劇場公開日 2024年11月15日

「ラストの失速が残念」室井慎次 生き続ける者 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラストの失速が残念

2024年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

前篇を見たからには、後編を見ないわけには行かない。まあ、前編は悪くはなかったので一定の期待を持って観賞。

【物語】
室井の家の車庫が燃えるのを見て室井は慌てて子供達を避難させる。 幸い子供達3人に怪我は無かった。周囲の人間は放火を疑い、室井に「被害届を出して犯人を捕まえろ」と言うが、室井は「被害届は出さない」と頑なに拒む。

一方、家のそばで室井が遺体が見つけた遺体遺棄事件の捜査は佳境を迎えていた。警察は刑期満了で出所後のレインボーブリッジ事件の犯人たちが疑われていたため、室井も要請に応じて秋田県警捜査本部に足を運んでいた。

【感想】
観る前は、後編はいよいよ事件捜査がメインの展開になるのかと思っていたが、そうでは無かった。事件捜査も傍らで描かれるが、後編もあくまで室井慎次という男の生き様がメインテーマだった。 前編と大きく違うのは季節で、秋田の雪景色がとても美しく、俺的にはそれだけでも気分が盛り上がったが、ストーリー展開、演出も思いの外良くて徐々に気持ちも熱くなって来た。
そう、恐らく全体の3/4くらい経過した頃には、想定外の涙をボロボロと流してしまった。

しかし、さあ、これからクライマックスに向けてどう展開し、どんな結末が待っているのかと益々スクリーンに集中したのだが、残念ながら、そこが本作のピークで、エンディングに向けて、徐々に熱が冷めてしまった。 結末がちょっと安っぽいのだ。 そこまでは「室井慎次とはこういう男だ」と熱く語られた感じだが、終盤は使い古されたと言うか、安易なお涙頂戴の展開でガッカリ。 終盤の室井の行動にも必然性が無く、何でそんなことになる? と納得が行かなかった。

箱根駅伝に例えれば、最初から優勝は期待していなかった母校が往路(前編)は5、6番手で終えて、「まあ、こんなもんか」と思いながら復路を見ていたら、思いの外頑張って、徐々に順位を上げて9区から10区にタスキを渡した時点ではTOPの背中が見えて、「これもしかしたら行けるんじゃね!?」と大いに盛り上がったのに、10区に入ったらズルズル遅れてしまったというところ。 終わってみればやっぱり5,6番手で、そんなに悪い成績ではないのだけど、9区で期待してしまった分だけ残念な気持ちがいっぱい、という感じ。

実はエンドロールの後にサプライズ映像が隠されていたのだが、それを観たら。なおさらなんでこんな結末にしてしまったんだろうと疑問に思った。

泣き虫オヤジ