春の香りのレビュー・感想・評価
全46件中、21~40件目を表示
涙腺弱いけど、泣くまでは…周りは号泣
大枠では良く有る話
家族愛と恋愛がシンクロしながら話は進む
学校の先生と専業主婦 そして二人の娘(娘の一人は脳腫瘍→漫画家志望)脳腫瘍の娘は通信制高校に通い恋に落ちる
恋に落ちた男性に、好きな人が出来たといった嘘をつくなんて初々しくて…
生きていることについて感謝を覚えたが、涙がでるまではいかず
実話をオマージュしたようだが、何かもう一つ欲しかったカモ(何かと言われると…)
桜が咲くたびに思い出して欲しいのは、恋に輝く彼女の笑顔だったと思う
2025.3.19 アップリンク京都
2025年の日本映画(102分、G)
原案は坂野貴宏&坂野和歌子著作の闘病記『春の香り』
膠芽腫と戦った高校生を描いたヒューマンドラマ
監督は丹野雅仁
脚本はカマチ
物語の舞台は、愛知県江南市
小学校の頃に膠芽腫と診断され、摘出手術を受けた藤森ハルカ(美咲姫)は、治療の効果もあって、通信高校に通うことができるまでに回復していた
ハルカの趣味は漫画を描くことで、特に少女漫画のような王子様展開を好んでいて、そのキャラクターにタクミという名前をつけていた
父・孝之(松田一輝)は高校で体育教師をし、母・美佐子(櫻井淳子)は付きっきりでハルカの面倒を見ている
ハルカには少し年上の姉・ユウカ(篠崎彩奈)がいて、高校の先輩の川上(平松賢人)と付き合いだしたとはしゃいでいた
物語は、ハルカが通信高校に通い、そこでクラスメイトの杉山巧(佐藤新)と出会うところから動き出す
自分の王子様と同じ名前を持つ巧はイケメンの高校生で、胸の病気に罹ったのではないかと勘違いするほどだった
母が父と自分の弁当を取り違えたことがきっかけで接点ができたのだが、その後も二人は学校の屋上で秘密の時間を過ごしていく
巧が電車通学をしていると知ると同じように通いたいと言い出し、彼がバイトをしていると知ると、バイトをしたいと言い出してしまう
回復の兆しと捉えていた家族たちだったが、ある日のバイト中にハルカは意識を失って倒れてしまった
主治医の小早川先生(光徳瞬)によると、膠芽腫の再発ということで、新しい手術にて「可能な限り腫瘍を摘出すること」になった
手術中に覚醒させて、会話をしながら脳の機能を確認するというもので、手術は何とか成功を収める
だが、副作用としての精神的な反応、手の痺れや視界不良などが起こり、ハルカは筆を左手に持ち替えて、漫画を描き続けようと試みた
映画は、実話ベースのフィクションということで、どの部分がフィクションなのかは原作にあたる闘病日記を読めばわかる
主題としては、思い出してもらうことの幸せというものを念頭に置いていて、ハルカの人生はこんなにも困難だけど素晴らしかったというところを記録として残しているような作品になっている
実際の闘病生活はもっと大変で鬼気迫るものだったと思うが、映画ではかなりオブラートに包んでいると思う
それでも、自分の意思とは関係なく起こる自傷を認知しているし、「自分が何をしても、生きたいと思っていることは忘れないでほしい」というハルカの言葉は真に迫るものがあった
いずれにせよ、完全虚構だと、ハルカの描いた自分の漫画(実際には描けない思う)を読んだ母親が巧の存在を知って探す、みたいな展開がありそうだが、現実的な路線に着地していたように思えた
ハルカがあんなに楽しそうだったのは何故かということが家族に伝わる内容になっていて、彼女は月1回の出席で恋をしていたことがわかる
彼女は普通のことをしたいと思っていて、その一部が叶っているとも言えるので、母親としてはそれがわかっただけでも良かったのかもしれない
病気はいつ何時自分の身に降りかかるのかはわからないが、何があっても生きたいと願い、生きていることに感謝をするのはとても大事なことだろう
公式HPには「もう一つの物語」と題されるショート動画(両親による語り)もあるので、そちらも重ねて視聴することをオススメしたい
生きていることは奇跡
既に親目線
実在した一人の女の子の願いが託された作品
生きることを諦めなかった女の子の願いが継がれている。
実話を基にした作品だが、敢えてフィクションに近いかたちになっている。
それは製作された方々の贈り物でもあること。
この作品を観ていて気が付いたのは、観ている自分を登場する誰の目線で観るかで世界が変わること。
悪性脳腫瘍の膠芽腫の症状、同時に精神を患った描写が繊細だった。
現実との境界線の曖昧さに吸い込まれる。
完全にフィクションとして観れば恐らくありきたりと感じるだろう。
観たあとに無性にからあげやシュークリームが食べたくなるだけになるかもしれない。
作品のHPで少し予習をしてぜひ観て貰いたい。
当たり前に慣れきった今には必要な作品だと思う。
久方ぶりに気に入った作品だが、残念な事に上映している劇場や回数が少ないのだ。
観れる場所が増えてくれたら嬉しい。
原作をより叙情的に描いた作品
映画「春の香り」を観賞しました。
佐藤新くんの出演が決定した時には原作を読み、映画の公開を心待ちにしていました。
主演の女優さんを初め、櫻井淳子さんも大好きだしわざわざ遠方まで見に行って良かったです。
原作では春香さんの闘病と家族の介護の様子を中心に手記のような形で描かれており、才能に溢れまだまだこれからという時に病気になったご本人の苦悩も伝わってきました。佐藤新くんは春香さんが賞をとった漫画の主人公ということで原作の中ではどのような話かということはわかりませんでした。
映画では春香さんの病気が進行していき生活が変わって行く様子、佐藤新くん演じる巧くんが現実に出会い心を許していく場面が春香さんの心情を通して叙情的に描かれていて、決してドキュメンタリーに仕上げた映画ではなく、漫画とフィクションが見事に交錯してまとめられていて作品としてかなり質の良いものでした。
途中お父さんが堰を切ったように泣き出すシーンから後は涙がとまらず、悲しい感情が何度も押し寄せました。
特にシュークリームや唐揚げを食べるシーンはどんな辛い時も美味しいものを一緒に食べると前向きになれたり乗り越えようとする活力が生まれるそんな印象的なシーンでした。その時に流れた音楽のミスマッチが妙で作品の質がグンと上がった
気がします。
佐藤新くんの原作にはない演技も見所のひとつで、求められる演技の再現性がすごく高い俳優さんだしほんとに表情が良くて、今回の恋愛物もうれしいですが、これからサスペンス、バディものいろんな役を器用に演じていくんだろうなと期待してます。
全国公開を1年くらいかけて少しづつしてそのうち地方でも満席になるんじゃないかと思います。
一緒に行った方たちは春の香りの音楽に出会えたことも良かったと言っていました。
ただの悲しい映画ではない
板橋のイオンシネマで鑑賞
映画を観る前は闘病する女の子の悲しいお話と思ってましたが、闘病における本人と家族のリアルな描写が辛かった
佐藤新演じる巧くんはまさに漫画の中から飛び出て来た男の子だった。2人の場面は美しかったが、今どきのキュンキュン恋愛映画の様なペラペラ感はない。2人ともとても丁寧で繊細な演技だった。多くの人に観てほしい。
もっと上映館増えるといいし上映館での上映回数も増やしてほしい。流石に1回のみの上映は少なすぎ
心に刻まれる作品であり、より多くの方に観て欲しい作品!
笑いを大切にしよう
小学6年生の頃に脳腫瘍になり、普通の生活を送れなくなった漫画家になるのが夢のJKの話。
通信制の高校に転入し初めて登校した日、自分の描いているマンガの登場人物と同じ名前のイケメン君と出会い巻き起こっていくストーリー。
母親に送ってもらった不安な朝から一転、月に一度の登校が楽しみになったけれど、発作が起きるようになり、腫瘍の再発が発覚し…という展開だけれど、プロローグの部分でその後の様子をみせられているから、それ自体にはあまり揺さぶられないんだよね…。
ドラマとしては有りがちな話しではあるものの、実話ベースのフィクションということだし、若い子がこんな境遇に置かれる悲痛さはしっかり伝わってとても良かったのだけれどね。
美咲姫さんと新くんの瑞々しい演技が見どころ!
桜のポスタービジュアルがとてもキレイでそれによく合う美しい主題歌。春香さんの透明感のある瑞々しい演技と巧くんのこんなの誰でも恋に落ちてしまうに決まっている!というような爽やかで包み込んでくれるような優しい笑顔。予告を観てきっと漫画に恋に一生懸命に生きた春香さんの美しい映画になっていると勝手に思っていたが、後半になるにつれてだんだん苦しくなってきた。家族だからわかるそれぞれの辛さがこれが実話をもとにした映画である事を嫌でも思い知る。頭の奥に響く重く低い音の数々に不安感を煽られた。巧くんとの屋上のシーンで印象的だったのが、春香がふと巧くんのリストカットの跡を見つけてしまい、巧くんの過去を知り「ずっと死にたいって思ってた」という巧くんのセリフ。これには胸がズキッとした。ずっと生きたいと思っていた春香さんと死にたいって思っていた巧くん。巧くんは一点の曇りもなくこの映画の希望だと思っていただけにドキっとしたセリフでした。巧くんには病気の事を話して欲しかった。「好きな人ができた、ごめん」で終わらせられた巧くんのメンタルが心配に。家族の物語りであり、実話である事はわかるけれど、映画としては春香さんの架空の恋愛も掘り下げて一緒に乗り越えていくストーリーがプラスされたらさらに深い物語になったのかもしれないとも思うし、2次元的な存在だった巧くんにも現実味が増すのかもしれない。
個人的に美咲姫さんのモノローグの声がとても可愛かった。佐藤新くんのキラキラしただけではないどこか影があるような繊細な笑顔が巧くんのエピソードを聞いた後ではより役柄にぴったりはまった。再発後、夢うつつになっていく中で何度も巧くんの夢を見るシーンの巧くんが印象的。なにが現実か、もう全部夢だったんじゃないかと思ってしまう。最後、屋上で春香さんを抱きしめる巧くんの演技が圧巻だった。一言しか喋らないし、髪の隙間からのぞく目線と呼吸や手の力加減などで見事に感情を表現していて心が震えた。春香さんの夢の中だからこそあんなに美しく儚い2人のシーンになったんだと思う。予告で観ていた巧くんとの素敵なシーンの数々がまさか夢だったなんて・・・桜のラストシーンが幸せそうでここから始まるアナザーストーリーを期待してしまう。
闘病中の苦しさ辛さだけでなく、生きることの素晴らしさ、生きるとはど...
家族とヒーローの存在が大事
よくある闘病ラブストーリーだと思ってたら違った。ハルカはタクミに病気のことを一切知らせず、タクミが介入することもない。てか、タクミは存在したのか?最初から最後まで全て妄想の可能性もありますよね。ハルカは家族にタクミの存在を知らせないし、寝言で「タクミ…シュークリーム」って言ってても"タクミ"を聞き取ってないんですよね。
タクミ、腕に傷があるのに普通に半袖着てるの気になった。まあ気にせずに半袖着る人もいるけどさすがに居酒屋バイトは隠してって言われますよ…(当事者)
姉の葛藤も、家族に病気の人がいるリアルを描いていてよかった。姉が親に「面倒臭いと思ったことない!?」って言って、親が何も言わなかったのもよかった。姉はまだしも親は子に生を与えた人として泣き言を言ってはいけないと思う。私なら確実に親に「じゃあなんで産んだの?産まなきゃ苦しまずに済んだのに!」って言ってしまうね。
ハルカが、腫瘍が原因で本人の意図ではない自傷行為をしてしまう場面。「ハルカがあんなこと…」みたいに両親に言われてたけど、一種の自衛本能なのかなとも思った(病気のこと詳しくないからなんとも言えないけど)「死にたくない」と死の恐怖に怯えながら死ぬより、「死にたい」って思いながら死ぬ方がマシだと思うし。誰にも共感してもらえないけど、もし私が不治の病にかかったら「死にたい」って思えるようになりたい。「生きたい」って思いながら死ぬことほど残酷なことってないと思う。
実話を基にした作品でハルカが実在するんだから、失禁シーンはいらないと思う。『1リットルの涙』でもあったけど、年頃の女の子がそういった場面を描かれるの本人が望んでると思う?伏線になってるわけでもないし必要性を感じない。作り手のエゴだと思う。
この映画で学んだことは、「物忘れがひどくなったら病院へ行こう」「物が二重に見えて掴めなくなったら病院へ行こう」ですね。脳の病気って本当に怖い。
キャスティングは素晴らしかった。主演の子は初めて見たけどオーディションで勝ち抜いたんですね。顔は飯豊まりえ系の美人なのに、"よくいる普通の女の子"感がよかった。佐藤新くんは、漫画好きな女の子が夢見るようなイケメンがそのまま三次元になったみたいな感じでよかった。
主題歌も和っぽい曲調で、柔らかくて春を感じさせる曲がマッチしていました。
【”奇蹟が起きますように。そして、有難う。”今作は、実話である。映画としての作りはやや粗いが、生きて居る事の有難さを思い出させてくれる今作には、大いなる価値があると私は思います。】
<Caution!やや内容に触れています。>
ー 明日は、あの哀しくも忌まわしい未曽有の天災が起こった日から14年目の日である。そして、今作を観て思うのは、健康で日々、生きて居る事の出来る有難さである。
今作のハルカのモデルとなった坂野春香さんは小学生の時に脳腫瘍を患い、普通の学校生活が送れなくなったという。
如何に辛かっただろうかと思う。年頃の少女が経験する楽しい事を、殆ど経験出来ないのだから。
けれども、彼女はその辛さを漫画を書く事で、乗り越えていたのである。
月に数度しか行けない学校で出会った、イケメンのタクミとの、屋上での昼休みの交流。ラインでの遣り取り。彼女にとって、生きて居る事を実感した時間なのだろうな。
今作のメッセージ”その人は居なくなっても、家族、大切な人の中に記憶は残る。”はとても、貴重な事だと思う。ー
<天災も、難病も突然襲って来る。だから私たちは"その日"が来ても後悔しないように生きなければいけないのだと思う。
そして、家族や友人の記憶に残るように、一日一日を大切に過ごさなくてはいけないのだという当たり前のことを、今作は想い出させてくれるのである。
あの哀しくも忌まわしい未曽有の天災の前の晩、今作を鑑賞して思った次第である。>
命の大切さ家族の大切さ
「生きててよかった」終始、涙が止まらない
実話を基にしたフィクションとのことで、悲しい結末であろうことは分か...
舞台挨拶付き上映で観ました
IMP.佐藤新くんが出演するきっかけでこの映画を知りました。すぐに原作本も取り寄せて読みました。
公開を楽しみに待っていましたが、命を題材とする作品という事で、観ることをすこし躊躇っていました。それは私も今までに何度も手術室に向かう娘を見送った経験があり、辛い記憶が蘇ってくるのではないかと恐れてしまったからです。
この映画がもしノンフィクションにこだわったものだったら、もしかしたら辛くて最後まで観ることは出来なかったかもしれません。しかし、「初恋をプレゼントする」と監督が仰っていたように、巧くんを通して描かれるフィクションが春香さんの伝えたかった、生きたいという想いや、生きた証をより美しく伝えてくれました。
どうしても苦しく涙が溢れるシーンはありますが、それでも改めて今自分が生きて、家族が生きてくれている事に感謝の気持ちが湧き上がってくる素敵な映画でした。
公開地域が増えて、もっとたくさんの人が観ることができますように。
全46件中、21~40件目を表示