったあたりから事が動き出し始め…まぁ正直このオチは見る前から想像はしていたけど。
行方不明の妹が映画の中に…という設定は中々に掴まれるし、理不尽に責められる映画検閲という仕事の大変さを見せながら妹の事件の真相に迫るサスペンス…みたいな展開でも良かったのかな〜なんて思ったり。
とはいえ、映像が乱れる恐怖演出等々はなかなか良かったし、カリコレファイナルの先行上映を見逃し、気になっていたので観れて良かった。
イギリスにもあった閲覧禁止の歴史
日本よりは言論の自由に対して感度が高いだろうと思っていたイギリスも1980年代にはレンタルビデオの「閲覧禁止」指定なんてあったのかと意外な発見のあった作品でした。でも、その審査を仕事にする人は、一日中レイプや惨殺映像ばかり観続けるのですから頭の平衡感覚が可笑しくもなるでしょうね。本作は、そうした下衆ビデオの中に幼い頃行方不明になった妹を見つけたお話。ミステリーなのかと思ったら次第にホラーテイストが強まり、最終的には訳分からなくなってしまいました。観ている者はポツーンと置き去り。
サンダンス映画祭のベスト作品に選ばれた?
そうざんすか。
映画を検閲して、残酷描写のどこをカットするのかを生業にしている検閲官の女性。
彼女には少女の頃、突如として行方不明になった妹がいて、その事が理由で両親とも不仲になってしまって仕事以外に何もする事ができないでいる。
ある日、ホラー映画を見ていると行方不明になった赤毛の妹にそっくりな女優が出演しているのに気づく。
仕事のツテを頼って、その映画を撮影した監督を探し出す。行方不明になった妹に会う事はできるのか?というお話し。
検閲する映画のソフトがDVDではなく、ビデオカセットテープで、連絡手段は固定式電話で、主人公の検閲官の愛車が今はあまり無いセダンなので、映画の舞台は80年代だという事が分かる。
80年代は安っぽいゴア描写のホラー映画がたくさんあって、宮崎勤がピーターの悪魔の女医さんを持っていたとか、ホラー映画に影響されて犯罪者になるからホラーを規制しろとかいう運動が盛んで、レンタルビデオ屋からそのホラー映画が撤去されたりしてホラー映画ファンには居心地が悪い時代でした。
さあ、そんな時代にホラー映画の検閲をしすぎて、若干病んでしまった主人公が自宅にかかってくる匿名の脅迫電話に怯えて精神のバランスを崩してしまい、奇行に走ってたりしつつ行方不明になった妹を探し出したのだがぁーーーー!?
普通のドタマがついているならば、今まで積み重ねてきた話しに沿って、ラストに向けて話しを進めていくのだが、ラスト直前になって何の伏線も無く、
今までの話しは映画の撮影で、検閲官はホラー映画の主人公に突如変わってしまうのだ...。
え?何それ?
で、妹を襲う殺人鬼役の役者をオノで腹を切り裂いて殺してしまう。傷口からは殺人鬼の顔が埋まっていて、一言、二言、喋って動かなくなる。
妹を助けようとした検閲官は、妹に駆け寄るがそんな姉を見て妹は逃げ出す。
呆然と立ちすくした検閲官。と、その画面にノイズが走ってビデオデッキから映画のタイトルが表示される。これでタイトルの伏線か・い・け・つ🎵
って、おい!
この映画は80年代がテーマだけど、映画のオチまで80年代なら何とか通用した安っぽいオチって、そりゃないぜ?世にも奇妙な物語でも、やらねーよ!こんな陳腐なオチは!
野球の試合見てたのに、いつの間にバスケットの試合が始まってダンクシュートで試合終了してしまうのと同じじゃん?
斬新なラストと評価する人もいるかもしれないが、いいか?これは斬新じゃない!?
誰しもが一回は思いつくオチだけど、あまりに陳腐だから誰もやらないオチなんだぁーーー!?
イトカワに、はやぶさが到着するこの時代に、高校生の自主制作の映画のような陳腐なオチを思いつく、監督の頭の中がどうなっているのか不思議。
結婚式で
「 人生には、大切な三つの袋があります。一つは堪忍袋、二つ目は知恵袋、三つ目は胃袋です!」
と、言わなきゃいけないのに最後に
「 三つ目は金玉袋です!」
と、口を滑らせてしまったくらい取り返しのつかない事をしてしまったのと同じ事だぁーーー!?
これが、サンダンスのベスト作品だって?君達は、過去のホラー映画を一本も見ていない人ですか?この映画のどこを見てベストと思いましたか?これが面白いと思うんだったら、何見ても楽しめて幸せでござんすなぁ?
怖いもの見たさで、見てもいいけどさ?この映画とホラー映画のサユリが同じ料金で見れるのは納得できない。この映画を見ようと思うなら、その料金をホラー映画のサユリに使った方が良いです。
Z級のつまらない映画。見なくていいよ?
テーマと雰囲気は良かっただけに残念。。。
映画検閲というテーマ、メタが好きなのでドストライクでした。すごくいい。
80年代イギリス、衣装や美術がリアルで、どっぷり雰囲気に浸かれます。ヒロインの衣装もキャラクターに合ってて抑制的なのですが、レトロさもあって。すごくいい。
作中、さし挟まれる劇中映画の映像も、質感がアナログVHSらしくて、浸れます。最近『ビデオドローム』を観ていたので、ヒロインが家で分厚くて四角いブラウン管テレビでVHSを再生しているところは、オマージュを感じました。終盤、野獣男の腹(胸?)の傷口からヌメヌメした何かが出てくるところもオマージュでは?
終盤に向けてヒロインがホラー映画の中に入り込んでいく過程。コテージでメイク係に会って、監督との邂逅の後、女優としてあのシーンに臨む… という流れが、自分的には一番アツいポイントでした。
ただその後なんですよね。。もっと畳み掛けて欲しかった。あと、ギリギリまで、観客にもこれは現実なのか?ヒロインの妄想なのか?わからないようにして欲しかった。それがバレるのが結構早いので、あとは冷めて見てしまいました。ラストも、ヒロインの理想と現実の落差をもっと見せて観客を絶望に叩き落として欲しかった。
なんじゃこりゃ。
現実と虚構の区別がつかなくなったいかれた自己中な女性の話だった。妹に似ていると思い込む過程が唐突すぎて話についていけない。ここまでいかれちゃうならもう少し周囲の人達との絡みを入れ込まないと。ホラーシーンも行き当たりばったり的な展開でつまらん。
PG12
日本でいうところの映倫で映画のレーティング審査をしてる女性が残虐映画を見続けて気が狂う+映画の中に亡くなったはずの妹に似た人がいるのWパンチで狂気じみていくという触れ込みがめっちゃ面白そうで期待してたんですが…期待しすぎたのか高いハードルの下の方をくぐっていってしまいました。
現実の方でグロさが全開になるのかと思いきや、グロさは基本的に映画の中の演出のみで、そのエグさを現実サイドで超えてくることが無かったのが物足りなさに繋がっていました。
実際の事件が起こったことにより検閲官が誹謗中傷に合うというのはなかなか珍しく、規模に違わず日本の映倫でもそんなにグロくないorえちちじゃないのにR指定にしたり、結構エグい描写があるのに全年齢対象だったり(今年だとサイレントラブ)、色々疑問に思うところもあるので検閲の結果を事細かく書いて欲しいなと思う一般人は私です。
古き良きホラーをオマージュしているのが裏目に出てしまっているせいか、シリアスだった前半からドタバタしたホラーになってしまいバランスが悪くなってしまったなと思いました。
最後のオチも予想の範囲内でもうちょっと捻った終わり方だったらなとは思いつつも予算面や上映時間的にそれを逆転できるものは無さそうだなと無理くり納得することにしました。
ラストのイーニッドの表情は結構良かっただけに残念。
題材の面白さの反面、物語が追いついていなかったなぁという印象でした。
こういう感じのテーマで大当たりが将来的に出てきてくれればなぁと思います。
グロやエロには対応できるので検閲の仕事をしてみたいなーと思ったりもしているんですが、グロい映画ばっかり観てたらトラウマなんかなくてもイーニッドみたいに少しずつ生活が浸食されていくのかなとも考えてしまいました。
鑑賞日 9/19
鑑賞時間 18:10〜19:40
座席 C-11
この映画は検閲ミス?
過激な映像を検閲する主人公が、徐々に現実と妄想の境目を失ってしまう様子を描いた、サスペンスホラー。斬新ですごく面白そうな設定に結構楽しみにしていたんだけど、勿体ない!と思っちゃう、少し残念な映画だった。
レビューも全体的に低評価だったから覚悟はしてたけど、映画検閲官というこんないいテーマ、上手く生かしきれなかったのは正直ガッカリ。もっとこの映画にしかできない展開や終着点はあっただろうに。結局、この映画もよくあるB級映画の枠を超えることは出来てないんだよねぇ。
普通のホラー映画はというと、現実とはかなりかけ離れた、スクリーンの向こう側の存在だと認識することが多く、登場人物に共感を得たり、親近感を感じることは限りなく少ない。ただ、本作はそんな非現実的なホラー映画を検閲する女性が主人公のホラーであるため、こっち側の人間というか、他のホラー映画のキャラよりも自分たちと近しい存在として、従来とは違う目線で映画に入り込むことが出来る。これはまさに、アイデアの勝利。フィクションなのにノンフィクション、ドキュメンタリー感が強い。ここはすごく良かった。
前半パートに関しても、残虐な映画を冷静な判断で検閲する主人公・イーニッドに惹かれていき、彼女の過去背景もわりと丁寧に描いていることからかなり楽しめていたんだけど、プロデューサーの家に来訪する辺りから様子がおかしくなり、描写も脚本も全てが雑で良くない方向に走ってしまった。映画と現実の狭間が曖昧になってしまった、ってのは面白いけど、にしては演出や情景描写不足過ぎるし、急に暴走する主人公に着いていけなかった。これまでの丁寧さはどこに?
しかもR15+にしてはあまりグロくないし、グロイシーンも検閲する映画の中だけであって、かなり物足りない。もしかして、検閲ミスしてる?映倫もよく何でこの映画規制入ってんの?と思うことよくあるからな〜。せっかくのいいテーマだから、もう一度予算を増やして新たに作って欲しい。でも、イーニッドを演じた女優さんはすごく良かったよ!
真面目に作ったほうが面白かった
2024年劇場鑑賞236本目。
内容知らずに鑑賞したので、映画の検閲の歴史を伝える実話ベースのドラマなのか、ホラーの世界に巻き込まれていく系かどっちだろうと思いながら観ていました。
いっそ80年代のグロホラーの衝撃シーンだけ集めたドキュメンタリーの方が面白いんじゃないですかね。余計な事して陳腐な出来になってしまった感があります。
80年代へのリスペクトを感じる、よく出来たホラー。
思ったよりガッツリとホラーしてた。
けっこうエゲツナイです(笑)
80年代のイギリスが舞台で、サッチャーがテレビに映ったりするけど、テレビはブラウン管、ビデオデッキにビデオテープ、やっぱホラーはアナログが似合う。
スプラッターあり、ジャッロあり、空気感も80年代のホラーで、懐かしい気持ちになるのと同時に、本格的な感じに敬服しました。
観始めて、すぐ思った事だけど、あの映画っぽい。
あと、けっこう怖かったです(笑)
レイトショーで観たら自分を入れて2人だけ、なんか後ろが気になった(笑)
最後は考察を要しますが、主人公イーニッドは…だから…って事ですよね?
映画スコアは、70~75点ぐらい。
ホラーファンの方は、ぜひ観て下さい♪
ホラー映画の検閲をやりすぎて、自分でも現実を「カット」するように...
ホラー映画の検閲をやりすぎて、自分でも現実を「カット」するようになってしまった女…メタ要素混じりのジャッロテイスト・ホラー。ヒロインの過去についての意外な真相が明らかになる、のではなく現実を上書きしてしまう方向に行くのは予想外だが、いささか理屈に寄りすぎな気もする。EDはサスペリアリスペクト?やっぱりホラーにはブラウン管とビデオテープ!
最後にあれをやっちゃうと、一定数の低評価がつくのはデフォだと思う
2024.9.19 字幕 アップリンク京都
2021年のイギリス映画(84分、R15+)
1980年代のビデオ・ナスティ論争時代の映画検閲官の精神崩壊を描いたスリラー映画
監督はブラノ・ベイリー=ボント
脚本はブラノ・ベイリー=ボント&アンソニー・フレッチャー
原題は『Censor』で「検閲」という意味
物語の舞台は、1980年代のイギリス・ロンドン
サッチャー政権が打ち出した方策により、個人的に販売された低予算ホラーも検閲の対象となり、有害と思われるシーンはカットされることになった
イギリス映画分類委員会の検閲官として働いているイーニッド(ニアフ・アルガー、幼少期:Beau Gadsdon)は、「リトル・ミス・パーフェクト」と呼ばれるほどに、優秀な検閲を行なっていた
委員会には、彼女の他にもサンダーソン(ニコラス・バーンズ)、アン(クレア・バーキンズ)、パーキンズ(ダニー・リー・ウィンター)などが所属し、彼らをまとめているのはフレイザー(ビンセント・フランクリン)だった
フレイザーは映画プロデューサーたちと仲が良く、とりわけホラー映画を手がけているダグ・スマート(マイケル・スマイリー)とは旧知の仲だった
ある日、職場にダグが訪れ、イーニッドに目をつける
「検閲に飽きたら銀幕デビューさせてやる」と言うダグは、ホラー映画監督のフレデリック・ノース(エイドリアン・シラー)との新作を手がけていた
前作「野獣男」が大ヒットし、その続編を制作していて、ダグはイーニッドに試作段階の映像を見せることになった
映画は、その映像に幼少期に失踪した妹のニーナ(Amelie Child Villiers)らしき女性が映っていたところから動き出す
それは女優のアリス・リー(ソフィア・ラ・ポルタ)で別人なのだが、イーニッドは彼女が生きている妹だと思い込んでしまう
イーニッドが検閲を繰り返す中で、残虐なシーンを見すぎておかしくなってしまうとか、精神的な負担から見逃して問題になってしまうとか、過去に検閲した映画の模倣犯が現れてしまい、その責任を追求されるなどのストレス過多の様子が描かれていく
そうした中で、一縷の望みのように思えた映像にのめり込み、アリスに会うためにダグの家を訪れたりもする
そこで事故が起きてしまい、ダグは死んでしまうのだが、そこからさらに撮影現場に向かったり、そこでアリスとの共演をさせられたりといった非日常の世界へ入ることを余儀なくされてしまう
映画は、どこまでが映画内リアルで、どこからが映画内虚構なのかわからない内容になっていて、ラストでは「Censor」というタイトルのビデオテープが取り出されるところで終わる
このラストのシーンは、劇中でイーニッドが手にするビデオテープ「The Day The World Began」の再現シーンのようになっていて、そこにいるのは両親ではない
また、検閲されて却下されたビデオの中に監督自身が血まみれになる女優役で登場していて、遊び心が多い作品になっていた
このあたりは、ビデオテープ型のパンフレットに詳しく書かれているので、興味のあるホラーファンは必読かもしれません
いずれにせよ、本線はスリラーだが、ホラー映画の検閲をしているので、ホラー描写が死ぬほど多いので注意されたい
検閲に引っかかるレベルの残虐なシーンが多いので、ホラー映画に慣れていない人にとってはちょっとハードルが高い
個人的には「最初から最後までフィクション」と言う感じで、この映画は検閲を無事に通りましたよと言うメタ構造になっているのだと感じた
首が切断されて飛んでいくシーンとかが普通にあり、あの時代だとアウトだと思うのだが、今ではセーフと言う意味合いがあるのかもしれない
政治利用されたビデオ・ナスティ問題でもあるので、興味のある方はググるかAIに質問して見識を深めるのも良いかもしれません
「検閲」が何を指すのかが微妙
今年335本目(合計1,427本目/今月(2024年9月度)21本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
「不適切な」VHSを検閲する仕事の主人公がある日みたVHSビデオに映っていたものと、彼女の過去とが交差するホラーものです。VHSなんてめったにみなくなりましたから、ある種ノスタルジーを感じますね。
むしろ、VHSという文化が1970~80年代に国は違っても流行ったのは事実で、現在ではおよそ見ることはないですが、文化だけは知っているという方は若い方でも多いし、映画の趣旨としてVHSが出てくることに特段意味がなくても出てくる場合があります。この映画もしいていえばそれに該当します(DVDでも成り立つので)。
個人的に気になった点として、何をもって「検閲」というかです。日本ではこの映画で述べられている行為は検閲ではなく(後述)、また国によってはまだ検閲が残る国はありますが、イギリスにおいては日本よりも早く廃止されていたものです。もちろん、国による国家権力を伴うものとは別に、民間の個人がおこなうものも「広くとれば」検閲という言い方をする場合もあり(超広義に取るのなら、映画のレーティングを決める行為もそれに「あたりうる」)、かといってこの映画を憲法論で解釈するのは無理がありすぎであり(そういう展開は一切出てこない)、一方で主人公(イーニッド)の仕事もよくわからず(真っ暗の部屋の中でひたすらVHSを見ているだけで、何らか国の機関などが映るわけではない)、どういう趣旨なのだろう…といったところはあります。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/「検閲」が指す内容が理解しがたい)
日本では、最高裁判例の積み重ねで、検閲とは、「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的とし、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを特質として備えるもの」をいいます。
「行政権が」「発表前に審査し」という2点が特に重要で、例えばプライバシー侵害を含むような内容の裁判所の事前差し止めは検閲ではありません(北方ジャーナル事件)。また、「発表前に」は外国も含みます(税関検査事件)。
これらの「検閲の定義」は国によって多少は最高裁(に相当するもの)によって定義はことなりましょうが大きく異なるものではなく(むしろ先進国でこれと大幅に異なる見解の国があるほうが表現の自由の観点で危うい)、この映画のタイトル等でいう「検閲」が何を指すのかはかなり謎です(少なくとも日本語タイトルとしては意味が破綻している。主人公のイーニッドは行政権を行使していないため)。
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自滅型主人公をホラーテイストで描く。
監督インタビューでDリンチとDアルジェントの影響、ホラー愛を語っていてそれがまんま絵に現れてた。
ちょいと予算不足と中弛みを感じたが監督も役者も頑張っていてイカれていく過程はかなり丁寧に描かれていて見応えはある。予算不足はB級ホラー感が出てむしろ良かったのかもしれない。
次作がどんな作品かわからないけどこの世界観を育てて欲しい。ちょっと先が楽しみな監督である。
歪んだ鏡像で観るヒッチコックっていうところかな。(ほめてはいない)
制作者はどういった完成イメージを持っていたのかな?意図が分からない、あっちいったりこっちにきたり、ウロウロしている映画だなと思った。
まず「映画検閲」っていうタイトル。映画は言うまでもなく一国の文明を代表する表現物です。そして、人々がみたいものとオオヤケが抑制したいものは宿命的に対立する。つまり文化と権力の間の綱引きが検閲に表れるわけで、一つの国における検閲制度の分析は、文化論、政治論につながり実に興味深いところがあります。本作では80年代イギリスで「ビデオ・ナスティ」といわれた暴力表現の多い映画とその検閲が描かれている。検閲されるということはそれだけ需要もあるということ。イーニッドが貸ビデオ屋でフレデリック・ノース監督の作品を探すシーンがあるじゃないですか。ビデオは裏から出てくる。同じ頃の日本では裏ビデオがレジ下から出てきたのでした。検閲の主要ターゲットが暴力表現か性表現かという違いがあって面白い。
でも検閲制度に踏み込んだ部分は最初だけでそこを掘り下げるような話ではなかった。イーニッドは検閲官であったため、ある情報に接することとなる。検閲はストーリーのきっかけだけなのです。そしてイーニッドは身内の謎に迫りながらも彼女自身がどんどんおかしくなっていく訳でこれはサスペンスドラマの定番ですね。例えばヒッチコックみたいな。そう、この映画はスプラッター化したヒッチコック、歪んだヒッチコックみたいなところがある。ヒッチコックは本当はこういうことをやりたかったんだろうな。(彼の時代ではああいったスプラッター表現はできなかっただろうから。おそらく好きだっただろうけど)というとほめているように聞こえるかもしれないが、後半、森に入り込んでからの展開があまりにもつまらなすぎる。想像力をあまり感じられない。私はホラー映画はあまり観ないので間違ってるかもしれないけどホラー映画のファンの人からしてもこれは多分、ダメダメですよね。
全編通じて一番驚いたのは大声をだしている一箇所だけという有り様。小学生の肝試じゃないんだから。
鑑賞動機:メタ〜!9割、あらすじ1割
意識的ではあるのだけれど、メタ構造を今ひとつ活かしきれていないというか、面白さに繋がりきれてない、という印象。現在の現実、現在の幻想/妄想、過去の記憶、過去の現実それぞれの違いや逆に混ざり合うことで生まれるものを結構期待していたのだけど。
ラストカットはちょっとニヤリとする。
期待度○鑑賞後の満足度○ 即カルト映画行きになりそう。この映画も“SENSOR (検閲)”されてるんでしょうな。ラストの15~10分くらいはケッサク!
①イギリスは「紳士の国」と言われているが、結構下品でグロいところも多い。
いまハマっているM・W・クレイブンのポー警部シリーズもミステリーとしてとても面白いが結構グロい。
②冒頭ではエログロC級映画を厳しく検閲してカットしていたキャリアウーマンが、最後には自分がカットしていた映画の内容そのままに人を惨殺する狂女と化す流れは、イギリスらしいブラックジョークたっぷりの皮肉か、と思ってしまう。
③途中ちょっとだれるけれども、ラストシーンでやや一発逆転。
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