「誰もが島んちゅの宝を狙う」宝島 重村牧男さんの映画レビュー(感想・評価)
誰もが島んちゅの宝を狙う
立地上、誰もが欲しがる島が沖縄である。
島自体が宝なのである。
直木賞を取った原作に豪華キャストが挑む長編大作。
ただ気になったのは大友監督。
アクションに重きを置く監督だけに、
人間描写が希薄にならないかが心配であった。
他の監督なら、どう描くかも観てみたい。
しかし、監督は沖縄に思い入れがあったようで、
日本でも、アメリカでもない沖縄の怒りを描きたかったようであり、その思いは伝わった。
そもそも琉球王国自体が日本と中国の間で、
翻弄されていた土地であった。
ウチナーの誇りを見せ、行方不明になったオンちゃん。
同じ行動を起こしながら、
逮捕されずに逃げ切ったグスクは刑事に、
逃げ切れずに逮捕され監獄行きになったレイはヤクザの道へと分かれた。
広瀬さんでは若すぎるのでは?
と感じたヒロインヤマコは教師に。
三者三様にオンちゃんを探すことになる。
そして物語が語る『宝』とは一体何か?
沖縄現代史と絡めながら謎を解く。
この重厚な小説を映像化するにはやはりある程度無理があるし、
観る側も歴史や方言を理解する知識もある程度必要なんだなと感じた。
今もなお改善点のない沖縄。
現地に行けばよく分かる。
激しい対立が見えないところで動いている。
本土の人が軽々しく語れない混沌さがそこにあるのだ。
ただし、観光面で言えば、本土と違う文化が存在している点は武器となっている。
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