「つい昨日のこと」流麻溝十五号 LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
つい昨日のこと
蒋介石独裁政権時の言論弾圧・いわゆる白色テロを映画の時代背景として描いた台湾映画はこれまで幾つか観て来ましたが、その苛烈な暴力・虐殺をここまで直接描いた作品は初めてです。1949~1987年の戒厳令下、反共の旗印によりあらゆる自由な言論を封じた時代に、政治犯の教育・更生施設として設けられた緑島での女性収容者を描いた物語です。
日本語・北京語・台湾語(2種類?)が交錯する台詞が複雑な台湾現代史を物語ります。1950~80年代の圧政は台湾国内の問題なのですが、日本植民地下の歴史を反映している事は否定できないでしょう。太平洋戦争が終わり、日本が去っても台湾の人々に自由は訪れなかったのです。韓国が軍事独裁に走ったのと似た構造です。
台湾ではこの時代がどの様に現在語り伝えられているのでしょう。今の若い人達も関心と知識を持っているのかな。
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