劇場公開日 2024年6月21日

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「【”中古品ネット売買詐欺に抗議しただけなのに・・。”今作は、ポチッとクリックするだけで相手の顔も観ずにモノを買う風潮に隠された闇を描いた作品である。】」ターゲット 出品者は殺人鬼 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”中古品ネット売買詐欺に抗議しただけなのに・・。”今作は、ポチッとクリックするだけで相手の顔も観ずにモノを買う風潮に隠された闇を描いた作品である。】

2025年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■フリマサービスで中古の洗濯機を買ったスヒョン(シン・ヘソン)のもとに壊れた洗濯機が届く。
 詐欺にあったことに気づいたスヒョンは自ら壊れた洗濯機を売りつけた犯人をSNS上で見つけ、返金を要求し、怒りに満ちたメッセージを送りつける。
 しかしそれ以来、スヒョンの身に頼んでいない宅配の食事が大量に届いたり、ついには殺人事件まで起こり始める。

◆感想

・今作を観ると、どうしても大ヒットした「スマホを落としただけなのに」シリーズを想起させるが、そこは流石韓国映画である。
 犯人が、強気な怒りのコメントをスマホで送り付けたスヒョンに対し、顔を見せずに苛つく多くのパソコンに囲まれた部屋の中で椅子に座りながら貧乏ゆすりをする様が、マア怖い。

・そして、犯人がスヒョンの家に頼んでいない宅配の食事が大量に届けたり、更には彼女の住所、実家、学歴迄調べ上げるシーンは可なり怖い。
 実際に、出きそうに見える所が秀逸である。

・当初は警察がナカナカ動かない所も、あるあるである。じれったいなあ。けれどもチョ刑事が示す同様の事件が多数有る事実。実際に、韓国では同様の事件が多かったのが背景であるが、今作の犯人は更にエスカレートして行くのである。

・前半は静的なトーンで、恐ろしさが描かれるが、後半は韓国映画お得意の、カーチェイスを交えて、警察と犯人との攻防が描かれるのである。

・チョイと、残念だったのは、犯人の姿が想像通りのポッチャリ体形で、肉弾戦になると弱っちい所かな。
 あとは、何故に犯人があのような、歪んだ思想と行動に走ったかが、示されるとより良かったかな。

<けれども、今作の設定は十二分にリアリティがあったし、他人ごとではないと思わせる所が怖かったよね。
 今は、インターネットでポチッとクリックしてモノを買うのがフツーだけれど、それは相手の顔が見えない中で行う訳で、いまだに続くインターネット販売でのトラブルなども、想起させる点が、オモシロ怖かったかな。じゃーね。>

NOBU